ヒュースタ日誌

相談機関「ヒューマン・スタジオ」の活動情報、ホームページ情報(新規書き込み・更新)を掲載しています。

「第18回青少年支援セミナー」まで1週間

2012年03月17日 19時26分35秒 | ホーププロジェクト
 いよいよ“開幕”まで1週間となった標記イベント。今回の開催趣旨は、専門家の講演や支援団体の実践報告にはあまり出てこない<当事者が求めている理解・対応・支援・学校・社会>をお伝えすることにあります。

 それをじゅうぶんお知りいただくには、1日目の講座で「理解・対応・支援のあり方」を学んだうえで2日目の講演とパネルトークをお聴きいただくことが理想ですが、もちろんご都合と関心に応じて、1日目の「講座1」「講座2」、2日目の「シンポジウム」の3プログラムのなかからひとつ以上お選びのうえご参加いただければ損はありません。

 そこできょうは、出演者どうしの関係や企画の経緯など、どこにも書いていないことを公開します。ご一読のうえご参加いただければ、さらに興味深く聴いていただけること間違いなしです。

       *       *       *

 1日目は、昨年6月に開催した「青少年支援オープンカレッジ」を、講座数を削減して引き継いだプログラムです。
 
 注目は、オープンカレッジで開講した『事例で考える不登校』と同様、論文の筆者と当スタジオ代表の丸山が対談する『事例で考えるひきこもり~再適応か新生か~』です。丸山をはじめとするひきこもり青年数名のプロセスをたどった部分に関連して、丸山の体験談と筆者の関水徹平氏(早稲田大学文学学術院非常勤講師)の研究ノートから<ひきこもりの終わり方>が明らかになります。ひきこもり当事者の生の声から、歩みとその意味が浮かび上がります。

 2日目は「パネルトーク」に注目です。不登校とひきこもりの経験者4名が登場。これまでどのイベントにもなかった、今後もないであろう組み合わせです。

*丸山康彦:当スタジオ代表兼相談員。当事者と支援者の両方の立場で不登校・ひきこもり論を語る。
*伊藤書佳:編集者。不登校から市民運動へ。著書・共著2冊。ひきこもり飲み会の世話人。
*勝山 実:各方面に絶賛されている著書『安心ひきこもりライフ』は1万部超え。全国各地で講演。
*林 恭子:事務や司書をしながら当事者グループや勉強会などに関わる。夫もひきこもり経験者。

 じつは、この4名は互いに仲良し。丸山は林氏と「ヒッキーネット」というネットワークで長年一緒であるのに加え、ふたりと勝山氏、そして1日目の講座で講師をつとめる関水氏の4名は、横浜で毎月行なわれている「新ひきこもりについて考える会読書会」で一緒なのです。これに伊藤氏が勝山氏の著書を編集した縁で輪に加わった、という経緯です。
 ちなみに、伊藤氏が世話人をつとめている飲み会「いけふくろうの会」には、勝山氏はもちろん丸山も参加経験があります。

 このような関係のなかで、林氏や勝山氏らの間で「専門家や支援者ばかりが当事者のことを論じている。当事者がもっと発信しなければ」という問題意識が共有されるようになっていました。特に、昨年10月に開催した当スタジオの設立10周年記念イベントに対談者のひとりとして出演した林氏は、対談のなかで「今後は自分たちのように当事者が発信することができる場や機会を増やしていきたい」と発言したことを丸山が印象深く記憶していて「青少年支援セミナーをその機会のひとつに」と願って企画したものが、今回のテーマと内容になったのでした。

 そこで企画決定後、林氏に当事者の思いの“総論”を書いてもらい、その一部を案内書やメールマガジン『ごかいの部屋』に掲載したわけですが、ここでも掲載しましょう。

               ●

 今まで不登校やひきこもりは、散々専門家や支援者と呼ばれる人たちに分析され、語られ、治療されてきたけれど、本当の私たちの思いが正しく理解されてきたとは思えず、誤った理解から見当違いの支援が多くなされてきたと思っています。
 その象徴的なものが「就労支援」だと思いますが、ここは勝山さんにお任せします。

 もうひとつは「治療」です。
 確かに二次的な症状が現れ、精神科にかかることもあると思うけれど「病気だから治す」という考えでは、不登校とひきこもりを理解することは出来ないと思う。
 そういう意味からも、私は「社会的ひきこもり」という括りの中に、精神障害や発達障害を入れることには抵抗を感じています。
 支援の内容がまったく異なるからです。

 まだ考えがまとまってはいませんが、以上のようなことから、私は本人が自分の言葉で語ることが重要なんじゃないかと思うようになりました。
 自分たちで何が必要なのか、何はいらないのか、どんな支援が欲しいのか、どんな人に関わって欲しいのかを発信すること。
 個別に状況や事情が違うので「代弁」は出来ませんが、それぞれのとても個人的な体験こそ、みんなに共有できるものかもしれないとも感じています。
 体験談を話すことでも、インタビューを受けることでも、書くことでも、それぞれが可能な方法で発信が出来たらいいと思っています。

               ●

 どうです! “経験者が話すといえば体験談”というイメージがありませんか?

 このパネルトークでは、そうではなく4人のパネリストが<今言いたいこと>を自在に話す予定です。そのため、勝山氏の提案で“朝まで生テレビ風”なトークにすることになっています。“田原総一朗役”をつとめるのは、もちろん主催者でもある丸山です。

 2日目は、最初のプログラム「代表講演」での話しぶりから一転、“田原総一朗風”の語り口や身振りに変貌する丸山にもご注目ください。

       *       *       *

 出演者一同、当日ひとりでも多くの方とお会いできることを願っています。

 参考までに、勝山氏によるセミナーの紹介、伊藤氏のツイートを収録した当スタジオの公式ツイッターアカウント、林氏と丸山の体験談が掲載されている新聞記事をリンクしておきます。


「ひきこもりブッダ全国巡礼ツアー in 横浜 2011/03/25 (日)」<勝山実氏ブログ『鳴かず飛ばず働かず』

伊藤書佳氏のツイートを収録した当スタジオ公式ツイッターのお気に入り欄

ひきこもり経験者に聞く「“核”を曇らせない生き方を」(林恭子氏)<不登校専門紙「Fonte」2010.8.2

ひきこもり経験者 丸山康彦さんインタビュー<不登校専門紙「Fonte」2010.8.23

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『ごかいの部屋』2012年... | トップ | 「第18回青少年支援セミナ... »
最新の画像もっと見る

ホーププロジェクト」カテゴリの最新記事