hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

藤崎彩織『ふたご』を読む

2018年04月20日 | 読書2

 

藤崎彩織著『ふたご』(2017年10月30日文藝春秋発行)を読んだ。

 

文藝春秋BOOKSでの作品紹介 

大切な人を大切にすることが、こんなに苦しいなんて──。

 いつも一人ぼっちでピアノだけが友達だった夏子と、不良っぽく見えるけれども人一倍感受性の強い、月島。彼は自分たちのことを「ふたごのようだと思っている」と言いますが、いつも滅茶苦茶な行動で夏子を困惑させ、夏子の友達と恋愛関係になり、夏子を苦しめます。

 それでも月島に惹かれる夏子は、誘われるままにバンドに入り、彼の仲間と共同生活を行うことになるのですが……。

 ひとりでは何もできなかった少女が、型破りの感性を持った少年に導かれるままに成長し、自らの力で居場所を見つけようとする姿を描いた、感動の青春小説です

 

4人組バンドSEKAI NO OWARI(セカオワ)のsaoriの初小説。第158回直木賞候補作。

第一部
主人公・西山夏子=なっちゃん(= saori)と月島悠介(=セカオワの深瀬)との出会いから、バンドを始めるまで。

夏子は中2の時に1年先輩の月島と知りあう。友だちの作り方がわからないと泣く夏子に、月島は「お前の居場所は、俺が作るから」といってくれた。彼は彼女を「ふたご」のように思っていると話す。

ピアノだけはやる気が出る夏子は音楽大学に入学する。何事にもやる気が出ないという月島は高校を退学し、米国留学するが、パニック障害になり帰国し、入院する。月島の親から会わないでくれと告げられるが、それでも本人は会いに来て、夏子はふり回される。
ウィキペディアのSEKAI NO OWARIのFukaseにも本書とほぼ同じことが記されている。ウィキペディアのSEKAI NO OWARIより)

高校中退後にアメリカンスクールに通い、アメリカに2年留学する予定だったが、言語や生活習慣などの違いからパニック障害に陥り、2週間で帰国した。帰国後、日本で精神病院に入院。現在は完治


第二部
彼はバンド結成を決め、メンバーが足りないのに拠点となる地下室を借りる。そんな本末転倒の行動に夏子も巻きこまれ、地下室の改装に参加する。山口凛太郎・ぐちりん(=Nakajin)がギター、矢部チャンがベース、月島がボーカルで、ドラマ―はいない。何人か来て、去って、結局、月島は言った。「お前だけは嫌だったけど、バンドメンバー、もうお前でいいや」彼女は断れなかった。その後、矢部が去り、楽器のできないラジオ(=DJ LOVE)が参加した。


本書は書き下ろし。


私の評価としては、★★★(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

セカオワの成立前夜と、saoriと深瀬の交流の話がメインのこの本を、ファンでもなく、メンバーも知らない私が面白いわけがない。ただ、二人の単純な恋愛ではなく、双子と表現した関係はなんとなく、わかるような、分からないような。

なぜ、読んだのかと問われれば、惰性に流れる読書傾向(生活全般)を、わずかでも変化させる手がかりがないかと思ったのだ。無理だった!



藤崎彩織(ふじさき・さおり)

1988年大阪府生まれ。

2010年デビューの4人組バンド「SEKAI NO OWARI」でピアノ演奏とライブ演出を担当。

雑誌「文學界」でエッセイ「読書間奏文」を連載。

2017年俳優・池田大と結婚し、年末に第一子を出産。

 

 

 

メモ

誰かの特別になりたくて、けれども誰の特別にもなれない自分の惨めさを、「悲しい」と呼んでいた。

 

・・・気まぐれに私のことを「恋人」と呼んだり、「友達」と呼んだりして、いつも少し笑って、かと思えば突然落ち込んで、嵐のように生活ごと巻き込んでいったかと思えば、ある日ひょろっと私の所からすり抜けているのだ。まるで抱っこされるのが嫌いな猫みたいだ。

 

コメント
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