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語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【震災】原発>事故の責任者を刑事告発した理由

2011年07月21日 | 震災・原発事故
 明石昇二郎および広瀬隆は、現状のままでは次の大事故が誘発されることを恐れ、それを防ぐべく、7月8日、東京地方検察庁特捜部に、山下俊一・福島県放射線健康リスク管理アドバイザーら【注1】が福島県内の児童の被曝安全説を触れまわってきたことに関して、重大な人道的犯罪であると断定し、業務上過失致死罪にあたるものとして刑事告発した。
 また、勝俣恒久・東京電力代表取締役会長ら【注2】を未必の故意によって大事故を起こした責任者として、やはり重大な人道的犯罪であると断定し、業務上過失致死罪にあたるものとして刑事告発した。
 証拠書類として、明石昇二郎との共著『原発の闇を暴く』(集英社新書)、広瀬隆著『FUKUSHIMA 福島原発メルトダウン』(朝日新書)などを提出した。これらは、起こり得るとわかっていた「原発震災」の危険性を証拠づけ、福島第一原発メルトダウン事故が「想定外」ではなく、「未必の故意」に該当する重罪であることを論証している。

 事故の責任者は、福島県民の人生を台無しにし、大きな被害を日本社会に与え、ことに福島県内の児童の生命を危険な状態に放置している。
 多くの日本人は、いま放射能に怯えなければならない。内心では原因も責任者も知っていて、腹立ちを覚えながら、それを口にすると自分にはねかえってきて被害が大きくなるので、口を濁さなければならない。
 国民の多くが裁きを求めている。にもかかわらず、彼らの犯罪が放置されている。そこで、被害者に代わり国民に代わって、被告発人たちの罪と悪事を白日の下に晒し、法に基づく正義が下されることを求める。

 告発内容は、「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」主催の学習会(7月2日、於いわき市;7月3日、於郡山市)で話した内容と同じだ。
 その福島県で聞いた。
 今年収穫した米は、ほかの産地の米に混入する。
 すでに原乳は混入されている。
 野菜は、外食産業などに流れている・・・・。

 危険に気づいた福島の父母は、自衛しようと、自分の子どもに「給食に筍と椎茸が出たら残すように」と教えている。
 そして、子どもが筍と椎茸を取り分けて残したところ、教師は「食え!と命じて食べさせた、という。
 こうした学校関係者の背後に、文部科学省がいることは間違いない。

 刑事告発は、告発人が裁判の当事者にならずともよい。捜査して裁くのは、告発状を受理した司直だ。手間と時間がかかる民事裁判と異なり、刑事告発で必要なのは「告発状」と新聞記事などの「証拠」、そして告発する者の「陳述書」のみだ。これらを最寄りの地方検察庁か警察に提出するだけでよい。
 自分を事故の被害者だと思っている人には、第三者の立場で行う刑事告発より、「刑事告訴」を勧める。

 【注1】被告発人は、「【震災】原発>勝俣恒久・東京電力会長らを刑事告発」の2を参照。
 【注2】被告発人は、「【震災】原発>勝俣恒久・東京電力会長らを刑事告発」の1を参照。

 以上、広瀬隆「原発事故の責任者を刑事告発した理由 ~原発破局を阻止せよ17~」(「週刊朝日」2011年7月29日号)に拠る。
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