語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【原発】日隅一雄・情報流通促進賞 ~表現の自由~

2013年06月24日 | 震災・原発事故
 (1)日隅一雄・弁護士/元「産経新聞」記者は、「NHK番組改変問題」や数々の報道関連裁判に関わる一方で、弁護士たちのインターネットメディア「NPJ」の編集長として活躍した。
 3・11以後は、東京電力の記者会見に連日参加のうえ、政府や東電の情報隠蔽を追及するようになった【注】。その矢先、末期癌が判明。
 その後も取材、執筆、講演などに体調をおして臨んだが、志なかば、1年前に鬼籍に入った。
 存命なら、今年で50歳だった。

 (2)命日の6月12日、「日隅一雄・情報流通促進賞」の授賞式が東京で開催された。
 主催は、「日隅一雄・情報流通促進基金」(2012年12月設立)。
 海渡雄一(代表理事)、梓澤和幸、宇都宮健児ら弁護士のほか、桂敬一、木野龍逸らジャーナリストも理事として参加した。
 基金は、日隅一雄の遺志を継いで「表現の自由と知る権利が保障され、市民が主人公になる社会の実現をめざして」(「設立の言葉」)活動すべく発足した。その一環として今年から、前記趣旨にかなう功績が認められた個人や団体を対象に、命日に発表、贈呈式を行うことになった。

 (3)第1回受賞者は、
  (a)大賞・・・・情報公開クリアリングハウス(三木由希子・代表)
  (b)奨励賞・・・・市民放射能測定所(CRMS、丸森あや子・代表)、福島原発告訴団(武藤類子・代表)
  (c)特別賞・・・・東京新聞「こちら特報部」(野呂法夫・代表)
 ちなみに、審査員は、落合恵子・作家、岩崎貞明・メディア総合研究所事務局長兼「放送レポート」編集長、津田大介・メディアアクティビストだった。

 (4)大賞の三木代表いわく、「今後も公開請求を続け、情報を社会に出すために、賞金30万円は使わせていただく。情報公開は手段であり、出発点。日隅さんも、早く出発点からスタートしようよ、と言っていることでしょう」。
 三木代表は、30年間、市民の立場から活動に携わってきた。
 今や、表現の自由の土台となるべき自由な情報流通を支える主人公は市民だ。
 日隅一雄は、新聞記者から弁護士へ転身した。その遺志は、こうして受け継がれていく。

 【注】例えば、「【震災】原発>ICRP:100mSv以下の被曝でも癌が過剰発生」。

□岩本太郎(ライター)「日隅さんの遺志継ぎ「情報流通促進賞」を市民や団体に贈呈」(「週刊金曜日」2013年6月21日号)
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