本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

お経にみる「災」という字

2018-12-12 21:27:03 | 漢字

「災」

川の下に火を書きます。

わざわいという意味ですが

古くは火によるわざわいを災

水による災い、戦いによるわざわい

と別々に使っていたようです。

それがすべてのわざわいを災と

書くようになったのです。

 

お経の中では

いつも唱える『観音経』では

「能伏災風火」

能く風や火の災いを防ぐ

というように出てきます。

 

いつも使う言葉としては

「息災延命」とか「無病息災」

というように、

無事息災であって欲しいと、

「息」という字ですが

いきということですが、

ここでは、終息という意味もあり

止むとか終わるという意味で

災いが終わってほしいと

仏の力で災を止めて欲しい

という願いを込めて、

「息災」と使うのでしょう。

 

また、

災患(さいげん)ということも

出てきます。

修行を妨げる障りということです。

心の障りということでも

災いという字を使います。

 

それから、

三災(さんさい)という三つの災害

小の三災には、

刀兵(武器をもって争うこと)

疾病(病気が蔓延すること)

飢饉(穀物が不作であること)

この三つを刀災・病災・倹災といいます

大の三災は

火災と水災と風災になります。

 

今年の漢字には

「災」が選ばれました。

いつの時代も災間を生きるという

災いの中をかろうじて生きている

ような気がします。

経典では火や水や風はるのですが

地震が出こないのは

インドという国柄なのでしょうか。

 

のんびり生きているとついつい

「災」ということを忘れがちです

けれども思わぬところに

起きるものが我災害です。

この字を見るたびに

今一度気を引き締め直して

あだや疎かに日を過ごさないよう

再確認しなければと思います。

 

 

 

 

 

コメント
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