alternativeway

パリ、カフェ、子育て、サードプレイス、
新たな時代を感じるものなどに関して
徒然なるままに自分の想いを綴っています。

内部被爆について考える

2012年01月16日 | 福島見聞録


 「今日は午前中は来なくてもいいよ
通訳機があるみたいだし。じゃあお昼に待ち合わせしよう」
そう言われて昨日の夜にソフィーと別れてみたものの
電車の中で何気なく読んでみたメールには
「内部被爆研究会、、、15日の朝10時」と書いてある。
え?なにこれ めっちゃ興味ある!しかも脱原発会議に来るっていうこと?


 「今日こそは息子を構ってやらないと、、」と言ってたものの
この時間を息子と過ごしてみることと 将来的に息子を
守っていくことと どっちが大事なのだろう?
うーんと悩んだけれども これを逃したら機会はなかなか
ないだろう。大事なことだ。息子には何も言わずに
朝から仕事なんだと言って出て行こう。


 そういうわけで会議場に着き、内部被爆の会に行ってはみたけど
難かしすぎてわからない。放射線の種類とか どうして
内部被爆について研究をすることが許されてこなかったのかとか
私としては「じゃあどうしたらいいのか?」が知りたいのだけれど。
測定所の人が言っていた「福島の人の平均はこれくらい」ということは
すでに内部被爆が判明している人も多いわけ で
それとどうつきあってくか 排出が可能なのならどうすればいいのか
そういうことが知りたいのだけど

 なかなかそれはわからなかった。


 まあ仕方ないか、、、と思いながらも会議場で時を過ごし
それからまた時間があってソフィーが「ちょっと行って来なよ」と
言ってくれたのでその会場の近くに言ってみた。ソフィーは
彼女が参加した会に登壇していたチェルノブイリの避難区域らへんに
今でも住んでいるという男の人をつかまえて「ちょっと彼女が
内部被爆について興味あるみたいなんだけど どうしたらいいものかしら?」
と尋ねてくれる。彼によれば、そのゾーンから何回か離れる期間を持つ事と
それからウォッカがいいらしい。。。そうか、ウォッカかよ、、、と
思いながらもお礼を言って また誰かそれらしき人を探してみる。


 すると「内部被爆研究会」という札の人を目にしたので早速聞いてみる。
わからないことも多かったから「ああじゃあ彼が専門だから」と
近くにいたおじさんを呼んでもらって 今度は彼が話してくれる。
ホールボディカウンターでは全ての放射線は計れないこと
計れない放射線の方が実は内部被爆では重要なこと
ホールボディカウンターを買いそろえるよりは尿検査などを
もっと実施したほうがいいということ(こちらの方が高くつかないので)
内部被爆したらこれ以上汚染されている食べ物は口にしないように気をつけること
大切なのは免疫力を高めて元気に活き活きすごすこと。
身体をしっかり動かす事も大事らしい(だけど福島の人は一度
ジョギングをしてみようとしてマスクつけてやったら5分も
息が持たなかったそうな どうやったら彼らはいい運動ができるんだろう?)
それから私がリンゴの話をしたら はーなるほどね、
それはペクチンだね、、と言って いいんじゃない、やってみたら と言っていた。


 首都圏では内部被爆をどれくらい計れるんですか?
私はたまたまホールボディカウンターで計ってみたら検出されて
けっこうみんな大変な状態にあると思うんですが と尋ねてみると
大きな病院で高額を払えばできなくもないとのこと でも
市民に開かれたそういうものはまだないらしい
(ので市とかに訴えかけて行くのが大事ですと言われた)

 内部被爆と外部被爆の関係性は?保養や避難をすると
症状が治るとかっていうのはどういうことですか?
避難していると内部被爆したものも排出されるってことですか?
と尋ねてみると そのへんの関係はまだよくわかっていないらしい。
なんせ午前の説明にあった通りで 内部被爆については隠蔽されて
「そんなものは存在しない」ことになっていたので研究も
拒絶されていたからしい。だからどうすればいいかなんて
あんまり誰もわかってないんだ、、、


 ありがとうございました!私も首都圏の人たちのために
何かできることがあったら教えてくださいといって名刺を
渡すと 彼が取り出した名刺にはなんと 矢ケ崎、、、と書いてある。
あれ、もしかしてあの先生ですか?私本を買いました、ほら、
今読んでいるやつですか??そう 彼はなんと内部被爆の研究で
有名な琉球大学の矢ケ崎教授だったのだ!
こんなところで何気なくこんなすごい人に出会ってしまえるとは、、、


 とはいえ今回相当盛り沢山な企画がある中、内部被爆についての
セッションは2つくらいしかないようで 心配がつのる中 で
おそらくあまり それに対するしっかりとした情報というのも
ないのだろう。これまで出会った人が口をそろえて言ってたことは
これ以上汚染されたものを食べないこと できれば排出する努力をすること
(ペクチンや酵素、利尿作用のある野草茶など あと玄米に梅干し 漬け物?)
それからちょっと避難をすること


 だけど私の場合は?私横浜にいただけだったのに

 なんでそんなことになっているんだろう?


