hiyamizu's blog

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貫井徳郎『誘拐症候群』を読む

2021年05月19日 | 読書2

 

貫井徳郎著『誘拐症候群(新装版)』(双葉文庫ぬ01-05、2014年11月16日双葉社発行)を読んだ。

 

裏表紙にはこうある。

誘拐事件が連続して起きていた。しかし数百万程度の身代金を払えば子供が無事帰ってくるため、泣き寝入りのケースが多く、警察は誘拐があったことに気づかない。ネット上で<ジーニアス>と自ら<天才>を名乗り、闇に身を潜める卑劣な犯人を炙り出す。警視庁の影の捜査チームに招集がかかった。だがその時、メンバーの一人、武藤隆は、托鉢中に知り合った男のために、別の誘拐事件に巻き込まれていた――ページを繰る手がとまらない、面白さ抜群のシリーズ第2弾!

 

《症候群》3部作の第二作。3部作は、《失踪症候群》、本書、《殺人症候群》

 

武藤隆:表の生業は托鉢僧。元警察勤務で、特殊工作チームの一員。

高梨道典:絵本作家、ティッシュ配り、宅配便運転手。妻・賢淑(ヒョンスク)は妊娠中(後、和樹を出産)。

高梨道治:大手メーカーの社長。道典の父。桜井は部下。

山上靖男:平凡なサラリーマン。娘の加奈子が誘拐され500万円を要求された。

田村公平:ホームページに日記を公開。34歳。幼稚園児の娘・秋穂が誘拐され700万円を要求された。

磯村咲子:ハンドルネーム《SAKIKO》。母・初江の看護のために勤めを辞めた。32歳。

<ジーニアス>:ネットで知性溢れる話し方。咲子に仕事の依頼をする。木下春男を名のる。

後藤巧己(たくみ):<ジーニアス>の相棒。弟は競馬好きの後藤俊和

橋上篤志:新宿でティッシュ配り、後パチンコ店員。パチプロの山名隆行は友人。

(たまき)敬吾:警視庁警務部人事二課。特殊工作チームのリーダー。冷静で冷たい。チームは諸般の事情から警察組織が手を出しにくい事件を捜査し、犯人を社会的に抹殺する。チーム員は、原田柾一郎、190㎝近い大男の倉持真栄(まさはえ)。

 

 

本書は2001年5月に双葉社刊行の新装版。

 

 

私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め、 最大は五つ星)

 

数百万円なら警察に届けないだろうとの小口誘拐がユニークで、1億円の大口誘拐とのからみが面白い。執筆当時はまだ新しかったネットを利用して姿を現さないで仲間を動かす<ジーニアス>の存在も魅力的だ。

 

特殊工作チームがもっと活躍してからめば、より面白くなっただろう。頭が良く、常に余裕のある<ジーニアス>が最後の方はバタバタになるのが、がっかりだ。

 

 

貫井徳郎(ぬくい・とくろう )の略歴と既読本リスト

 

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