三浦しをん著『ののはな通信』(2018年5月26日KADOKAWA発行)を読んだ。
宣伝文句は以下。
最高に甘美で残酷な女子大河小説の最高峰。三浦しをん、小説最新作。
横浜で、ミッション系のお嬢様学校に通う、野々原茜(のの)と牧田はな。
庶民的な家庭で育ち、頭脳明晰、クールで毒舌なののと、
外交官の家に生まれ、天真爛漫で甘え上手のはな。
二人はなぜか気が合い、かけがえのない親友同士となる。
しかし、ののには秘密があった。いつしかはなに抱いた、友情以上の気持ち。
それを強烈に自覚し、ののは玉砕覚悟ではなに告白する。
不器用にはじまった、密やかな恋。
けれどある裏切りによって、少女たちの楽園は、音を立てて崩れはじめ……。
運命の恋を経て、少女たちは大人になる。
女子の生き方を描いた傑作小説。
前半は女子高生二人の文通が延々、時々授業中のメモも。成績優秀な“のの”に“はな”がこんなに悪い成績だったと嘆いて見せるとか、与田先生と上野さんが付き合っているらしいとの噂を聞いて、跡をつけて確かめた話が続く。いろいろな事件??を通して気持ちが通じ合った二人は、ついに……。そして、高3で二人は別れる。
女子大に入った“はな”は慶応大学の安田と付き合う。東大文学部に入った“のの”は東北沢の叔母の悦子さんの家から通う。
217ページからは20年後、40代の二人のメール通信が続く。アフリカのゾンダの大使館に住む“はな”は、書く。
私はね、のの。あなたを愛したようには、ほかのだれのことも愛せないみたい。いまのあなたのことも。
フリーのライターとなって為五郎と暮らす“のの”に、ゾンダが内戦状態になったとの報せが届く。
初出:「小説屋sari-sari」2012年1月号~2015年1月号、3月号~5月号で配信したものを加筆・修正し、書籍化。
私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)
冒頭から延々約200ページ、キリスト教系女子高の二人の手紙が続く。さすがに、ひよひよ白髪頭のおじいさんにはキツク、パラパラと飛ばし読み。決して面白くないわけではないのだが、長すぎだ。
それにしても、ほとんど高校2年間だけの付き合いがこれほど長く、深く続くのだろうか。私にも高校からの親友はいるが、いたが、手紙などやり取りしたことはなかったし、心の中をストレートに打ち明けることもなかった。女性でもこれはやはり特別緊密な関係なのだろう。