広島猿猴川にかかる「稲荷橋」です。
遠くにいるものの、やはり故郷です。
只々、新幹線に乗り広島に着きました。
病院を訪ね、長兄を見舞う。
物言わぬ人になったが、顔色は昨年あったときと同じであった。
少し安心して、帰路についた。
そして、また長い新幹線の旅でした。
今日のテーマは、「広島往復」です。
途中、外国人の観光客が多く乗ってきた。
私の知っている外国人は、グリーン車に乗り指定席に乗るお金持ちのイメージでした。
バックパッカーが、夫婦でまた友人と自由席車に乗ってきます。
若いカップルや私たちと同じ年代の和気あいあいです。
そういう私も、会社に勤めていたころと違い、始発列車の自由席利用です。
年間4000万人もの外国人が来られるようになると、
このような方たちが大勢になることでしょう。
京都、広島など有名どころではなく、地方都市の観光地に向かわれます。
乗り合わせたサラリーマンは、仕事をしているからと二つ席を占有します。
多くの外国人の方に席を譲ることができるでしょうか。
西洋人だと喜んで、少し顔の色が変わると、ムッとしながら荷物を置く席を空ける。
恥ずかしいけれど、私も同じようなことをしていたんです。
仕事をしている人が、偉いとでも言いたかったのでしょうか。
新大阪で、始発のひかりに乗り、出発を待ちながら広島の銘酒「誠鏡の幻」の
二本目を開けました。
さあ、飲もうかなとつまみを出していると、ペットボトルが飛んできました。
あろうことか、ワンカップ酒に命中でした。
一口もつけない酒が床に飛び散りました。
前の席の人の棚に上げようとしたバッグから落ちたようです。
妻に見せようと買ってきた中国新聞でこぼれた酒をふき取りました。
落とし主の奥さんと娘さんが申し訳ないとかいがいしく手伝ってくれました。
代わりの酒を買おうと急いでいたところ、娘さんが私を追い越して買ってきてくれました。
缶ビールにワンカップが二本。
被害は一本だけと、大関をいただきました。
大関を開けることもなく眠ってしまいました。
「飲みすぎることもなく、よかった」
と思いました。
新横浜で老夫婦が、品川で娘とその息子が下車しました。
二組とも、深々と頭をさげて、「すみませんでした」と言われた。
捨てたものじゃない。
落とした老人の謝り方に少しムッとしましたが、奥様の対応が素晴らしかった。
彼は、大手の会社に勤め定年を迎えた人だなと推測できた。
私も気を付けなければならない。
一時間早く、自分の終着駅に着いたが、妻は迎えに来ていなかった。
出かける前の予定の時間より早く着いたけど、寒い中30分は待つことになった。
来てくれるだけ幸せと、関心が薄い不幸せの複雑な気持ちで黙ってしまった。
移動は、疲れる。
すぐに寝た。
なごり雪 足を延ばせば 夢の中
2019年4月3日