ひらりん気まま日記

== 毎晩パコパコ せっかちでドジなひらりんの言うたもん勝ち ==

読んだ本

2015-05-07 20:29:28 | Book&Art&TV

ヒカゲツツジ 昇仙峡


闇に香る嘘 下村敦史
2014年、江戸川乱歩賞受賞、各ミステリランキングベスト5入り。
40代で中途失明した初老の男性が主人公の異色のミステリー。
ほぼ全盲でありながら白杖を駆使してどこへでも1人で出かけていくが、失明以後、1人娘とも断絶。
しかし、肝臓移植が必要な孫娘のため、何とか力になろうと奔走するが、自身は肝臓の数値が悪くて移植適合不可となり、兄に頼みに行ったのだが…
母と自分は何とか満州から引き揚げてこられたが、中国残留孤児であった兄は適合検査さえもかたくなに拒み、兄は本当の兄なのか?偽者なのか?
点字で書かれた不気味な俳句のようなものが何通も届く。
これは警告か、隠された意味があるのか。
疑心が次から次へ沸き起こり、何を信じてよいのかわからない。
視覚障害の置かれている現状、白杖や点字、様々な補助グッズの話が出てきて、この本は視覚障害への理解のための入門書として読めるほど。
以前、私は全盲の人といっしょに仕事をしていたことがあり、最低限のガイドの方法と点字の基本だけは知っているので、やけに説明っぽいなと思う箇所もあったけれど。
ただ、いくつも出てくる俳句の点字の図に間違いがある。
あるけど、小説中では素人がやっつけ仕事で打った点字なのでわざと間違ったままにしてるのかと、深読みしてしまったが、実際のところはどうなんだろうね。これ。
例)点字は音として聞こえたまま書くので、「こうたい」などの言葉は「こ」「ー」「た」「い」と書くのが正しいが、本には「こ」「う」「た」「い」になっていた。
あらすじとは関係のないところが気になってしまったが、視覚障害のこと、中国残留孤児のことなどうまく絡めて、最後にどんでん返しがあり、なるほどとうなるほど上手くけりがつくのだった。

2 コメント

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saganoさんへ (ひらりん)
2015-05-08 21:28:08
人が生活していく上で必要な情報の8割は視覚からだそうです。目が不自由なほうが不便でしょうが、コミュニケーションが取れない聴覚障害もそれなりに孤独ですね。
今日の夕刊に上野千鶴子さんが、加齢というのは全ての人が中途障害者になるようなもんで、ボケて人の世話になって死んでいくと…
saganoさんのおっしゃるとおりです。
イラっときても、グッと堪えてその場をしのいだら、あとはもうなんともなくなるので、私もすぐカッカするので、口調に出ないように気をつけなきゃと思いつつ、親しい人相手だと、すぐ、表情に出てしまい、反省しきりです。
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障害の軽重 (sagano)
2015-05-08 16:59:29
(今、パソコンのルーターを無料で新製品に 交換
してきました。作晩繋がらなかったのが ウソみたい♪)

すぐに ヘレンケラーの偉人伝を読んだことを思い出しました。
今、検索したら、裕福な家庭だったので、優秀なサリバン先生に
巡り会えたのですね。
街中で 見かけて気になるのは 白杖を持った視覚障害の
方ですね。
通行人が 当たりそうになって追い抜いたり、路上に物が
はみ出していたりすると、ハラハラします。
聴覚障害の方は 他人には分からないので、その点は
理解されにくいと思います。
どちらが 困難だろう?と考えたことありますが
日常生活は 視覚障害の方が危険ですね。

どんな障害でも 体験しない者には 本当のところは
分かりませんし、分かろうとする努力もしていません。
学校教育で そう言うことを教える必要もありますね。
日頃、体力が目に見えて落ちて行き、不便や情けなさを
実感しています。
私達 老人もある意味「障害」を持ってるんやなあと
最近思います。それなのに、レジでモタモタしてる老人に
イライラしてる 最低な人間で、自分勝手な人間です・・・
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