フィギュアスケート・ジュニアグランプリ(JGP)シリーズ第6戦、スペイン大会。男子フリー(ジャッジスコア)、再生リスト・全体映像。トップの2人、強すぎ
10 山隈太一朗 SP:48.17(16) FS:83.57(19) 合計:131.74(17)
「ミッション」♪ 頑張ったがジャンプが全体に不安定で、コンビネーションが1つしか入れられなかった。キャメルスピンで足換え後にふらついて無効になったり、後半ルッツやループが1回転になる等、体力がもたなかった感じ。。。課題がいろいろ。
14 木科雄登 SP:51.25(11) FS:98.56(12) 合計:149.81(12)
「ロッキー3」♪ 革ジャケ風の衣装で登場。冒頭の3回転ループからしっかり決めていく。後半のサルコウ転倒とアクセルのパンクが惜しかった。フライングキャメルでもう少しはっきりしたジャンプができるとよかったかな^^; 今後はルッツを構成に入れられるようにしたいところ。
19 ヴラジミール・サモイロフ(ロシア) SP:61.63(4) FS:111.28(6) 合計:172.91(6)
「Inglorious Bastards」♪ 前半に時間をかけてステップ、8つのジャンプのうち6つを後半に持ってきた。フリップ2本にエッジの!(アテンション)がつき、サルコウ・ループ・サルコウ3-1-2のループがダウングレード判定。3連続コンビネーションの真ん中に使うときのみ1回転扱いになるハーフループだが、しっかり“ジャンプ”しないといけないのだ。
全体にまだ粗さが残る。ジュニアの間にもう少し洗練させていけるといいんだけど。
20 ダニエル・サモヒン(イスラエル) SP:67.96(2) FS:159.23(1) 合計:227.19(2)
「シャーロック・ホームズ」♪ 4回転3本 冒頭にトウ・トウ4-2、4回転サルコウ、トリプルアクセルと立て続けに決め、後半惜しくも転倒したが4回転トウループはしっかり回りきった。さらにルッツ2本やサルコウ・ループ・サルコウ3-1-2、最後はレベル4のステップで飾る。
もうヨーロッパ選手権なども経験しているだけあって、スケーティングはすでに大人。終わってパイプをくわえる手つきをしながらリンク中心に戻り、スカーフをくるくる回してご挨拶。リンクを出るまでホームズになりきってる
21 張鶴(He ZHANG)(中国) SP:63.93(3) FS:129.38(3) 合計:193.31(3)
「Fantaisie for Piano and Orchestra」♪ 昨季よりジャンプの難度を上げて、トリプルアクセルと4回転サルコウを入れてきた。アクセルは見事に決まったが、4回転サルコウは回転不足で転倒。3回転の単独ジャンプは高さも距離も十分できれいだが、3-3のセカンドや3-1-3のサードで回転不足に。足換えキャメルスピンはレベルBにとどまった。
元々端正な滑りときれいな滑走姿勢だけど、ジャンプが難しくなった分、プログラムの完成度はもう一つかも。これから滑り込めばよくなると思う。
22 ネイサン・チェン(アメリカ) SP:77.94(1) FS:158.43(2) 合計:236.37(1)
「交響曲第3番」サン-サーンス♪ SPで2位に10点近い差をつけている優勝候補、攻めてきた。冒頭にトウ・トウ4-3、さらに4回転トウループ トリプルアクセルのコンビネーションはターンが入り、単独は転倒とまだ安定してないか^^; それでも他の3回転はなんの問題もなく、曲が盛り上る終盤のステップはレベル4に加点1.50。
演技構成点も5項目全て7点台に乗せ、フリーはサモヒンにわずかに及ばず2位でも、総合では余裕のトップ。
