今の枢機卿のなかから教皇に誰が選ばれるかということについても、実際は誰が選ばれてもあまり変わらない。要するに、ローマ教会というのは代表権を持っている代表取締役社長を兼任している人が一人だけいる。それ以外の執行役員が枢機卿の人たちだが、この人たちに議決権があるわけじゃない。だから、この会長兼社長が年齢とともに弱っていくと活躍できない。すると会社の活動が停滞しちゃう。だから若返りが昼等になるのだ。しかし、ボードはすでに全員が前のローマ教皇系で占められているわけだ。だから誰がなっても一緒なのだ。路線は変わらない。
それではなぜ、若返りによる組織の引き締めが必要かというと、今、世界でイスラームの力が強くなり過ぎているからだ。ベネディクト16世がローマ教皇になる1年3ヵ月前の2004年に、有名な独逸の社会哲学者ユルゲン・ハーバーマスと討論会をやっている。そこでも、ビン・ラディン以降、神様を信じている人も信じてない人も、ああいう勢力に対して戦っていかねばいけない。その戦い方は、上手にやる。イスラームのなかで対話ができる人たちと対話して、イスラームのなかに亀裂をつくり、われわれ西側文明の影響力を強化していこうと言っている。こうした路線を今後も続ける。そのための若返りだ。それは同時に、西側的な価値観を受け入れない中国に対しても圧力を強めていくということだ。
□佐藤優「イスラーム過激派に対抗する「バチカン世界戦略」」『佐藤優の10分で読む未来 ~新帝国主義編~』(講談社、2014)
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【参考】
「【佐藤優】改革派の教皇、保守派の教皇 ~バチカン世界戦略(1)~」
それではなぜ、若返りによる組織の引き締めが必要かというと、今、世界でイスラームの力が強くなり過ぎているからだ。ベネディクト16世がローマ教皇になる1年3ヵ月前の2004年に、有名な独逸の社会哲学者ユルゲン・ハーバーマスと討論会をやっている。そこでも、ビン・ラディン以降、神様を信じている人も信じてない人も、ああいう勢力に対して戦っていかねばいけない。その戦い方は、上手にやる。イスラームのなかで対話ができる人たちと対話して、イスラームのなかに亀裂をつくり、われわれ西側文明の影響力を強化していこうと言っている。こうした路線を今後も続ける。そのための若返りだ。それは同時に、西側的な価値観を受け入れない中国に対しても圧力を強めていくということだ。
□佐藤優「イスラーム過激派に対抗する「バチカン世界戦略」」『佐藤優の10分で読む未来 ~新帝国主義編~』(講談社、2014)
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「【佐藤優】改革派の教皇、保守派の教皇 ~バチカン世界戦略(1)~」