夫婦喧嘩（Part2）

早飯、早くその職人父ちゃんです。
あんたは運が悪い、飯づくりが下手な母ちゃんです。
我慢せえよ、稼ぐのが上手じゃけえ。と母の声。
生きて行かなきゃと、朝餉づくりに励む父ちゃんです。


えごま馬鹿　風に倒れし　寄り沿って

どんなに仲が良い夫婦でも喧嘩する。
えごまの収穫です。
知ってる夫婦の場合。
旦那が先にえごまの実（莢の中に種がある）を草ごと叩きました。
旦那様はよし、このくらいと止めました。
そこへ奥様。
こんなに採れるじゃないと、さらに叩きました。
えごまの実が、旦那様を直撃しています。
旦那様、何が気に入らないのかまた叩き始めました。
そのうち、えごまの束を投げ合っていました。
えごまは、いつまでも種が出てくるのです。

私達夫婦は仲良しと自負しておりました。
えごまを叩き始め、疲れて交替。
妻が叩きます。
えごまと殻が混じっています。
どうやって、殻だけをを飛ばすか。
妻が顔を真っ赤にして吹いています。
のぼせて代わりなさいよと命令します。
バーカなことをやって、それじゃ取れないよ。
私は、水に浸け洗いました。軽いから殻が浮いてきます。
「バーカ」が気に入らなかった。
賢いあんたが全部やりなさいと、家に入ってしまいました。

老人夫婦がえごまを採っています。
案の定、喧嘩が始まりました。
一生懸命叩いても、手のひらに一合ばかりの種が取れるだけです。
こんなもん植えるあんたが悪い。
やっと絞ったえごま油をサラダにかけて食べました。
精選が悪かったのか、種のかすが混じっています。
運悪く、入れ歯と歯茎の間に入りました。
痛いこと痛いこと。
こんなもの植えたあんたが馬鹿じゃ。

えごま騒動は、必ずや夫婦げんかになること請け合いです。
皆さんも植えてみたらいかがでしょう。

２０２２年６月２４日

夫婦喧嘩

絵のタイトルは、「永観堂」です。


一言が　癪に障るな　猫逃げる　

二人以上いると、気が合わないことが必ずあります。
独りでも、積極的な自分と引っ込み思案が交錯します。

島の狭い国道（わずか５ｍ）を渡る老人がいます。
右を見て左を見て、もう一度右を見てくれたらな。
すでに近くに来た私の車を見て、
ここで試すの、「どちらが速いかの」と渡り始めます。
ブレーキを踏むしかありません。
老人は眼で制しながら、悠々と渡られます。
私は、片手をあげて、やりましたね。

今日のタイトルは、「夫婦喧嘩」です。
仲良くなるためのステップが、喧嘩です。
男女が好き合って（「隙あって」かもしれない）一緒になります。

売られた喧嘩は買いましょう。
黙る必要はありません。
掴みあって、安い皿を投げ合いましょう。
高い皿はいけません。

友人は大酒飲み。
たまには、奥さんの顔を見ながら飲むかと早く帰りました。
９時まで待っても子供共々帰って来ません。
心配になり、近くの親の家を訪ねる。
来ていません。
大変じゃの。まあ飲めとお父さんが勧めます。
思い余って、嫁の実家に電話をしました。
やはり、来ていません。

この話、自分の親と嫁の親がぐるになって、飲兵衛を懲らしめた。
ところどころに、抑えられなくて関係者たちの笑いが漏れてきます。
悠然と構える大人たちを前に、小心者の友人は狼狽えるばかりです。
周りは、楽しくなり、もう少し懲らしめてやるかの。
そんな彼を見て、多分可哀そうになったのでしょう。
「帰ろう」と奥様は、友人と実家をあとにしました。

玄関に置いてある包みを何度も見ました。
川崎の実家に帰ろうとしたが、路銀が無いために止めたとかみさんに聞きました。

飲み込む言葉は、必要ありません。
大いに伝えましょう。
所詮、他人です。分かり合えるはずがないのです。
妻は前へ前へ、もう少し娘が片づけをするように躾けておけばと後悔します。
私は後ろへ後ろへ、「そっくりなのに」と、これは飲み込みます。

喧嘩は、一夜が過ぎれば、大抵納まるものです。
しこりは、ふとした時にうづきます。
旦那がくれた、奥様の好物のまんじゅうを前にして、
「そりゃ、好きな人と食べるものは、なんでも美味しいでしょうよ」と、ぶり返します。
２０年も連れ沿えば、奥様の顔など見ることもなく会話が進む。
奥様の似顔絵を届けた時、「これは誰？」と旦那が言います。

２０２２年６月２４日

<<あとがき>>
今日は釣りに行きます。
妻は、ブログを書く私に、早く行こうとせかします。
今しか書けないと、私は頑張ります。