故郷へ恩返し

故郷を離れて早40年。私は、故郷に何かの恩返しをしたい。

狂気と正気

2019-12-14 06:44:54 | プロジェクトエンジニアー

絵のタイトルは、「永観堂」です。
ウフフとオホホ。
これしか思いつかない。


今日のタイトルは、「狂気と正気」です。
狂気とは、
気が狂っていること。また、異常をきたした精神状態。
(goo国語辞典より)
正気とは、
正常な心。確かな意識。
(goo国語辞典より)
(2019年9月13日、中断)
何を書こうとして、このタイトルを選択したのか想像しています。
自らは正気、他人の目には狂気と映るものです。

私の住む地域は、11軒中8軒が空き家です。
普通じゃないと思いました。かつては栄えたセンターです。
どの家も剪定がされないまま草は伸び放題で、道がトンネル状態でうっそうとしていました。
地域おこし協力隊として赴任して、各種イベントの手伝いに没頭していました。
朝妻に出かけるよと言い、草むらに入る。
夕方草むらを出て、ただいまと帰る。
ある日から、イベントの合間に草刈を始めました。
持ち主の許可をいただき、草刈の範囲は瞬く間に広がりました。

まず、妻にばれました。
狂気の目で見られました。とうとう、気が振れた。
私は楽しくてたまらなかった。
自分が刈った分だけ、地域が元の姿を取り戻す。
宝物を発掘する気分でした。
大真面目でした。
そんな折、使われなくなったカフェを発見しました。
ジャングルにパゴダ(寺院)の感じです。

市役所が主催する「地域活性協議会」に何か話してくれと呼ばれたのもこの頃です。
この地域のよいところを話してくれと言われました。
何にも期待されない自由にすでに気づき始めていました。
「なんにもないところ」と答えました。
美味しい米が採れて、果樹園も開けているではないか。と質問者は促しました。
果樹園も米農家も後継者不足にあえいでいました。
自分の代で終わりにしようと、果樹農家の多くが覚悟していました。
農業法人に米作を依頼し、田んぼの持ち主は小作料として飯米を受け取っていました。
これが、わが村の自慢とはとうてい言えないように私は感じました。

半年後、カフェを借りて開店することにしました。
ある人は、きっと儲からないからやめとけと忠告してくれました。
ある人は、どうして声をかけてくれないのかと怒ってくれました。
では、手伝わせてやるか。と協力をお願いしました。
多くの善意(畳、机、電化製品、器など)が集まりました。
狂気の延長にある正気でした。

文字通り赤字でした。
忠告は正しかった。
協力してくれた妻に、「10年やって元がとれる」のが普通と言われました。
カフェの屋号を「さんぽみち」と名付けました。
地域の方が、散歩道として選択してくれています。
老人が、長い時間話されていきます。
子供が、隠れ家みたいと飛び跳ねてくれます。
カフェだけきれいなのは不自然と、周りの草刈を続けています。
背後の山も日が当たるよう伸び放題の篠だけと木を伐っています。
借景の一つと考えています。
よその家の木を伐って、草を刈ってなんぼもらうんだい、とばあちゃんが笑います。

私は、何もしない正気の人こそ狂気に見えることがあります。
それであなたはよいのですか。
問いかける前に、狂気の自分に気づきます。
そして、口をつぐみます。

皆同じ 正気と狂気 紙一重

2019年12月14日


(投稿後)
今日は、討ち入りの日。
内蔵助は、悟られまいと狂喜乱舞した。
粛々と計画を進めていたのです。
(筆者)
コメント
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