よしなごと徒然草: まつしたヒロのブログ 

自転車XアウトドアX健康法Xなど綴る雑談メモ by 松下博宣

震・天・人・金・物の5重の災厄

2011年04月11日 | 恐慌実況中継

巨大地震の震災、津波(天災)、原発事故(原発政・産・官・学・報の村社会=共同体病=人災)の3つの災厄が日本列島に充満している。しかし、震災、天災、人災にとどまらない。実態は、それらに物災と金災とが加わり、震・天・人・金・物の5重の災厄が進行中である。

 2008年9月の第1週から恐慌プロセスを予見してきた。2009年07月11日 の時点では、米国債暴落のトレンドを指摘して恐慌シナリオが現実味を増してきたことを指摘した。

震災、原発事故は2つのベクトルを日本経済にもたらしている。復興→需要拡大、エネルギー不足→成長率低下、という二つのベクトルだ。復興需要を満たすため高価な石油、鉱物資源などの輸入は増加に向かう。食物やメタルのコモディティーは軒並み価格が高騰している。日本での原発人災のさなか、北アフリカではリビア攻撃に拍車がかかり、石油争奪戦の緒戦という色調となっていている。今後、ますます日本は高い価格のコモディティーを輸入に頼らざるを得なく、インポートインフレが起こってくる。モノの価格の高騰からもたらされる物災だ。

さて東北地方には穀倉地帯、漁場のほか、工業部門の自動車部品、電器、半導体工場などの製造拠点が集積している。これらの修復には時間がかかるので輸出の停滞を余儀なくされる。つまり、貿易黒字が赤字方向に振れてゆく。また資金不足の中での復興需要なので忌み嫌われた国債発行をして財政出動というシナリオに向かわざるを得ない。モノのコストが高騰する反面、ペーパーマネーの価値は暴落中。こうして日本国債の暴落シナリオが一段と近づいてきた。

そして強烈に痛みつつある米国マネー経済。いよいよ日米ほぼ同時国債暴落のカウントダウンが始まった。金(マネー)災だ。

<以下貼り付け>

 米連邦債務、5月16日までに上限到達 米財務長官 

2011/4/5 10:02 日経記事

 【ワシントン=矢沢俊樹】ガイトナー米財務長官は4日、議会指導者らに書簡を送り、米連邦政府の債務残高が5月16日までに米議会が定めた上限に到達するとの見通しを示した。米政府が一時的な債務不履行に陥った場合「より深刻な金融危機をもたらす」と、強い調子で議会に対応を促している。

債務上限法は米政府の債務は14兆3千億ドル(約1201兆円)までと定めており、この上限に達すると国債新規発行ができなくなるなど、予算執行に大幅な支障が生じかねない。同長官は書簡で「議会が上限引き上げに応じる以外の選択肢はない」と強調。ただ、大幅な歳出削減を主張する野党共和党は上限引き上げに反対姿勢を崩しておらず、議会での攻防が続いている。

<以上貼り付け>

米国債が下落すれば、米国にとって米株安、米ドル安、米国債安の悪夢のカードが揃ってしまう。恐慌シナリオがさらに現実味を増すから、最後の砦=米国債は、なんとしても格下げはできない。雪庇(せっぴ)の上の危険な山歩きが続きていたが、その雪庇を踏みぬけて奈落の底にマネー経済は落ちてゆく。

ガイトナー長官は「たとえ短期的もしくは限定的なデフォルト(債務不履行)であっても、向こう数十年にわたって続くような甚大な経済的結果を招くことになる」と言っている。リーマンショックを遥かに凌駕する負のインパクトを世界経済に与えることは必至。その時、日本が買わされ続けてきた米国債はチャラパーとなる。国富の消失だ。これを金災と呼ばずしてなんと言う。

国務長官のクリントンが日本にやってきたが、第7艦隊、ロナルドレーガンを繰り出し、原発事故出口戦略協力、震災対応協力(といっても30億円以上の請求書。米安保過剰請求のそのまた火事場泥棒のような請求書)をカードに、米国債の買い増しの圧力を必死に掛けに掛けた。保護国の日本としては日本国債の暴落圧力が日に日に増す中、暴落必至の米国債も買い増さなければいけないジレンマ。こうして日本経済は(も)メルトダウンしてゆく。

             ◇    ◇    ◇

3.11の教訓は大きい。震・天・人・金・物の5重の災厄をいかに淘(よな)げてゆくべきか、という命題にとって、3.11は終わりの始まり。今年は七赤金星が中宮に回座。金(マネー)は八方ふさがり。断末魔の金融資本主義。阿鼻叫喚の実物経済。そして恐慌。そのはけ口として争いごと、戦争が利用される。

終わりの始まり、から、始まりの始まり。よくないものや劣るものを上手に捨てて、よいものを選ぶ。まさに国家運営、企業経営、個人としての生き方に災いを転じて福となす智慧が問われている。


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