23 マテオ・リッツォ(イタリア) SP:58.89(6) FS:115.35(5) 合計:174.24(5)
「女は気まぐれ(「リゴレット」より)」ヴェルディ/「カヴァレリア・ルスティカーナ」マスカーニ/「ウィリアム・テル」ロッシーニ♪ 自国の名曲メドレーで滑る。トリプルアクセルは転倒したが、パヴァロッティの歌とうまくタイミングを合わせたルッツ・トウ3-2などで盛り上がる。基本的なスケーティングはちゃんとしているので、つなぎをもう少し入れたり、全身をうまく使ったりしていけるといいかも。
24 ジュリアン・ジージエ・イー(マレーシア) SP:59.34(5) FS:120.51(4) 合計:179.85(4)
「Peter Gunn」「Fever」「Oye Negra」♪ ジュニア最後のシーズン、シニアに上がる準備はできつつある。トリプルアクセルはステップアウトしたが回転はOK。高さのあるフリップ・トウ3-3、ルッツ・トウ・ループ3-2-2は最後の着氷で若干乱れたが大丈夫。ダブルアクセルのシークエンスで1つ目がパンクしたが、リズムを崩さずに2つ目をきちんと跳んだ。
全体にうまくまとまって、ポーズを音にはめるのも決まっていた。JGPで自己最高となる4位獲得、シーズン後半は世界選手権に向けて準備していくことになる。
結果、優勝はネイサン・チェン、2位サモヒン、3位張鶴。4位イー、5位リッツォ、6位サモイロフ。木科雄登は12位、山隈太一朗は17位。
優勝したチェンは、30ポイントでファイナル進出決定。2位サモヒンも26ポイント最上位2位総得点434.36で5番手となり、進出が決まった。26ポイント最上位2位は他にヴィンセント・チョウ、デニス・ヴァシリエフスがいるが、総得点で一番下のヴァシリエフスは7番手となって進出を逃した。26ポイントでファイナルに行けないって、前代未聞かも
3位の張鶴はクロアチア大会にもエントリーしている。優勝すれば26ポイント最上位1位でファイナル進出だが、2位以下ではアウト。チョウの進出は張鶴の順位次第 さて、どうなる?!
フィギュアスケート・ジュニアグランプリ(JGP)シリーズ第6戦、スペイン大会。女子フリー(ジャッジスコア)、再生リスト・全体映像。大接戦を制したのは・・・
23 ブリン・マカイザック(アメリカ) SP:53.43(7) FS:108.82(4) 合計:162.25(4)
「レ・ミゼラブル」♪ 冒頭のフリップ・トウ3-3やループ・ループ3-2など、ミスなくジャンプを決めていく。ジャンプを確実に跳ぶためにややスピードを抑えている感じもするが、きっちり回れているのは偉い。つなぎのスパイラルやイナバウアーでも拍手をもらい、スプリットジャンプやスピン中のジャンプなどもきれいだった。
28 テッサ・ホン(アメリカ) SP:50.38(9) FS:102.24(5) 合計:152.62(6)
「弦楽のためのセレナーデ」チャイコフスキー♪ 滑走中の体の線がきれいで、ジャンプの軸が細い。ルッツ・トウ3-3のトウループやダブルアクセル+1回転ループ+3回転サルコウのサルコウで回転不足になったが、そのあたりが安定してきたら強い。回転が速く姿勢に工夫のあるスピンもいい。
29 白岩優奈 SP:62.51(3) FS:124.29(1) 合計:186.80(1)
「Night Waltz」「Send In the Clowns」♪ 最終グループの第1滑走でも落ち着いていた。ルッツ・トウ3-3、サルコウ・ループ3-3と2種類の3回転3回転をさらっと決める。どのジャンプも回転が速く、ジャンプの前後でスピードが落ちない。演技後のスロー再生で「ジャンプ中の自分の体の位置をよくわかっている」とコメントされてたが、それが着氷の安定につながってるのかな。
