ヒュースタ日誌

相談機関「ヒューマン・スタジオ」の活動情報、ホームページ情報(新規書き込み・更新)を掲載しています。

コラム再録延長(2)『「問題」でもなく「生き方」でもなく』

2013年01月23日 14時54分15秒 | メルマガ再録
 最近、不登校やひきこもりを「生き方」と表現する支援者が増えてきました。確かに、不登校やひきこもりを「問題」としか認識できないのは誤解ですが、だからといって「生き方」と言われても、何となく自分の実感と合いません。

 なぜなら「生き方」ということばには、不登校やひきこもりになることを、自らの意思で選んだようなニュアンスがあるからです。たぶんそういう不登校児やひきこもり者は、ひとりもいないでしょう。もし選んだとすれば、それは意思によるものではなく、無意識からの指令によるものだと表現するほうが適切です。

 これまでにも何回か出てきましたように、私自身は不登校を運命的なものだったと感じています。なぜなら、不登校が終わったあとの高校生活で、私が体験した思い出深い出会いや活動は、その前の不登校がなければありえないものばかりだったからです。つまり私の不登校は、さまざまな体験ができる時期を迎えるための準備期間、言い換えれば“天の配剤”だったわけです。

 しかし、こうした“運命論”だけでは、人生の出来事は表現しきれません。そこで私は、不登校やひきこもりを「生き方」ではなく「生きざま」と表現しています。自らの意思によらず、いじめなどで否応なしに選ばざるをえなかった道、あるいは、気がついたときには選んでしまっていた道が、登校でありひきこもりである、と私は考えるのです。そして、その道をひたすら歩いている、つまり不登校やひきこもりを生きている、それが彼らにとって生きているということであり、そのときにはわからないがいずれわかる何かに向かって、ひたすら歩いている。

 -「生きざま」とは、そういう意味です。


2003.4.9 [No.25]


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コラム再録延長(2)掲載のお知らせ

2013年01月23日 14時25分17秒 | メルマガ再録
 去年10月から3か月間、メールマガジン『ごかいの部屋~不登校・ひきこもりから社会へ~』の創刊10周年を記念して本欄で実施していた「コラム再録」を3か月間延長のうえ、半分の頻度で実施する「コラム再録延長」が、今月からスタートしました。

 きょうの延長2本目は『「問題」でもなく「生き方」でもなく』。「不登校・ひきこもりとは何か」を考えるための出発点とも言える、大げさに言えば筆者なりの“定義”を提示した短文です。

 『ごかいの部屋』で筆者は、2002年10月の創刊から半年間、自身の体験記をつづっていました。それが終わって2003年度からは、自分の体験にとどまらず不登校・ひきこもりの多くに共通するであろう点を論述していくわけですが、この文章はその第1弾であり、以後現在にいたるまで貫かれている“不登校・ひきこもり像”の柱となったものです。

 ここに記されている「生きざま」という言葉は「<なるほど!>と膝を叩いた」(元当事者)、「一般の人にも当てはめることができる表現だと思った」(研究者)などと広く受け入れられています。

 不登校・ひきこもりへの見方が変わる方がおられるかもしれませんので、ぜひご一読のうえ、よろしければコメントをくださいますようお願いいたします。。

 では、遅くなりましたがこのあと掲載します。
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休業日追加のお知らせ

2013年01月19日 15時49分29秒 | ホームページ
 このところ全国的に大変な気候になっていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 さて、13日に本欄でお知らせした業務日程で一部休業となっていたのが終日(10~16時)業務へと変更になった本日、恐縮ながら再変更のお知らせをいたします。

 代表のひきこもり関連イベントへの出演ほかの事情により、20、21、22、25の各日を、業務日から一部休業日または完全休業日へ、あるいは一部休業日から完全休業日へ、と変更させたいただくことになりました。

 当スタジオは、諸般の事情によりこのように月の途中に急に変更させていただくことがありますので、随時ご確認くださいますようお願いいたします。


1月の業務カレンダーを再確認する
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休業日追加のお知らせ

2013年01月13日 12時52分27秒 | ホームページ
 寒さが緩んだ連休初日の神奈川県です。

 きのうの「しゃべるの会」は申し込みのキャンセルや当日申し込み無しということもあり少人数でしたが、内容はとても豊かで実り多い回となりました。「次回はもっとたくさんの親御さんとこういう時間を過ごしたい」と担当の丸山がツイートしたほどです。

 さて、7日発表した今月の業務日程ですが、代表の研修等により、本日このあと、ならびに18、19、26の各日を通常業務から一部休業に変更させていただきます。ご了承ください。


1月の業務カレンダーで確認する
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親の会「第12回しゃべるの会」翌日です

2013年01月11日 16時03分00秒 | 家族会
 創刊10周年を経過したメールマガジン『ごかいの部屋~不登校・ひきこもりから社会へ~』をテキストに使用し筆者が担当者をつとめる、ほかにはない親の会も、3年目の最後になりました。

