語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【詩歌】エミリー・ディキンソン「傷ついた鹿は一番高く躍り上がると」

2015年06月22日 | 詩歌
【詩歌】エミリー・ディキンソン「傷ついた鹿は一番高く躍り上がると」

 傷ついた鹿は一番高く躍り上がると
 狩人のいうのを聞いたことがある
 それはただ死の法悦にすぎなく
 やがて叢(くさむら)は静かになる

 砕かれた岩はいずみをほとばしる
 踏まれた鋼は跳ねかえす
 頬は病に冒されると
 かえって紅くなる

 陽気は苦悩のよろい
 なかでそれは注意ぶかく守っている
 だれかが血を見付けて
 “傷ついている”と叫ばないように

 A wounded deer leaps highest,
 I've heard the hunter tell;
 'Tis but the ecstasy of death,
 And then the brake is still.

 The smitten rock that gushes,
 The trampled steel that springs:
 A cheek is always redder
 Just where the hectic stings!

 Mirth is the mail of anguish,
 In which it caution arm,
 Lest anybody spy the blood
 And "You're hurt" exclaim!

□エミリー・ディキンソン「傷ついた鹿は一番高く躍り上がると」(『ディキンソン・フロスト・サンドバーグ詩集 ~世界詩人全集12~』、新潮社、1968)
□亀井俊介編『対訳 ディキンソン詩集 ~アメリカ詩人選(3)』(岩波文庫、1998)
□MABEL LOOMS TODD & T.W.HIGGINSON “Collected Poem of EMILY DICKINSON”,Crown Publishers,Inc.1982
     ↓クリック、プリーズ。↓
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ  人気ブログランキングへ  blogram投票ボタン

 【参考】
【詩歌】エミリー・ディキンソン「声高く戦うのは勇ましい」
【詩歌】エミリー・ディキンソン「もし駒鳥たちがやってくるころ」
【詩歌】エミリー・ディキンソン「成功はすばらしく思われる」







最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。