hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

井上荒野『キャベツ炒めに捧ぐ』を読む

2012年03月29日 | 読書2
井上荒野著『キャベツ炒めに捧ぐ』2011年9月角川春樹事務所発行、を読んだ。

東京私鉄沿線の各駅停車駅のささやかな商店街の中の4軒長屋の一軒に「ここ家」がある。素性の良い米で炊いたご飯に、おいしい総菜。「ここ家」は3人のアラ還のおばさんが切り回す惣菜屋だ。

オーナーの江子は61歳、小柄でもっちりと太っていて、派手なプリントの服をよく着る。いつも上機嫌で何かというと豪快に笑うが、友だちとダンナが恋仲になり、離婚した。
麻津子は60歳。真っ黒な短髪で地味な服装。いつも不機嫌で、辛口。しかし、ずっと想いつづけている幼ななじみの年下の彼がいる。
最年長だが新入りの郁子は、幼い子どもを亡くし、最近ダンナにも死に別れた。

3人の過去、現在の人生が、ふきのとう、豆ごはん、あさりフライ、キャベツ炒めなど旬の食材を使用した惣菜とともに語られる。



井上荒野(いのうえあれの)
東京生まれ。成蹊大学文学部卒。
1989年「わたしのヌレエフ」でフェミナ賞
2004年『潤一』で島清恋愛文学賞
2008年『切羽へ』で直木賞を受賞
その他、『ひどい感じ 父・井上光晴』



私の評価としては、★★★★(四つ星:お勧め)(最大は五つ星)

江子はいつもハイテンションのカラ元気。でも未練たらしくつい元旦那に電話する。
麻津子は気が強いが、幼馴染の好きだった男が離婚して・・・。うおおーんって泣く麻津子が可愛い。
郁子は2歳で息子が死んだのを夫のせいにして、口にはださなかったが、死んだ夫のことを恨んでいた。しかし、写真を見ると、・・・。

ともかく純情なアラ還暦の女性達が可愛い(実物は見たくないけど)。

料理には興味がないが、「がんもどき」を、西の方では「ひろうす」(飛竜頭)と言うとは知らなかった。本当? がんもは、がんもでしょう!



コメント
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