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アーサー・ゴールデン/著 小川高義/訳 文芸春秋
この写真は、文庫版です。
私の読んだのは、新書版で、着物の帯の装丁です。
文庫版の上下を合わせると、舞妓さんの顔となり、私はこれで、すっかりだまされてしまいました。
「さゆり」は、実在の人物ではなくて、ゴールデン氏の創作なのです。
米国人が、一人称形式で書く花柳小説という、めずらしい小説。
老齢の現在は米国に住む「さゆり」の半生の物語。
昭和4年、9歳で郷里から売られていった、坂本千代(のちのさゆり)が、舞妓から苦労を経て、一流の芸妓になるまでの様子なのだけれど、実によく祇園のしきたりやら慣習やらをご存知で、こういう世界があるんだなと、とても興味深い。
あらすじについては、こまかく書きません。
芸妓さんに興味があったら、読んで下さい。
私が、何故本を読むかというと、こういう本でパワーをもらうからなのです。
ひとそれぞれ、読書の感想は違うと思うけれど、私は、自分を主人公に置き換えます。
現実生活で、おこるさまざまな出来事、嫌なこと、苦しいこともたくさんあり、人生経験の乏しい自分には解決策が見出せないのがほとんど。
そんな時、本の中の登場人物の生き方、処し方は、羅針盤のごとく道をつけてくれるのです。
あの時、あの人はこうしていた、と思い出し、それによって我慢ができたり、希望をもったりできるのです。
だから、本を読むのです。
少ない経験値が、読書によって多くなる、それが本を読む効用だと考えています。