hiyamizu's blog

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「池上彰の『世界が変わる!』」を読む

2009年03月20日 | 読書2
池上彰著「池上彰の『世界が変わる!』-金融危機と国際ニュースの「なぜ」を読み解く決定版」、2009年1月、小学館発行を読んだ。

本書は2006年4月から「週刊ポスト」で池上さんが連載している「Bird's-eye Worm's-eye」をまとめ、加筆したものだ。

最近2年ほどの世界のニュース50項目が1項目4ページほどで要領よく解説されている。内容は、とくに独自の視点も、とくだねもなく、新聞をきちんと読んでいればわかっていることが並んでいるのだが、世界中の事件、状況をバランスよく、きわめてわかりやすく解説している。「週刊こどもニュース」のお父さん役だっただけのことはある。

時期的に米国大統領選挙や、オバマ政権に関する記述は少ないが、最近の金融危機については、最後のあとがきにあたる「世界は変わる-どのように?」で最小限のことを解説している。



私の知らなかった項目からひとつだけご紹介。

イギリスの「エコノミスト・インテリジェンス・ユニット」が2008年5月、世界140の国と地域の「平和度」を発表している。1位アイスランド、2位デンマーク、3位ノルウェー、4位ニュージーランドで、5位が日本だ。
評価項目は、対外紛争、国内紛争の数、組織犯罪死者数、暴動発生頻度、武器入手性、警官数、殺人件数など24項目だ。日本が1位になれなかったのは、韓国や中国との外交関係がうまくいっていないことが挙げられている。
ちなみに、日本の殺人件数は世界一少なく、2006年は戦後最低を記録している。殺人報道が増えたので、治安が悪くなったと感じるだけのようだ。



池上彰は、1950年長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、1973年NHK入局。松江放送局等を経て、報道局社会部へ。首都圏向けニュース番組のキャスターを5年間務めた後、1994-2005年「週刊こどもニュース」を進行するお父さん役を務める。2005年NHK退社。現在はフリージャーナリスト。



私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで)

あらためて、最近の世界のニュースを振り返るには良い本だ。何が起こったか、だけでなく、なぜそうなったのかまで、簡単ではあるが、きちんと解説している。それでいて、読みやすく、理解しやすい。さすが、TV解説者。

日本の中学社会科の解説書に「我が国と韓国の間に竹島をめぐって主張に相違がある」と書いたことに韓国が大騒ぎをし、日韓の戦力比較までする韓国マスコミは時代錯誤だと池上さんは書いている。
竹島の帰属について、「韓国の主張も一応理解はできる」と思っている私でも、この韓国の騒ぎにはあきれ、なさけなくなる。過去の事情を勘定に入れても、すぐ熱くなる国の人に接するのは大変だ。

また、最後の「世界は変わる-どのように?」の中で、ブッシュ大統領を史上最低の大統領として、数々の失敗を指摘しているのは溜飲が下がる。



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