ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

身の錆

2010-12-15 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
賀茂女「これでよし!私、届けに行くね」と弁当とお茶を「んしょ!」と一緒に持ったから、
義経「何やってんだ、匠。どっちか持ってやれよ」気を利かせろ。一人で全部持ってけるか!
志鷹「え!?今、匠って呼んでくれた♪初めてだね」とお茶の方を持ったから、
賀茂女「ごめん、お弁当の方が重いの。こっち持って。ありがと、じゃ。行って来まーす♪」と二人が出て行くと同時に、黒栖にゼン鬼が、火鷹にゴ鬼が乗って飛んで行った。
ゼン鬼・ゴ鬼「ばいばぁ~い」とこっちに向かって手を振ったから、つられて手を振ったが、
義経「…おい、じぃさん。何なんだ?あの鬼…」勝手に付いて行ったぞ。
小角「ズズズゥ…」と茶すすって「あやつらは、わしの身から出た錆よ…。その昔、わしは神になるため…」
義経「あぁ、さっき聞いたぞ。変人な大菩薩だろ」
小角「じぇいっ!神しん・変べん・大だい・菩ぼ・薩さつ、じゃ!」間違ごうとる!
義経「どっちでもいい。変な神さんになっちまったか、神の領域に達した変な奴だ」
小角「ぬ!なんじゃと、失敬なっ!」ぜぇ!ぜぇ!と荒い鼻息になったから、
河合「まぁまぁ、じぃさん。落ち着いて。血圧上がるぞ」とお湯でふやけた赤い実を葛葉お手製デザートの真ん中に、ポトポトッと二、三粒落とした。
小角「ん?なんじゃこの赤いの?」
河合「中国果実、棗(なつめ)てんだ。乾燥させてっから堅いんでお湯でふやかして食べるんだ。息切れ、動悸、血圧降下に骨粗しょう症予防、貧血、免疫力向上…ま、つまり血液のアンチエイジングには最適な漢方薬だな」
義経「へぇ、彩りにいいな。杏仁豆腐にピッタリだ」俺にもくれ。
河合「はいはい。もしかして、このデザート、洞窟裏の山羊のミルクちゃんだっけか?その子の乳から作ったんじゃねぇ?工夫すれば、結構いけるな山羊って…」
昔、長寿大国 ブルガリアは山羊の酪農が主流で、山羊の乳を発酵させ、ヨーグルト菌を作り、腸内でビフィズス菌を増やし環境清浄化(清浄化)に努めていた。腸内環境が命を左右する。
義経「感謝しろよ、じぃさん。老化衰退の一途を辿る腸内環境を心配してもらってるんだ」
小角「ふん。どいつもこいつもじじぃ扱いして…」とデザートを鬼たちの分まで食っていた。
義経「普通に考えて生きてるじじぃの化石だ…。それより、式神について教えてくれよ」
小角「ほっ、そんなに賀茂女が心配か?えぇ?」あの鈴守だって、自分を大切にしてもらいたいから渡したんじゃろ?可愛い所もあるんじゃなぁ。へぇ?義経ぇ。
義経「うるせぇ…身から出た錆びって、あれどういう意味だよ」


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。