KONA WIND-南の風- iBS学院長・南 徹ブログ

アメリカ人に英語を教えていた日本人が外語学院を作った。その学院長が、日本を、世界を斬るブログ!!

死に直面して~その8~

2007-10-06 23:21:42 | 九死に一生物語

今回は、好奇心も度を過ぎると命を失うかもしれないという体験です。
真夜中に、開門岳の沖合いで
密漁をしているグループの行動を観察したいという好奇心が招いた災いです。
幸いにも、グループの中に知人がいたことで、
好奇心が現実のものになりました。
船は真夜中の12時ごろ、沖合いに停泊しました。
見つからないように、船の電気は全て消されます。
ダイバーは海の中に入ってから、
海中で水中電灯をつけ、アクアラングを背負って潜ります。
水音一つたてず、忍者のように海の中に消えて行きました。

見張り役に、一人が船に残っていました。
僕は、静かに待っていれば良いものを、
後から追いかけて、魚を採る様子を見たくなりました。
船に残っていたアクアラング等のダイビング道具を借りて、静かに飛び込みました。
海中で電灯をつけ、10メートルほど、海底に向かって真っ直ぐ潜りました。
底は、潮の流れが速く、誰もいません。
海の底で、思いっきり流されたので、船を見失うといけないと思い浮上しました。
案の定、船の姿はどこにも見えません。
真っ暗闇で、何にも見えません。
見えるのは、空の星だけです。真夜中の東シナ海に一人ぼっちです。
まずは、陸がどの方向にあるのかを見分けなければと思い、
ぐるりと周りを見渡すと、
開聞岳と夜空の境のような、淡い光の流れが見えました。
陸の方角に間違いないと確信し、泳ぎ始めたのは良かったのですが、
いくら泳いでも、一向に距離は縮みません。
腰に付けたオモリが重くて、思うように泳げません。
捨てれば良いんですが、借りたものだから、なかなか決断がつきません。
体がだんだん痺れてきました。
水を飲みながら、気が遠くなっていくのがわかりました。
力尽きて、体が沈んでいきます。

もう限界だと、あきらめそうになったときでした。
偶然にも、真下から、密漁のリーダーが浮かび上がり、
僕の体にぶつかりました。奇跡です。
僕の異常に気がついたリーダーは、びっくりして、
イフジャケットを膨らませろ!と叫びました。
体が痺れて動かないと答えると、僕の身の回りの重そうなものを全部取り外し、
ライフジャケットを膨らませてくれました。
突然、体が雲の上に乗ったような気分になりました。
後で気がついたのですが、
アクアラングを支えているライフジャケットを膨らます方法が判らなかったことが
一番の問題だったようです。
リーダーは、泳げるか?と僕に問いかけましたが、
無感覚の体は動きません。
リーダーに支えられながら、やっとの思いで、船まで帰ることができました。
海底の地形も、船の動きも、潮の流れの事前知識もまったくなく、
ダイビング道具は全て借り物という、愚かな冒険でした。
結局、みんなの笑いと、酒の席の話題にされてしまいました。

大型のクーラー一杯になるほどの大漁でした。
密漁は、よくありませんが、
メンバーのみんなが、とっても素晴らしい人々に見えました。

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ブログの筆者、南 徹学院長の学校はこちらです!
http://www.ibs-gaigo.com


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2 コメント

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恐ろしいの一言です。南先生の死にかけた話はいつ... (Connie)
2007-10-08 20:09:14
恐ろしいの一言です。南先生の死にかけた話はいつまで続くんでしたっけ・・・
私は港町に育ち、海まで水着と浮き袋のままで歩いていける環境で育ったわりにはプールで泳ぐのが苦手という子でした。息継ぎができなくて先生に「頭と足と手がばらばらで頭を動かすことまで考えられない」と訴えたのは小学校三年生の頃、唖然として「そうか・・・」とつぶやいた先生の顔を今でも忘れません。松本賢治先生あの時は困らせてすみません。私はあの少女の資質を残したまま大人になりました。やれやれです。でも水が苦手な分、南院長のような危険とも無縁です。男のロマンは命がけですねえ・・・
 今日はまたまたくされ縁の友人と垂水フェリーに乗り内之浦あたりに出かけました。お目当てはえっがね祭り(いせえび祭り)です。懐かしい磯の香りを楽しんできました。その帰りになんと偶然18年ぶりに古江港を望む高台にある喫茶店をたずねあてました。そのお店は鹿珈家さんといいまして、当時横浜から帰り暇をもてあましていたまだ若き乙女の私が一人指宿から根占に渡り、ドライブの途中に引き寄せられたお店です。オーナーの女性にたずねると開店してから、18年めとのこと、確か私が来たのは20代半ば・・・きゃあ~浦島太郎か乙姫さまか・・当時の私はソバージュのロングヘアで流行のサーファーきどりではなかったでしょうか。時がたつのは早いものです。そしてかたはらには横浜から帰らなければ出会うこともなかったであろう生涯の友。いろんなことあったけど今が一番幸せだな・・・と秋の空を渡る雲を眺めながら自然の癒しに感謝したことでした。頭を空っぽにして自分を見つめ直したくなったらおススメ、鹿珈家(しかや鹿屋市古里0994-46-3993)オーナーさん勝手に宣伝してすみません。静かな空間を守りつつこれからもそこに存在し続けてください。そこに只存在し、淡々と日々の暮らしを営むこと、まさに禅の世界です。合掌。
IBSの宣伝ガール?のつもりがきまぐれアフィリエーターConnieで失礼しました。

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コニーさんの応援歌には、いつも感謝です。これか... (院長)
2007-10-08 23:10:27
コニーさんの応援歌には、いつも感謝です。これからも、どうぞよろしくお願いします。
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