よしなごと徒然草: まつしたヒロのブログ 

自転車XアウトドアX健康法Xなど綴る雑談メモ by 松下博宣

ニューエコノミー的はたらき方 → ナウエコノミー的生き方

2007年07月06日 | No Book, No Life
以前、新潟経済大学の野呂一郎さんから贈呈いただいた「ナウエコノミー: 新・グローバル経済とは何か」をやっと読了。この本、ウィットに富んだ題名がいいです。題名はソフトタッチだが、ナカミは鋭く、硬派にして犀利な分析が満載。

この本の視座は、物質的幸福と経済成長をひたすら追いかけるアメリカ型経済=ニューエコノミーの時代は終わりつつある、とする見方だ。アメリカ型経済は、弱者や地域社会、対立する異文明を切り捨て、格差をかえりみない経済が、アメリカを常に失業やテロにおびえる不安定な社会にしてしまったという。なるほど。

野呂さんによれば、ニューエコノミーは日本にも現れているという。中小企業は倒産におびえ、ワーキングプアーやニートと呼ばれる人々が増えている。地方はますます過疎化が進み、コミニュティの危機どころか、その消滅さえささやかれている。理不尽な殺人事件や親が子を殺し、子が親を殺す痛ましい事件が続発し、すでに安全や平和は日本の代名詞ではなくなった。もし日本がこのまま”痛みを伴う改革”をすすめ、アメリカ型ニューエコノミーを追いかけるならば、こうした社会のひずみはますます大きくなるだろう。

この本に関する識者の書評に曰く、

「新しい経済の時代だ。その名をナウエコノミーという。これはかのマーケティングのグル、コトラーの言葉にちなんだ名前であるが、すでにグローバル経済は、このナウエコノミーの時代に突入している。ナウエコノミーとは何か。それは、一言で言えば、ヒューマン・エコノミー、つまり人間性という価値を中心にした新しい経済のことである。本書「ナウエコノミー 新・グローバル経済とは何か」は歴史、理論、企業のケーススタディを通じて、このナウエコノミーというグローバルな大きな時代の流れを解明し、企業の生き残りの処方箋を提示するものである」

野呂さんは、人間性という価値に対して経営学や経済学のみならず、宗教的な側面(顕密双方を視野においたプラクチショナーだからこそ捕らええる隠れた側面)からも語れる実に多面的な論者である。

一読の価値あり!

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