故郷へ恩返し

故郷を離れて早40年。私は、故郷に何かの恩返しをしたい。

興味

2020-06-20 11:14:19 | よもやま話

絵のタイトルは、「そばを作る人」です。
「精が出るね」と通りすがりの知り合いが声をかける。
誰も、「こんなところで作らなくても」とは思わない。


得意なこととは、人より少ない努力で人より優れた結果を残せること。
朝ドラ「エール」の一節です。

今日のタイトルは、「興味」です。
興味とは、物事にひきつけられること。おもしろいと感ずること。
心理学では、ある対象やできごとに特に関心を向ける傾向。
(広辞苑より)

畑で働くのが好きな妻です。
畑にいると、いろんな方が話しかけてこられます。
移住したばかりの頃、三人のお年寄りが毎朝話しかけてこられました。
地域のこと、野菜づくりのことでした。一人2時間近く話されていきました。
合計6時間で仕事にはなりませんでした。
そのうち自分たちの家庭事情や近所のこと、そして私たち自身のことが話題になりました。
一人30分になりました。合計1.5時間です。

見れば分かる。およそ私達の人となり、農業の腕前が分かったのでしょう。
今では、挨拶だけで通り過ぎます。仕事の手が止まることは無くなりました。
そして、挨拶する方が増えました。
名前は知らないが、時々見かける人も挨拶されます。
通りがかりの知り合いに、私たちが作った野菜をあげることも増えました。
新聞紙に包んで渡します。ありがとうとお礼を言われます。

好奇心から興味に変わってきたのでしょう。
都会の人から地域の人になったのでしょうか。
少ない努力で、伝わる仲間になったのだと思います。

カフェで売れ残りそうなものや自分たちが作って美味しいと思うものを、
「美味しいよ」とお客さんにプレゼントします。
しばらくして訪ねてくれ、「この間いただいたベーグル美味しかったよ」と話がはずみます。
レタスの植え替え時期には、地域中でレタスが出回ります。
我が家にも回ってきます。それも1個ではなく、10個です。
「もらってよ」と目が訴えていました。
お客さんに、「もらいもの」と言って、その日のうちに配ります。

過疎は、互いに興味があるうちは進まないように思います。
田舎で、互いが無関心になることはありえない。それが起こるのはなぜだろう。

大家さんの息子さんは、広い家に一人暮らしです。
コロナの影響で、職を失いました。
同じように派遣だったバングラディシュの方が、大家さんの家に引っ越してきました。
息子さんの大きな笑い声を初めて聞きました。
夜勤と昼勤の繰り返しをされていました。
疲れてなのか、興味がないのか畑も庭も手入れができないようでした。
私は、何も言わず大家さんの庭の草を刈り、木々の剪定をし、裏の耕作放棄地を耕していました。

ある日、隣地との境界に繁茂するしの竹を切る音がしました。
息子さんが、刈っていました。
こんなことがしたかったんだと思いました。できなかったのです。

地域の若者に「都会に行ってこい」と言って背中を押します。
いつでも帰ってこい。それまで俺らが守っている。
と若者を笑顔で送り出す隠岐の島の市長の話を思い出しました。

興味があれば、いつかやる。そしてできる。
それを待つのも楽しみです。

竹きりの 褒美に握り 惜しみなく

2020年6月20日
コメント
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