いやいや、スポーツは何が起こるかわからない^^;
フィギュアスケート・グランプリシリーズ第1戦スケートアメリカ、男子フリー。ショートプログラムで歴代世界最高点を出した羽生結弦が、フリーでは3回の転倒。完璧ではないが4回転2回下りた小塚崇彦が合計251.44で逆転優勝した。最終結果はこちら。
SPで9.75も差があったのに!と思うが、フリーは小塚の166.12に対し羽生は148.67、合計では243.74。逆に7.7の差がついてしまった。フリー2位で合計229.95と自己ベストを大きく更新した町田樹の3位は嬉しい
見事優勝の小塚崇彦のフリー。
ジャッジスコアを見ると、2本目の4回転トウループは回転不足、両足着氷のマイナスもあるようだ。しかし2本下りたというのが大きい。ステップも安定していたし、プログラム全体で曲によく乗っている。最後のサルコウジャンプで手をついてしまって少し苦笑いだが、概ね満足という顔。あとはシーズンを通して全体の精度を高めていけばいい。
観客からプレゼントされたティッシュケースが、衣装とお揃いで黒地に赤が入って金の刺繍
フリー2位の町田樹、154.17。
4回転は転倒したけど回り切っていたから、あともう少し?! 2本目のトリプルアクセルをコンビネーションにできず、シークエンス扱いになったのが惜しかった。優勝したオンドレイ・ネペラの得点を上回り、目標の230点までもあと少しだけど、今シーズン中にクリアできるとみた。魅力あるステップと、すごく上手くなったスピン、体重移動ですうっと前進する振付で拍手。「火の鳥」の世界に引き込まれるプログラム、これは中国杯でも表彰台あるかも
羽生結弦のフリーは、4回転トウループ、4回転サルコウと転倒から始まってしまったが、どちらも回転は足りているのが救い。しかし転倒で少し痛くしたか、起き上がるのに体力を使ったか、ルッツが2回転になったり、コンビネーションジャンプが結局トリプルアクセル+3回転トウループの1本だけになったり 一番ヤバいのが最後の3回転フリップでの転倒で、すぐに起き上がれなかったため、続くコレオシークエンスが半分くらいしかできず、無効となってしまった。
演技構成点も当然抑えられたが、むしろこれにはホッとする。何度も転倒したのに素人には理解しがたい高得点をもらったりしたら、今度いい演技に高得点がついてもなんだか信用できなくなってしまう(笑) それでもスケーティングスキルと振付は8点台、昨季優勝したロシア杯よりもいい点になっているのは成長と実績の証明かな。
年齢のわりに高難度の技術があるために、体力以上に内容の濃いプログラムを組むことになり、本人もそのレベルのプログラムを望んで必死にこなそうとする。うまくいかないときもあるが、やりきると一段上のレベルに上がれる。当分はそんな攻め方でいくんだろう。
時事通信の記事によると、「公式練習のあとホテルに帰って休まずに長時間会場で過ごしたのが問題」とコーチのオーサーが指摘。まだまだ経験が必要だ
フリー4位はミハル・ブジェジナ。昨季と同じ「アンタッチャブル」で、4回転サルコウに2度挑んだが2度転倒、ダウングレードと回転不足のうえ2本目はコンビネーションにならないのでシークエンス扱い。点が伸びないパターンにはまってしまった それ以外は良かったので惜しい。総合での順位も6位と上げられなかった。
フリー5位のコンスタンティン・メンショフは、4回転トウループ2本決めたのに、トリプルアクセル2本のうち1本がダブルになったり、サルコウが2回転になったり、後半が残念。3連続のコンビネーションもどこかに入れたいだろう。演技構成点は元々あまり期待できないし^^; それでも総合4位はGPシリーズ自己最高順位で、212.53は自己ベスト更新。頑張る29歳
地元期待のジェレミー・アボットがフリーは133.64の8位で総合5位に終わってしまった。ストーリーを丁寧に描く美しいプログラムで、ジャンプが決まったらすごく素敵になりそうなんだけど、後半のジャンプが2回転続き トマーシュ・ベルネルのフリーは、オンドレイ・ネペラよりずっと落ち着いて(笑)見る方も楽しめたが、4回転がないのにトリプルアクセルでパンク(1回転)してたら点は伸びない…。エリックボンパール杯までに立て直してほしい。
優勝インタビューで、一生懸命英語を話そうとする崇ちゃんを初めて見た。。。あんまりよくわからなかったけど^^; 細かい話は通訳にお願いだったけど。
流れる国歌が、表彰台の3人にとって同じ自分の国の国歌!という表彰式。透明なメダルが珍しい。
3人並んだ写真を見ると、真ん中の小塚が170cmなら、羽生は171cmよりもっとありそうな感じ。町田はプロフィールで161cmって書いてるけど、もう少しある? それとも小塚の170cmが微妙?!(笑)
ファイナル進出にむけたポイントは、小塚が優勝で15ポイント獲得。ロシア杯でパトリック・チャンと戦うので、ここで優勝できたのは大きい。羽生は次が高橋大輔やハビエル・フェルナンデスが参戦するNHK杯なので、「相手がチームメイトだろうと勝つしかない」。日本チームの高橋大輔はもちろん、フェルナンデスも同じコーチのもとで練習する仲間。フィンランディア杯表彰式の写真撮影で、見えないところでつっつきあったりする仲良し(?!) でも勝負は勝負
NHK杯の時点でポイント争いがどういう状況になっているかだが、26ポイントでもダメというケースはあまりないので、確実に2位以上がほしいところかな。
男子フリーはBS朝日で今夜18:00から放送予定。