 ほとんどの人は「まさか!」と言った。
「だけどちょっとだけでしょう?」
「人間の身体の中にもセシウムはちょっとくらい
含まれているわけじゃないの?」いや そんなことはないらしい。
どうしてなんだろう 私爆発の時だって西日本に居たのにな、、、


 ずっと不思議に思っていたけど 今日ちょっと謎が解けたような気がした。

 
 プレスルームの近くのソファーで偶然出あったフィンランドから
来た記者の人が測定器を持っていて こんなのここでは
必要ないじゃん?と思っていたら 意外と東京も高いんだよという
話になって 彼は1とか2 とか言ってくる。それは私の英語力が
弱いのと コンマっていうのをなんて言うのかわからなかった
からだと思っていたけど 何度か確かめながら彼はこう言った。
「0,2 じゃない。2だよ。毎時2マイクロシーベルト。
10月に来たときに計ってみたらけっこうそんな場所があるんだよ。
地下鉄の駅とかね。2とか1とか、0,1じゃないんだよ」
そんな彼は示してくれたパシフィコ横浜の会議場では0.2になっていた。

 「えっと、、、それはつまり 福島とか郡山より値が高いってことですか??」

 「そう けっこうそんな場所があるんだ みんな知らないだけなんだ」


(ちなみに毎時で0,6ミリシーベルト以上あると 年だと5ミリシーベルトを
こすことになって、年間5ミリシーベルトというのは、放射線を扱う
お医者さんたちがレントゲンなどをとる医療放射線管理区域というのの
上限レベルらしい。チェルノブイリでは5ミリシーベルト以上は
強制避難区域になったそうです。 ちなみに日本政府が事故前に
定めていた一般人の上限は年間1ミリシーベルトで、それを時間になおすと
だいたい毎時0,1マイクロシーベルト。低そうにみえて実は低い値じゃないんです)


 本当かよ?と思ったけど そう 私たちは新聞の発表ばかりみて
福島は高いけど 東京は低いと勝手に思い込んでいる。
それは福島の人たちがかつて思っていたように 政府の発表は
信頼できるという 勝手な幻想なのかもしれない。
もしそれが嘘だったなら?自分の手で計ってみたら?
意外と避難区域の近くで線量が高くないところもあるし
郡山ではラジオでのほほんと「今日は毎時0,6ミリシーベルトです」と
まるで音楽を流すかのような軽やかな声で言っていた。
福島市の役所に書かれていたのは0.9という数字であった。
それに対して東京は?「10月はかなり高かったんだよ」
そんなこと 聞いたことがない。もしそれが本当だったら
なんだかいろんなことが理解できる、、、


 どうして私が東京や横浜にいて 「福島の人の平均よりは
多少低い(つまりおそらくけっこうあると言いたいのだろう)」程度のセシウムが
検出されたのか どうして東京でも放射能に関係するとみられる
症状を起こす子供がいるのか どうして私の友達が
夏に会ったときに甲状腺の病気になって、、、と言っていたのか
(私は無知だったのでそれは子育てのストレスがはげしいのかと思っていた)
私はあまりにわかってなかった そんな気がする。
それにあまりにも待たされた年末の皮膚科の異様な感じは
(35人待ちで1時間半以上待った)ただ年末だからという
それだけの理由なのだろうか。 それほどまでに皮膚科は混むものなのだろうか。


 私たち 首都圏にいる人たちは あまりにも無防備で
福島の普通の女性がみんな知ってる「そんなの常識」ということが
ほとんど常識になっていない。(さっき上で説明したことは
彼女たちは何も見ないで説明できる)だけどもし 首都圏にだって
私たちが彼女たちのように自分の測定器でしっかりと
やっていないだけで 本当はかなり放射能が降っていたなら?
これはかなり考えられる。そして結果は もしもその
フィンランドの記者が言ったことが本当なのなら
私たちは無防備であるが故に 結果はもっと重大だろう。
私は息子が保育園に週に2日しかいけないのを嘆いていたけど
最近になってそれが逆にありがたかったと思うようにもなってきた。

 測定器 は2万円くらいするらしいけど
もしどこかで借りられるのなら 私も本当のことを確かめたい。


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