alternativeway

パリ、カフェ、子育て、サードプレイス、
新たな時代を感じるものなどに関して
徒然なるままに自分の想いを綴っています。

カフェでの出会い

2011年11月02日 | パリのカフェ的空間で



 昨日はやけに天気が良くて
ああ東京の秋晴れって何年ぶりだろう
こんな東京の秋の空が好きだったなあ!と感慨にふけり
色々とやらなきゃいけないことが山積みになっていたけど
今日はどうしても広尾のカフェに行ってしまいたい!と
電車に乗って行ってしまった。


 さて、いつも通り10時半くらいに着いてみると
やっぱり外の空気が気持よくって 最近は
私も少しずつその場になじめて来たのだろうか
ちょっと知り合いができたりしはじめ
午前中に2人の知り合いに会い 仕事をしながら
色々と話をさせてもらえて面白かった。


 カフェでの会話、カフェでの出会いはなんだか
とっても面白くって これまでここであった話を
挙げてみる と なんだかすでに山ほどあるけど


 先日たまたま出会ったフランス人の様子について
オーストラリアから来た人としていた会話
「それで、今度のフランス行きはどうなったの?」
「一週間だけ行くんだよ。ずっとサイクリングするんだ」
(何故か偶然出会ったこの人は私と同時期にフランスに行く)
「それにねえ家の工事もあるからね 結構忙しいんだよね」
「たった一週間なんて短いんだね もっとゆっくりしたらいいのに。
南仏の人たちって怠け者だっていうから忙しいとやりとりが難かしいんじゃない?」
「怠け者って言い方はよくないよ 彼らは彼らのやり方があるだけだ」
「そっか ごめんなさい ボキャブラリーがあんまりないの。
そういえば前にみた『プロヴァンスの恋』とかっていう映画は面白かったな。
ロンドンの忙しいビジネスマンが
訳あって南仏に滞在することになってね 彼の忙しいやり方と
南仏のゆったりした雰囲気がすごく対照的なの」
「それがフレンチウェイなんじゃない?」
「フランス流といえばね 私がここで出会ったフランス人の人は
すごいゆったりしてるよ。3週間くらい奥さんに会いに
東京に来てるみたいなんだけど 午前はここでゆったり過して
午後はちょっと散歩するんだって でも美術館とか
色々巡ったり 京都行ったりもしないんだって!」
「それはすごいね、、、僕はオーストラリアンウェイだなあ」
(それでもこの人の日本人からみると随分ゆったりしてみえる)


 さて、そのフランス人はといえば、色々と面白いことを
言っていて 「パリってのはねえ やっぱり夜の街なんだよ」と
教えてくれる。この人は子供が15歳くらいと言っていたので
多分40歳代だろうと思うのだけど 日本で40代の大人が
夜の街を楽しまなきゃねなんて言えるだろうか?
夜を楽しむのなんて20代くらいで終わりじゃないか?
私はうまく説明できなかったけど 日本で最近
「大人の遊び場」って言葉が使われてること
パリに行ってなんだかそんなの笑っちゃうなと思ったこと
だってパリにはそんなのが溢れているからってこと
どうしてパリプラージュができたのだろうとか
はたまたビザのいろはに至るまで いろいろ
教えてもらえてとってもありがたかった。
そう フランス人はゆったりしている
彼らには彼らの時間の使い方があるようで


 だってピクニックいってても3時間も4時間もいるもんね
日本人なら2時間くらいがせいぜいじゃない?
バカンスに行こうものなら彼らののんびりの仕方はすごい
そして彼らは1週間でパリを早足で駆け回るような
日本人達を「かわいそうね」という目で見つめている
なんだか全然違うんだ。
(よくパリでは「どうして日本人はそんなに夜中まで
働くの?」と不思議そうな顔して聞かれます。
ちなみに信じられませんが怠け者にみえるフランス人たちは
なんとGDPが世界5位なんですよ 日本は3位!こんなに
必死に働く人たちとバカンスと家族を大事にする
人たちの差はわずか2位。。。彼らは生産性が高いらしいです)


 このカフェはパリのカフェみたい というか
むしろユースホステルとカフェが合体したような
あまりにも国際的で だけど東京に住んでる人が集うから
それなりに常連の人が多くって あの人また来てるなという人が多い。
夕方に来たら目の前で勉強していた中国人の女の子に
おじさんが声をかけている。
「いやあ美人ってのは大変だよね 要求が多いんだ。」とか
「君は一人っ子なの?そりゃあ淋しいねえ!兄弟は大切だよ」とか
なんだかいろいろちょっかいを出し「兄弟がいないなら僕が
兄弟になってあげよう」とかナンパなんだかナンパじゃないんだか
よくわからないことを言っていて 最後に「それで?君、
名前は?」ということになっている。

 そう カフェの出会いには 名前も自己紹介も必要がない
だけど どんな人なのか は だいたいわかる
それでちょっと話が合ったら 名前を聞いて
場合によっては連絡先を聞いたりもする そんなやり方が
私は好きだ。そういえば私の人生を結果として変えることになった人たちは
一人はバスチーユの哲学カフェに来ていた人で
一人はカフェドフロールの哲学カフェを主催していた人だった。
カフェでの出会いは面白い。


 たまたま隣にいただけなのに 「え?そんな!」という
情報を持っていることがある。そのフランスから来た人は
私がまさに知りたい情報を色々と教えてくれたし オーストラリア人の人は
不思議なことに11月にフランスに行くという。みんなに
共通してるのは カフェという場 特にパリのカフェみたいに
なんとなーく座っていられるテラスのある ここのカフェを
気持がいいと思ってることで「今日もいい天気だねえ!」
なんていいながら 自分のやりたいことをやってみたり
時に会話を交してみたり 街行く人や 街のざわめきを感じてみたり。


 今日はカフェでオルデンバーグの「The Great Good Place」という
サードプレイスに関する本を読んでいたけど まさにそんなカフェが
街中に溢れてる パリという街はとても素敵だ。 ブリュッセルやウィーンも
そうらしく この本が書かれた当時のアメリカに ヨーロッパから
渡った人は どんなに家が大きくたって こんな感じの
誰かに気軽に会えて ちょっと降りて行ってリラックスできる
そんな場がない生活を 監獄のようだと思ったという。
私にはその気持がよくわかる。家は小さくってもいいから
インフォーマルパブリックライフを大事にしたい
そこで沢山の人と意見を交して 違う視点で物事をみて
それで何かを書いて行けたら そりゃあ楽しいだろうなあ!
このカフェにいて それから図書館で本が読めると
ボーヴォワールの気持がわかるような気がする
さぞかし彼女は楽しかったことだろう。
彼女もカフェで 沢山の人に出会った 
カフェで宣戦布告を知って カフェで沢山のニュースを聞いた
沢山の物語が刻まれて行く そんなカフェ が 身近にあること
それってすごく人生を豊かにすると思う。


 そんなカフェ 人との素敵な出会いがあるカフェ、
世界も自分も開かれていく 気楽で自由な雰囲気のカフェが
もっと日本に増えてほしい。


 

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