 今回は「わが子とのコミュニケーションの進め方」について提案したテキストを最初に読み上げ、あとはテキストの内容にとらわれず親御さんどうし自由に語り合っていただきます。「最初にテキストを読んでくれるので、事前に読んでくるだけの場合より頭によく入る」とは参加されたことがある方の言。

 「わが子とどう話したらいいのかわからない」などお悩みの親御さんが多いようですので、参加して今後の参考になさいませんか。もちろんほかのことでお悩みの親御さんでもOKです。

 本日16時で事前申込を締め切りましたが、まだ定員に余裕がありますので、参加ご希望の方でお申し込みいただいていない方も当日になって参加できるようになった方も、どうぞ会場でお申し込みのうえご参加ください。


「しゃべるの会」(第12回)の開催要項、テキスト、会場を確認する
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コラム再録延長(1)『芯付きラッキョウ風玉ねぎ』

2013年01月09日 12時34分58秒 | メルマガ再録
 おせち料理の新しい食材ではありません(あったら食べてみたいですが)。

 私は最近、人の心を食べ物にたとえると「芯付きラッキョウ風玉ねぎ」みたいなものだな、と思うようになりました。

 ご存知のとおり「ラッキョウ」は、皮が幾重にも重なっているが芯はない、という食べ物です。
 一方玉ねぎは、いちばん内側に皮になりきらない部分があり、これが芯と呼ばれます。

 要するに「芯付きラッキョウ風玉ねぎ」とは「皮はラッキョウのように幾重にも重なっていて、いちばん内側には芯がある玉ねぎ」のことです。

 さて「芯付きラッキョウ風玉ねぎ」を人の心にたとえますと、最も純粋で本能的な要素――「本音」「無意識からの欲求」――で形成されているものが「芯」です。これに、その人が育つなかで取り込んできた常識という要素――「建前」「規範意識」――で形成されている<皮>が、まわりを幾重にも包んでいます。

 一般的に不登校児やひきこもり青年の場合<芯>を形成しているのは「自分に合った生き方がしたい」「もっと自然に生きたい」「自分を創り直したい」などという欲求だと思われます。

 一方、登校しようとして失敗して「きょうもダメだった」と落胆したり、社会人と自分を比較して「自分はダメ人間だ」と考えたりするたびに<芯>のまわりに<皮>が形成され、外側に向かって重なっていきます。

 こうして「学校に行けない」「社会に出られない」という「規範に反している自分」という考え方感じ方を繰り返すにつれ<皮>が分厚くなり<芯>がどういう要素で形成されていたかが忘れられていくのです。

 多くの不登校児やひきこもり青年が身動きがとれないように見えるのは、彼らの心がこのような「玉ねぎ構造」になっている――常識に包み込まれて自分自身を見失っている――からです。

 このように考えると、彼らが楽になり動きやすくなるには、この「玉ねぎ」の<皮>をむいて<芯>が見える状態にする作業が必要だということになります。私が当メルマガで繰り返し提案している対応は、まさにそういう作業のことだと言えます。

 では「<皮>をむく」とはどういうことでしょうか。

 多くの不登校児やひきこもり青年の心=玉ねぎには、前述のように自己否定的な考え方感じ方で形成されている<皮>が幾重にも重なっています。そのため、この<皮>を一枚一枚むいていかないと<芯>にまで到達しません。

 この場合の「<皮>を一枚一枚むく」というのは、本人が考えていること感じていることに、ひとつひとつ対処していくことを指します。

 ただ、この「対処する」という対応は、多くの場合一筋縄ではいきません。169号でお話ししたように「そんなことはないよ」とか「こう考えたらいいじゃないか」などとまともに反論していては、本人は「自分の考えていること感じていることを否定された」としか受け取らないからです。

 そのため、ひとつひとつのテーマを細大漏らさず一緒に悩みながら考える、という対応が望ましいことになります。

 こう言うと「それはラッキョウの皮をむくようなものではないか」と反論されるでしょう。「ラッキョウの皮をむくように・・・」と言うのは、むなしいことをしている、答えの出ない問いを追求している、などという意味を持つ表現です。「ラッキョウには芯がないから、いくら皮をむいても何も出てこない」ということから来ています。

 確かに、本人は取り返しのつかないことにこだわっていたり、答えの出ない問いを繰り返していたりします。そのため、本人が親をつかまえて堂々巡りの話を延々と続けている場合が少なくありません。

 これは一見「ラッキョウの皮むき」そのものです。しかし、このような混迷の先に<芯>が見えてくるなら、これは「玉ねぎの皮むき」にほかならないのです。

 もちろん、これはご家族にとってはとても大変なことです。本人のこだわりが強いほど一緒に考える時間が長くかかりますし、本人の状態によっては考えているうちに荒れてしまう場合も少なくありません。