スピンも安定していて、スローパートでのステップもじっくり見せた。今後の課題としては、全身を大きく使う動きが入ってくるといいと思う。それにしても、見事
30 セラフィマ・サハノヴィッチ(ロシア) SP:60.10(4) FS:92.36(9) 合計:152.46(7)
「交響曲第7番『レニングラード』」ショスタコービッチ/「レクイエム」モーツァルト♪ 力強く滑り出し、両手上げの3回転フリップを決めて、このままいくかと思ったら、、、ルッツで転倒(エッジエラーe)。それでもしっかりしたステップ、両手上げ3回転フリップ+1回転ループ+片手上げ3回転サルコウで立て直す。が、ダブルアクセルでほぼ下りたのに転倒、ループが2回転に、さらにダブルアクセルで転倒。時間が足りず、最後のレイバックスピンは十分回れず。
後半は明らかにスピードが落ちていて、それでも手を上げてジャンプを跳ぶので危なっかしい。いつも手を上げて跳んでいると、急に普通に跳ぼうとしてもできないんだろうけど。
かなり不本意な出来になってしまった。どこか故障があるのかも…
31 松田悠良 SP:65.71(2) FS:113.27(3) 合計:178.98(3)
「白鳥の湖」チャイコフスキー♪ ゆったりした流れから、フリップ・トウ3-3を決める。ルッツは転倒(エッジエラーe)したが、大きなミスはそれだけ。後半のダブルアクセル+1回転ループ+3回転サルコウなど、どのジャンプも流れがきれい。曲の変わり目にしっかり雰囲気を変え、プログラム全体の起承転結がある。フィナーレをきれいなスピンで飾り、フィニッシュポーズをぴたっと決めた。
自己ベストを大きく更新して、2位につける。
32 アン・ソヒュン(韓国) SP:55.72(6) FS:97.74(6) 合計:153.46(5)
「Buster's Big Opening」♪ 冒頭のルッツ・トウ3-2、続く3回転フリップときれいに決まり、軽妙な振付のステップが可愛らしい。後半に入ったところのダブルアクセルで転倒してしまったが、崩れずに残りのジャンプをきちんと跳んだ。
「スムーズで静かなスケーティング」と実況のコメント。全体に素直で癖がなくて、順調に伸びそうな感じ
33 アリサ・フェディチキナ(ロシア) SP:66.16(1) FS:120.22(2) 合計:186.38(2)
「Nos souvernirs (Memory) 」♪ ミュージカル「キャッツ」の曲なので、猫の耳のような髪飾り。イーグルからダブルアクセルで始まり、フリップ・トウ3-3にルッツと完璧。後半にまたイーグルからダブルアクセル+3回転トウループ+2回転トウループの3連続、さらにルッツ・トウ3-2。
終盤のステップも情感をこめて表現、長いパール姿勢からビールマンスピンでフィニッシュするとガッツポーズが出た。
唯一のミスは2回転になったループだったが、、、「このミスは大きいかも」と言った実況の人は鋭かった わずかに白岩優奈に及ばず。でも、演技構成点で5項目全部7点台を出せる13歳って、凄いかも。「ロシアと日本のジュニア選手権はエキサイティングだろう」という実況、その通り
結果、優勝はわずか0.42差で白岩優奈、2位フェディチキナ、3位松田悠良と日本勢2人が表彰台 マカイザック4位、アン・ソヒュン5位、テッサ・ホン6位。サハノヴィッチは7位に終わった。
優勝した白岩優奈は30ポイントとなって、ファイナル進出確定。2位のフェディチキナは22ポイント最上位2位で5番手につけたが、ファイナル進出は最終戦クロアチア大会の結果次第。
樋口新葉は優勝、本田真凛は3位以内だと、それぞれファイナル進出となる(樋口が22ポイント最上位1位、本田が24ポイント以上)。そろって進出したら、ファイナルは日本4人ロシア2人 昨年もロシア3人日本3人だったし^^;
