
絵のタイトルは、「朝のお勤め」です。
この方のことは知りません。かしこむ巫女の前では神官そのものです。
今日のタイトルは、「纏っているもの」です。
神主は白い着物に浅葱色の袴、坊主は袈裟、会社員と銀行員は背広、労働者は作業服と決まっています。
「らしさ」を醸し出すのが服装です。
余市にある有名なゴルフ場に、先輩と一緒に出掛けました。
乗りつけたのは、作業用トラックでした。
出てきた支配人風の男の人が、「今日は作業が無かったはず。駐車するのは端っこにお願いします」と、
出てきて挨拶をされました。
先輩は、カバーを開けてやおら立派なゴルフバッグを取り出しました。
「作業が中止になり、やってきたよ」と言われました。
あとは、推して知るべし。
同じく先輩は、作業服で銀行に出かけました。
出てきた銀行員はいぶかしげな男が来たと、不機嫌な態度だった。
先輩も先輩なら、銀行員も銀行員。
「お前たちの制服は背広だけど、俺たちの制服は作業服だ。文句あるのか」と一喝。
融資の話をしに来たのだとか。
「纏っているもの」が、他人には異様なのに当人はなんとも思わない。
服装のことではありません。醸し出すもののことです。
子供の幼稚園の作業の打ち合わせなのに、すでに引退されている会社役員なのに、
残念ということがあります。言葉遣いと態度が横柄なのです。
家庭でそれ(俺様にお茶)をやると、稼いでいるうちは我慢だけど、定年後は推して知るべし。
そういう私もその一人です。
この地に来た時、どの方も無関心でした。
地縁、血縁もない期待されない移住者は、冷たいものを感じました。
それなりの仕事をしてきたつもりでした。自負と自尊心は粉々にされました。
今は、真っ黒に焼けどこから見ても農家の親父です。
どんな服装をしていても、「マスター」と呼ばれます。
私が普段何をしているか、皆さんよく知っておられます。
長年同じ仕事をしていると、「塩漬け」になった臭さ(らしさ)を身に纏います。
オンとオフをしっかり区分しなかったからです。
雰囲気だけでなく、考え方もそうなりやすい。困りものです。
私も大いに気を付けましょう。
上下とは 酒飲む席で 無縁なり
2020年6月13日
<<後述>>
急いでいます。これから友人たちと筍(はちく)狩りです。
行ってきます。