紫門ふみ著『ぶつぞう入門』2002年9月、文藝春秋発行、を読んだ。
柴門ふみが50あまりの寺をめぐり、サイモン流の仏像の感想、好みを述べる。
いくつかの仏像についてはそのイラストを描き、・歴史度、・技巧度、・芸術度、・サイモン度という評価を星5つを満点として示す。さらにその下には6行ほどの説明と、像の高さが書かれている。ところどころにお寺などの様子を、ブタの姿の自分を入れて漫画として描いている。また、仏像初心者として、勉強した知識を分かりやすく解説した部分もある。巻末には関西を中心とするお寺へのアクセスなどの紹介がある。
全体として、「オール讀物」編集部のY氏など同行者を茶化しながら、面白おかしく道中し、快慶好きなど個人的好みを優先して書いている。
結局、著者のおすすめは
1位 円成寺大日如来
2位 聖林寺十一面観音
3位 東大寺戒壇院四天王広目天
4位 興福寺阿修羅像(八部衆)
5位 三十三間堂千手観音と二十八部衆
6位 観心寺如意輪観音
7位 東大寺月光菩薩像
8位 興福寺北円堂無著世親像(むじゃくせせんぞう)
9位 空也上人像
10位 浄土寺阿弥陀三尊像
釈迦/弥勒菩薩/阿弥陀如来の違い、運慶と快慶の関係などの説明は、仏像初心者にはわかりやすい。
柴門ふみ(さいもん・ふみ)
1957年徳島県生まれ。お茶の水女子大学哲学科卒業。
1979年漫画家デビュー。
1983年「P・S元気です、俊平」で講談社漫画賞受賞
1990年「東京ラブストーリー」
1992年「家族の食卓」「あすなろ白書」で小学館漫画賞受賞
著書に、『最後の恋愛論』など。
本書は、「オール讀物」2001年5月号より9月号に連載された作品に加筆、再構成したものだ。
私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで)
仏像やお寺好きな人にはお勧めだ。関西を中心に数多くのお寺、仏像を一気に紹介しているので、行ったところも、行っていないところも、「そうそう」だの、「そうなの!」などと楽しめる。ただし、権威とは関係なく、なにかというと、仏像のお顔を芸能人に例えるので、不謹慎と思う人は遠慮した方がよい。例えば、京都・三十三間堂の摩和羅女像を『ドラマ「昔の男」で雨に濡れながら夫の帰りを待つ富田靖子』と、私には不明な表現をする。
仏像の絵は、思ったほどは上手くないが、全体の印象と、指などポイントとなる細部は良く捉えている。さすが漫画家、観察眼が鋭い。
「深大寺が東京とは思えぬ静寂」とあるが、私は最近「深大寺へ」行ったが、ゲゲゲの女房のおかげで現在は大変さわがしくなってしまった。
柴門ふみが50あまりの寺をめぐり、サイモン流の仏像の感想、好みを述べる。
いくつかの仏像についてはそのイラストを描き、・歴史度、・技巧度、・芸術度、・サイモン度という評価を星5つを満点として示す。さらにその下には6行ほどの説明と、像の高さが書かれている。ところどころにお寺などの様子を、ブタの姿の自分を入れて漫画として描いている。また、仏像初心者として、勉強した知識を分かりやすく解説した部分もある。巻末には関西を中心とするお寺へのアクセスなどの紹介がある。
全体として、「オール讀物」編集部のY氏など同行者を茶化しながら、面白おかしく道中し、快慶好きなど個人的好みを優先して書いている。
結局、著者のおすすめは
1位 円成寺大日如来
2位 聖林寺十一面観音
3位 東大寺戒壇院四天王広目天
4位 興福寺阿修羅像(八部衆)
5位 三十三間堂千手観音と二十八部衆
6位 観心寺如意輪観音
7位 東大寺月光菩薩像
8位 興福寺北円堂無著世親像(むじゃくせせんぞう)
9位 空也上人像
10位 浄土寺阿弥陀三尊像
釈迦/弥勒菩薩/阿弥陀如来の違い、運慶と快慶の関係などの説明は、仏像初心者にはわかりやすい。
柴門ふみ(さいもん・ふみ)
1957年徳島県生まれ。お茶の水女子大学哲学科卒業。
1979年漫画家デビュー。
1983年「P・S元気です、俊平」で講談社漫画賞受賞
1990年「東京ラブストーリー」
1992年「家族の食卓」「あすなろ白書」で小学館漫画賞受賞
著書に、『最後の恋愛論』など。
本書は、「オール讀物」2001年5月号より9月号に連載された作品に加筆、再構成したものだ。
私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで)
仏像やお寺好きな人にはお勧めだ。関西を中心に数多くのお寺、仏像を一気に紹介しているので、行ったところも、行っていないところも、「そうそう」だの、「そうなの!」などと楽しめる。ただし、権威とは関係なく、なにかというと、仏像のお顔を芸能人に例えるので、不謹慎と思う人は遠慮した方がよい。例えば、京都・三十三間堂の摩和羅女像を『ドラマ「昔の男」で雨に濡れながら夫の帰りを待つ富田靖子』と、私には不明な表現をする。
仏像の絵は、思ったほどは上手くないが、全体の印象と、指などポイントとなる細部は良く捉えている。さすが漫画家、観察眼が鋭い。
「深大寺が東京とは思えぬ静寂」とあるが、私は最近「深大寺へ」行ったが、ゲゲゲの女房のおかげで現在は大変さわがしくなってしまった。