alternativeway

パリ、カフェ、子育て、サードプレイス、
新たな時代を感じるものなどに関して
徒然なるままに自分の想いを綴っています。

銀座のカフェ

2010年09月28日 | パリのカフェ的空間で


 今回は東京に来てからもう3回も銀座に行く
機会があって わーやっぱり 銀座はなんだか
雰囲気が違う 東京の中でもお洒落だし
どこか別格なんだなあ とつい思ってしまう。


 どこで違いを感じるかって 並木通りとか
高級な通りもそうなのだけど うちの父が入院を
することになった病院から一番近くのカフェでさえ
なんだか雰囲気が異なっていて そこに行くのは
2度目なのだけど なんだかちょっと 妙な気分。


 銀座のカフェ と言ってみたって
そこはただのタリーズで 見た目は何の変哲もない。
だけど周りの人の話や雰囲気が どうやら
他の地区とは違って はー なるほど!
なんだかどうも ここに普通にくる人たちは
ちょっと世界が違うらしい。





 かつてパリのカフェ・ド・フロールがとても有名だった頃
空港まで飛行機に乗り 降りたらタクシーに飛び乗って
「カフェ・ド・フロールに行ってください」
そういう人たちが居たという。
カフェに行って?だからどうなの?とつい思ってしまうけど
あるカフェは魔力を持ってて
それはそこが 何かの中心地になってるからで
中心地 に なってるカフェは 
ただ人がちょっとお茶しに憩いにくるような
そんなカフェとは違うらしい。


 さてそこのタリーズは?
ここは近くに新聞社だとか大きな広告代理店もあり
もちろん銀座の中心街まで歩いて5分くらいの距離で
だからなのだか そこに来ている人たちの雰囲気だとか
話す内容が どうも他のカフェとは違ってて
出版社系やデザイン系?という感じの人たちが
ちょっとした打ち合わせみたいなのをしていたりとか
先日私の隣で話をしていた人は はじめはマヤ暦の
話をしてて ちょっと懐かしいヒッピーイベント系の人?と
思っていたら 今度パリでコンサートみたいなのをするという。
音楽をやってるアーティストなんだろうか
娘さんがいるらしいけど 彼女を預けて今度
オーストラリアに勉強をしに行こうかしらとか
言っていて この人何者なんだろう?


 その人と一緒に話をしている人は もうちょっと
モード系の雰囲気で 東京マラソンに今度出るとか
言っていた。彼女は全くヒッピー、反原発系の人でもなくて
ただの友人っぽい感じだけれど なんだか話の雰囲気からは
2人とも自分の道をいっていて それでけっこう
お金を稼いで人脈ももってやっている
そんな人たちなのだろう(横尾忠則の話もでてきたような)

 なんだか不思議な人たちだなあと思いながらも
私は横で翻訳の作業をしてて 今日もまたそのタリーズへ。
すると隣に座った人たちは私より若そうな女性2人で
仕事の話やあまりいい出会いがない話などをしてるんだけど
たまに韓国の話もでてきて はて彼女達は日本語だけども
韓国人?かと思いきや なんだかとっても国際的で
「またアメリカに勉強しにいきたいなー」とか言っている。
「でもアメリカってお金かかるんでしょう?
留学してたとき年間いくらくらいかかったの?」
「いやあ はっきりとはわからないんだよね
だいぶ高かったと思うけど でも親が出してくれたから、、、
しかも私立の学校だったし 学費だけじゃなく
生活費も込みだから 年間400万くらいじゃない?」

 年間400万ですって!!しかも彼女は
何年か留学をしていたらしい。すごいですねえ。
それに対してもうちょっと若い女の子はといいますと
看護学校に通っているらしく「うちは学費年間150万だよ」
わーお みなさん お金持ち、、、
よくよく話をきいてしまうと なんと
どうやら2人はフェリスの出身らしい。
はあ フェリス。小学生の時 憧れました。
横浜のお嬢様かつ 頭のいい人たちのいく私立の学校で
「フェリスも学費高いもんねえ」
そりゃ高いだろうよ そんなところに通えた上で
そんな留学もさせてもらえる お父様 は お医者様?


 彼女達はかなり医療系の話もするから おそらく
そんな家系なのだろう。そしてうちの父は
そんな人たちに囲まれながら 入院をするわけだけど
看護婦さんはお医者様との出会いを探し
なんだかつれない空気のただよう病院に
「患者」は入院するわけで
「患者」その一人にとっては 人生の一大事だけど
お医者さんや看護婦さんにとってみたら
かれらは大多数の患者の一人にしかすぎなくて
私はそこに足を踏み入れる度 なんだか切ない気持ちになってしまう。


 別にお医者様!がいいだとか 弁護士の妻になりたいだとか
そんな気持ちは毛頭ないけど なんだか彼女達は
もって生まれた世界が違って だけど私も私で
最近勝手にインターナショナルな気分で生きてて
もう以前のようにカフェでインターナショナルな話を
している人がいるからって 指をくわえて
う うらやましい、、、と眺めるだけじゃない。
隣の席に座った人に 話しかけたりはしないけど
それでも同じ場所 で 同じようにコーヒーを飲み
未来について考えている なんだかそれが面白い。


 どこかでいつか 交わる日が来るのだろうか
どこかでいつか 新聞社の人たちや
編集やデザインをしてる人たちや
芸術系の第一線の仕事をしている
「東京」の真ん中にいる人たちと
私はただただカフェで隣り合わせるだけだけど
いつの日か 口を開いて 少しは中にいれてもらえる
そんな日も来たりするのだろうか
東京なんて と思っていたけど
銀座はやっぱりセンスがよくて
東京のまっただ中で 頑張る人はがんばっていて
それらが世界で評価されてる。
そんな人たちは このカフェの 
ほど近く に いるのだろうか


 なんだか不思議だなあと思う
その世界 を 垣間みたいなら
その世界 に 一番近い カフェをのぞいてみればいい。
東大に興味があるなら 東大生が行くカフェに
高校生の時分にだって 行って観察すればいい。
早稲田に憧れを抱いてるなら オープンキャンパスに
行くだけでなく 近所のカフェを覗けばいい。
そこでは彼らが口を開けて 本音で話をしているわけで
装ってない 本当の姿をさらけだしてしまってるから
だからとっても面白い。

 この銀座のカフェは 私が知ってるその他多くのカフェとは
なんだか感じが違い カフェのもつ深みを少し
感じさせてくれた気がする。
これからしばらくここに通って
私も仕事をしてみようかな。
不思議なことに 子供を産んで
もう戻れないと思った東京の街。
永遠に離れてしまったと感じた東京の街がなんだか
2年の歳月が経った今 私にはとても身近なものになってしまった。


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