このところ、経済雑誌には副業ネタが増えてきた。雇用崩壊、給与崩壊で危機をつのらせるプロモーションが一段落。副業がたぶん次のネタか。
減る給料、増える自由時間。では、どうする?その対応方法の一つが副業、資格取得ということ。
自己責任で成果を追及すれば行き先は2つ。
(1)雇用されている企業での職務の中で成果を追及する。→雇用型成果
(2)自分で職務を創って成果を生み出す。→起業型成果
(1)が不安定になり、給与も目減りし、それに費やされる時間が減ってこれば(2)のオプションを考慮するのはしごく合理的。
しかし、いきなり(1)を放棄して起業するのは高いコストを負担しリスクを引き受けることになるので、よほど高い収益性が見込める事業計画を持っていなければ進みにくい。そこで(1)の雇用を得ながら、同時並行的に(2)もやってしまうという選択が副業となる。
長期的に低迷する新規開業率、新卒者の長期雇用志向などを考慮すると、日本社会が短期的に新規開業型に変質するとは考えられない。案外、セコセコと副業をする人の人口と階層が増えることが、(2)の予備軍を増やすことになる。
MOTやMBAで学ぶというのは、それ自体資格の取得という側面もあるが、社会人学生は(1)をやりながら(2)を実行してしまう絶好の立場にいるわけだ。もっと柔軟にやったほうがいい。
タラタラ受動的にマジメに学ぶんじゃなく、(2)もやるべきだよね。起業や副業のネタ探しっていう意味では、MOTやMBAスクールはいい環境だ。このあたり、チョイワル感覚を発揮してクリエイティブになることが大事だ。
したがってマクロ的なイノベーション政策として副業や資格取得を支援する意味はある。
副業も資格取得も広くは、シュンペンター過程の創造的破壊のひとつの現象ということなのだろう。副業からイノベーションが生まれた事例は多い。なにもやらないよりは、遥かに良い選択枝だろう。
でもなかなか上手くいかなくて、でもこんな不況なときこそ頑張らなくては、と思ってもうまくいかないもんですね