 玉ねぎの皮をむくときに目が痛くなって涙が出るのと同じように、本人の心=玉ねぎの<皮>をむくときも、実際に涙を流すこともあるくらい、本人にも家族にも大きな苦痛を強いる作業になります。
 そこで、そういう苦痛を軽減するため、ほんとうの玉ねぎの皮むきと同様工夫が必要になります。

 工夫と言っても、特別なことではありません。本人が荒れないコミュニケーションの仕方、体力的時間的に無理のない方法(「これ以上つき合えない」という一線など)、普段の家族生活の楽しみ方、家族以外の人からの協力の得方、等々を考え実行するだけです。これを不登校・ひきこもりに詳しい相談員などに相談しながらできればなお安心です。

 そういう工夫によって苦痛が軽減したら“心の皮むき”は順調に進み「納得したところで話を切り上げるようになった」「あれほど言い募っていたことを言わなくなった」などという変化が出てくるわけです。

 具体的な“<皮>のむき方”を含め、不登校児とひきこもり青年への対応について、今年も毎月考えていきたいと思います。


2010.1.13 [No.173]


文中で挙げられていた169号を読む
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コラム再録延長(1)掲載のお知らせ

2013年01月09日 12時09分27秒 | メルマガ再録
 去年10月から3か月間、メールマガジン『ごかいの部屋~不登校・ひきこもりから社会へ~』の創刊10周年を記念して設定した「ごかいの四半期」。期間通しで実施する唯一の記念企画「コラム再録」は、10年間に掲載したコラム(本文)166本のうち、ご好評をいただいたもの10本を選りすぐり、原則として配信日を除く毎週水曜日の午後2時に1本ずつ本欄に転載していくもので、無事全10回を終えました。

 この企画は多くの方にご注目いただいたようで、転載した日はいつもアクセス数が跳ね上がっていました。常にランク外だったアクセス数の順位が毎回ランクイン(おそらく3万位以内)していたほどです。
 
 そこで、この企画は3か月間延長し、通常号の配信日を除く毎月第2第4水曜日の正午を原則として実施することになりました。計5回です。引き続きコメント欄は無期限で開放しますので、ぜひご一読のうえよろしければコメントをくださいますようお願いいたします。


 さて、 きょうの延長1本目は、新年1発目にふさわしく、おせち料理にありそうな架空の食品をたとえに使って不登校・ひきこもりの心理とそれに対応する周囲の心がまえを説いた論考です。

 筆者の丸山の基本的考え方を示すものとして『ごかいの部屋』のご購読や当スタジオのご利用についての検討材料としてもお使いいただけます。

 では、このあと掲載します。
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業務カレンダーに1月の予定を掲載

2013年01月07日 17時57分59秒 | ホームページ
 今年最初の月の業務日程を入力しました。

 今月は「日祝」の原則休業日のなかにご利用可能な日を数日とることができましたので、それらの曜日にお問い合わせやご利用をご希望の方はご確認ください。

 また業務日のうち、6日(水)は代表の活動により、12日(土)は「しゃべるの会」開催により、それぞれ完全にお休みさせていただきます。

 なお、メールマガジン『ごかいの部屋~不登校・ひきこもりから社会へ~』創刊10周年を記念して去年最後の3か月間に本欄で実施した「コラム掲載」は、頻度を半分にして3か月間延長することになりました。ご関心の方は第2・4水曜日の日付をクリックしてご確認ください。


1月の業務カレンダーを見る


【業務カレンダーの表示について】

 原則休業日は「ご予約が入っていなければ休業できる日」という意味であり、必ず休業するわけではなくお問合わせ・ご利用が可能な日がありますので、可能かどうかをカレンダーの日付をクリックしてご確認ください。

 業務のお知らせを掲載した日は、それ以外(休業日など)のお知らせがシステム上掲載できませんのでご了承ください。
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新年の業務開始

2013年01月05日 15時44分45秒 | 運営
 あけましておめでとうございます。昨年は相談業務はもとより、親の会「しゃべるの会」や第18回青少年支援セミナーに最多のご利用ご参加をいただいたうえ、創刊10周年を迎えたメールマガジンに関する、懇談会や本欄への転載にも多くのご関心をいただきました。
 当スタジオの11年にわたる地道な取り組みに評価を得る1年間となりました。心からお礼申し上げます。

 今年は、スタジオ業務はもとより地元湘南地域を拠点として不登校・ひきこもり支援の新機軸を打ち出す団体づくりに参画し、ご期待いただいている役割を担っていくことになります。
 
 そんな当スタジオに、今年もご指導ご支援をくださいますようお願いいたします。


 さて、スタジオは本日午後1時より2013年の業務を開始し、前記団体の組織としての立ち上げや12日(土)に迫った「第12回しゃべるの会」など喫緊の準備作業を再開しました。

 来週から通常の運営日程に戻ります。よろしくお願いいたします。
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