ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

戸出の姫

2010-10-24 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
義経「51…。あ、久しぶり。義隆の法被、あんがと」と小声のくぐもった鼻声で言ったら、
繭子「外したら…」香りって空気を通して鼻腔の奥にある嗅覚神経を刺激するの。
義経「はい…」生きてる以上遮断不可ですかい、と素直に洗濯ばさみを外したら「ん?」御香に懐かしい香りが混じっていた。
繭子「…ちょっと席を外してくれない?」と赤ちゃんを便女に渡して、その代わりに山吹を抱っこして義経に渡した「はい」って。
義経「山吹の面倒、さんきゅな」とあんま心を込めていないようなお礼だけど、形だけでもって一応言っとこうと思って…、
繭子「山吹ちゃん、可愛いわね」郷ちゃんとよっちゃんを足して二で割った感じ、ね。
義経「こら、能子と足すな」ショックだ…俺とほぼ同じパーツの妹 能(より)子って。
繭子「…秦家(やすいえ)※さんがにかほで会おうって…」※富樫のこと
義経「妊婦のお前に?わざわざここで?あぶねぇだろ」
繭子「(メンバー集結するから、ここを選んだんだけど)クスッ、心配してくれてありがとう」
義経「法被の男帯、あれ、桐生織りだな。桐生と繋がりあったとは聞いてないぜ?」
繭子「あら、私、蚕(生糸)で“西の西陣から東の桐生”織りこなし、東西情報網一手に掌握、糸の繭子。それを恐れて監視密偵(富樫のこと)を屋敷に転がり込ませたのは、誰よ」
義経「はい、俺です。って朝廷に返してないだろ、機密文書」を問い詰めようとしたら、
繭子「……戸出の姫が桐生にいるわ」と目を伏せて、機密文書から話をそらされた。
どうやら、そこは突っ込んで欲しくないようだから、話題を逸らして話を進めた。
義経「高岡…戸出の?義仲※の妾が?」※木曽 源義仲で義経・頼朝の従兄弟
繭子「えぇ。桐生 和田の妾になったわよ。義仲様が殺された後、捕らえられて、ね」
義経「…そう、か」って…、ちょっと、まず…いな。
繭子「義隆と山吹ちゃんを狙っているわ。気をつけてね」
義経「…と も…が?」って、このぷんぷんフェロモン(香蕨(かわら)のせせらぎ)&妙に懐かしい香りが交錯してコロッとコテンといきそうで、富樫みたいにほだされるぅ…と思ったら、
天井の一角がスーと開き、一人二人と侵入者が現れ、
ポンポンポンポンポンと鼓(つづみ)が鳴らす者と、バーーーー!!!と戸を全開して周り空気の入れ替えしてくれる者に分かれて、
義経「ハッ!」と正気に戻って「空気の入れ替え、さんきゅっって、誰、君ら?」
繭子「初音(はつね)に楓(かえで)じゃない!!」と繭子が紹介してくれたけど、誰?


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