故郷へ恩返し

故郷を離れて早40年。私は、故郷に何かの恩返しをしたい。

馬鹿を出せ、親を出せ

2019-04-02 05:18:45 | よもやま話

故郷の庭には、多く植えられていました。
葉っぱで遊び、腹を満たしていました。


子供に近況を報告する。
「身体に気を付けるんだよ」と言われる歳になった。
今日のテーマは、「馬鹿を出せ、親を出せ」です。
子を想わぬ親はなし。
どこまでも、この子のためにと死ぬまで心配するのが親です。

片づけなさいと叱ってきた。
お母さん、こんなに傘は必要ないでしょと、60本もある傘を捨てられる。
今度は、自分が片づけなさいと叱られる。

母が脳梗塞になった。
自分が心配をかけたからではないかと、物言わぬ母に問いかけた。
母が手を握り返す。
小さな身体にこんなに力があったとは、驚いた。
何も言わなくなった母が亡くなるまでの5年、そこに母が生きてくれるだけで嬉しかった。

農業を継がせて欲しいと父に頼んだ。
大学まで行かせて、こんなことはさせられないと断られた。
卒業の時、「継いでくれ」と言う弱った父がいた。
私は、睨み返した。

私は、放蕩の限りを尽くし、なんとか生きていくだけになった。
大学だって、教授のお情けにすがった。
「こんな学生は、血税の無駄」と放校されるように卒業させられた。

そんなに通じ合う子が、親を捨てに山に入る。
せがむ親の身体をしばり、自由を奪う。
この子が迷わぬように、負ぶわれた背中で目印の枝を折る。
姨捨山の情景を想像しました。
もう役に立たないと思う親は、もはやこれまでと覚悟をする。

空襲のさなか、泣き叫ぶ子に覆いかぶさり幾人の母が亡くなったことか。
敵から逃げた防空壕のなかで、声が漏れてはならぬと泣く我が子の首を絞める。
こんな悲劇が繰り返されました。

そして、私は生きている。
私は、子を持った。
親ばかになれているでしょうか。
親からもらった恩を、子に返せているでしょうか。
いくばくかでもよい。
お父さんの子どもでよかったと、心の中で祈っている。

手折るのは 痩せてもつよし 母の愛

2019年4月2日
コメント
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