Afternoon Avenue 25 (by hide_boo)

Perfumeと乃木坂46、IZ*ONEなどのアイドルやクルマやバイク、好きなものついて、だらだら綴ります。

mirage of IZ*ONE

2020-11-22 23:25:29 | Weblog
前回IZ*ONEの存続を願う記事をアップさせていただいたが、プデュシリーズ投票数操作事件の記事のなかで、第3シリーズのPRODUCE48での被害を受けた練習生として、イ・ガウン、ハン・チョオンの名前が判決とともに裁判部から公表された。
ガウンが5位、チョオンが6位が実際の順位だったという。

今、2年以上前のことを公表されて、誰が幸せになるのだろう。ただ大衆の好奇心を少しの間だけ満たすくらいのことだ。韓国の思いやりの薄い公正さを是とする雰囲気に何か、やりようのない憤りを感じてしまう。

被害練習生とは二人だけのことではない。いわば偽りのデビューとなってしまった12位のイ・チェヨン、11位にキム・ミンジュも被害者である。裁判部の公表は、この二人のIZ*ONEとして懸命に積み重ねてきた努力を打ち消そうとしている。チェヨンの感性に溢れ、鍛えられたダンススキル、ミンジュの素晴らしいビジュアル、演技、MCとしてのタレント力、どれも今のIZ*ONEを支える強力な武器になっている。

そして、IZ*ONEにはPRODUCE48の合宿から培われた家族同然の絆があると信じている。

デビュー準備そしてデビューしてからの2年間、韓国人メンバーはまだ韓国語に不慣れな日本人メンバーを温かく受け入れ、ジェスチャー、片言の韓国語でもきっと豊かなコミュニケーションがとられたに違いない。リアリティ番組やビハインド動画では単に仲の良い様子だけではなく、ふざけた中にもぶつかり合ったりもしているのだろうな、と推測される場面もある。そうした積み重ねは、日本人メンバーの韓国語力を2年足らずで飛躍的に伸ばし、つい先日の動画では矢吹奈子が日本語を一瞬忘れるくらい、韓国語脳が出来上がっていることが伝えられている。そこまで韓国語が伸びるのは本人たちの勤勉な努力もあるだろうが、普段の会話が濃密でありお互いに理解しあおうという気持がなければ成しえないのではないだろうか。

そんな醸成された素晴らしい絆をあと半年の活動期間、もし可能であれば期限を延長して育てていってほしいし、その絆の中での彼女たちのパフォーマンスと幸福を見つめていたいと願うのだ。

そうした現行のIZ*ONEを継続していってほしいという気持ちは変わらないが、イ・ガウンもハン・チョオンもプデュの中で注目した練習生であることは確かである。ガウンは、コンセプト評価で自分が担当していたセンターポジションをチーム全体の評価を上げるために、あえてアン・ユジンに譲ることを選択する俯瞰した考え方ができる大人であり、常にメンバーを大切にしようとする人間性は素晴らしかった。もちろんボーカル・ダンスのパフォーマンスも一級だった。

チョオンは、当初こそ自分の実力を信じて、気の強さが目立つ感じだったが、ブンバイヤ第2チームでやる気のない日本人メンバーをサポートし、逆にチームワークの大事さを学び、ミッションが進むごとに元々高い歌唱力に加えてラップの才能も開花させ、且つ、番組での表情がどんどん優しくなり、人間的に成長したことを感じさせてくれた素晴らしい練習生だった。

今となったてはタラレバの話になってしまうが、二人がもしIZ*ONEとして活動していたら、ということを考えてみた。

イ・ガウンは最年長としてグループのリーダーもしくはサブリーダーとして、引っ張っていく存在になったことは確かだろう。ただし、IZ*ONEの曲調は、AIRPLANEやUP、SPACESHIPのような可愛いコンセプトよりは、ラヴィアン・ローズやHighlightのような大人っぽい曲が増えていたかもしれないし、世代差で分割したユニット曲も多くなったかも。もちろんメンバーが変われば、グループのコンセプトも変わっていくから、今のIZ*ONEとはだいぶ雰囲気が違ってくるかもしれない。

チョオンはとにかく歌唱力の面では、PRODUCE48のトップランクであることは間違いなく、ウンビ以外のメンバーとの実力差がかなり開いていた印象がある。チョオンを最大限生かそうとすると、他のメンバーとの実力差、曲のパート分けをどうするか、非常に難しいプロデュースを強いられたのではないだろうか。実を言えば、現メンバーでもイ・チェヨンのダンスパフォーマンスは完全にIZ*ONEの中で飛びぬけており、一人のダンサーとして業界で立派に通用するクオリティをがある。それでもグループとしてのバランスを崩さないのは、本人の控えめで他のメンバーを大事にする性格と、そのキレキレのダンスをスパイスとして曲の細部で発揮する見せ方を理解して実践できているからだろう。逆に今では宮脇咲良をはじめ、すべてのメンバーがチェヨンのダンスに影響され、その実力を大幅に伸ばしたという好影響が生じた。チョオンの歌唱力もチョ・ユリやチェ・イェナ等のボーカルに多大な影響を与える可能性もあっただろう。

その手段は公正ではなかったが、グループとしてのIZ*ONEは現メンバーが12人という多人数でバランスをとれる選出になっていると考える。

今、イ・ガウンは事務所が変わり、主に女優としての活動を開始していて、今回の判決文の公表に対しては特にコメントしていない。彼女のことだ、今のIZ*ONEを大事に思う気持ちと自身の活動にコメントするメリットはないと判断できているのだろう。

ハン・チョオンは昨年、事務所との契約が、練習生契約からアーティスト契約になったとのニュースが流れたが、その後の動きはわかっていない。その実力の高さから、どうプロデュースしたら大衆に訴えることができるか、売り出し方、デビューのさせ方に最善といえるブレーンが見つかっていないのかもしれない。とにかく彼女のデビューを早く見てみたい。

繰り返しになるが、今回の被害練習生の公表は誰も幸福にはしていない。何が練習生にとっての幸福なのか、ともに考えていく必要があるだろう。