最終戦が終わるまで、目が離せない
フィギュアスケート・ジュニアグランプリ(JGP)シリーズ第6戦、スペイン大会。もうすぐクロアチア大会だけど、始まる前になんとか^^; 女子ショートプログラム(ジャッジスコア)、再生リスト・全体映像。
日本からは、ファイナル進出を目指す白岩優奈と、今季はこれが国際大会初戦の松田悠良が出場。
1 ブリン・マカイザック(アメリカ) SP:53.43(7)
「シカゴ」♪ 英米の名字だが、生まれは中国(Maomingとあるのは広東省茂名市か)、ルックスもアジア系。JGP初出場で第1滑走を引いたが、緊張せずにできたようだ。
3回転フリップには回転不足がついたが、コンビネーションはループ・ループで3-2を決める。シットスピン中のジャンプが曲のチン!という音にぴったり合う チャールストンを笑顔で踊った。
3 セラフィマ・サハノヴィッチ(ロシア) SP:60.10(4)
「Sixteen Tons」「Can't Touch it」♪ 当初はクロアチア大会のみのエントリーだったが、この大会にも出場してきた。2大会の成績でファイナルを狙いたいところか。
レイバックスピンから入り、昨年より大人っぽくなって自然な妖艶さが漂うステップでレベル4にGOE1.40 ジャンプは3つとも後半だが、ルッツで着氷が乱れてコンビネーションにできず。得意のフリップは両手を上げて、ダブルアクセルは慎重に跳んだ。
ミスが出てもこの得点はさすが。
9 アン・ソヒュン(韓国) SP:55.72(6)
「死の舞踏」サン=サーンス♪ この曲は韓国女子選手に大人気のような ルッツ・トウは3-2になったが、フリップやダブルアクセルは問題なし。スピンもレベル4をそろえ、ステップはわりとスピードがあった。3-3を跳べなかったのが少し口惜しそう。
17 白岩優奈 SP:62.51(3)
「虹の彼方に」♪ 今日ものびのびと笑顔で滑る。3回転フリップ、ルッツ・トウ3-3と鮮やか。ダブルアクセルは少しこらえたように見えたが、マイナスはつかなかった。背伸びせずに等身大の自分で表現できる曲なのがいいと思う。
アメリカ大会の得点を更新、田村岳斗コーチと親指を立てた拳をコツンと合わせてにっこり
18 アリサ・フェディチキナ(ロシア) SP:66.16(1)
「感傷的なワルツ」チャイコフスキー♪ ラトビア大会4位、ショートでは1位だった。今大会は勝てるのか イーグルからダブルアクセル、後半のルッツ・トウ3-3にフリップとなめらか。ビールマン姿勢が美しいレイバックスピンには加点が1.29、演技構成点でも3項目を7点台に乗せ、さっそく自己ベスト更新。
21 アンニ・ヤルヴェンパー(フィンランド) SP:58.30(5)
「シェルブールの雨傘」♪ ヨーロッパの選手らしい、背中の線が強い感じの滑り。トウ・トウ3-3、フリップ、ダブルアクセルと回転不足もなく、しっとりとしながら情熱的なステップ。自己ベスト10点以上更新に、コーチのほうが大喜び。
31 松田悠良 SP:65.71(2)
「The Piano」♪ 黒いドレスのような衣装で、曲のとおりピアノを奏でる仕草からスタート。3回転フリップにループ・ループ3-3 速いスピンをぴたっと止めて踊り、また一気に加速して滑っていくのがすごい。つなぎのスパイラル、ロッカーからのダブルアクセル、ノーミス
繊細で優雅でありながら、小さくまとまってない雄大さ。これは高い評価が出て然るべきだ。得点を見て樋口コーチが「ほんと?」と二度見
結果、トップに立ったのはフェディチキナ、2位に松田、3位白岩。注目のサハノヴィッチが4位スタートとなった。フリーでファイナルを勝ち取るのは・・・続く