hiyamizu's blog

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有川浩『レインツリーの国』を読む

2020年05月13日 | 読書2

 

有川浩著『レインツリーの国』(新潮文庫あ62-1、)を読む

 

裏表紙にはこうある。

きっかけは「忘れられない本」。そこから始まったメールの交換。共通の趣味を持つ二人が接近するのに、それほど時間はかからなかった。まして、ネット内時間は流れが速い。僕は、あっという間に、どうしても彼女に会いたいと思うようになっていた。だが、彼女はどうしても会えないと言う。かたくなに会うのを拒む彼女には、そう主張せざるを得ない、ある理由があった――。

 

目次

1 直接会うのが駄目やったら、せめて電話だけでもどうかな。
2 「……重量オーバーだったんですね」
3 傷つけた埋め合わせに自信持たせてやろうなんて本当に親切で優しくてありがとう。
4 「ごめんな、君が泣いてくれて気持ちええわ」
5 歓喜の国

あとがき
解説・山本弘

 

伸(しん):向坂伸行(さきさか・のぶゆき)、大学卒業し、関西から上京して入社3年目。

ひとみ:ブログ『レインツリーの国』の管理人。レインツリーはアメリカネムノキの別名で、ネムノキの花言葉は「歓喜」、「胸のときめき」。恋に恋するかのようにブログ名を付けた。

(表紙には小さく英語の題名が“World of delight”とある)

 

「あとがき」で有川は書いている。

夫が2回突発性難聴にかかり、処置が早かったことと医師が非常に的確に治療したために、聴覚復帰した。耳の病気に疎く、取り返しがつかない所だったその経験から、『図書館内乱』の中で中途失聴と難聴のエピソードを書いた。

そして、調べるほどに「中途失聴と難聴の方を主人公に据えた恋愛物が書きたい』という思いが形になったという。

私が書きたかったには『障害者の話』ではなく、『恋の話』です。ただ、ヒロインが聴覚のハンデをもっているだけの。

 

私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め)(最大は五つ星)

 

最近の恋愛は、身分、国籍など壁がなくて盛り上がりにくい。難病もまたかという感じだし、この小説では身体的障害が打ち破るべき壁になっていると、冷たいお言葉。

 

メールのやり取りにより、誰にも理解されなかったライトノベルで思い切り盛り上がってしまい、リアルで(実際に)会いたくなってしまったのはさもありなん。メールでは何の障害もない女性が直接の会話では問題があり、会うのを拒む。よくできている話だ。

ところが、会った相手の女性は障害の劣等感からややこしい性格。次々を壁を乗り越える二人に、気短で単純な私は50年の歳月を経てイライラと読み進めてしまった。

 

登場人物がほぼ二人だけなのが、短期記憶が破壊されている身にはすばらしい。

 

メールをやりとりしているのに、実際には会いたくないというのはなぜかと考え、第2章のタイトルが「……重量オーバーだったんですね」なので、彼女は体重を気にしているのかと思ってしまった。単純で、バカな私!

 

有川浩(ありかわ・ひろ)の略歴と既読本リスト

 

 

 

 

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