まずは、今回から『Get』の担当になった新人の本間智恵アナと八木麻妙子アナを、スタジオで南原さんが紹介したあと、"10.1 清原和博引退試合ドキュメント 「KK」の全てを大公開"と題した、清原選手の特集。
清原選手の引退試合が行なわれた10月1日、タクシーで京セラドームに向かう南原さん。
バックネット裏から試合を観戦していた南原さんは、王監督が清原選手に花束を渡す場面では拍手をしながら「あ~すごいねぇ~」。
清原選手が最後の打席で空振り三振をすると、右後ろで試合を観戦していた桑田さんに南原さんは視線をやりますが、桑田さんは表情を変えず無言のまま。
その後、桑田さんが南原の肩に手をかけて何か言葉をかけると南原さんは笑いながら頷き、去っていく桑田さんと握手。
そして試合終了後、球場内の通路で待っていた南原さんのところへ、大勢の記者たちとともに歩いてきた清原選手に南原さんがインタビュー。
南原 「お疲れ様でした」
清原 「あ、南原さん、(帽子を脱いで笑顔で)今日、ありがとうございました」
(握手をする二人)
南原 「ありがとうございました」
清原 「お手紙もご丁寧に」
南原 「いえいえ、もう」
清原 「(脱いだ帽子を胸にあてて)(引退の挨拶の)途中でもうパニクってですね」
南原 「あ、そうですか」
清原 「えぇ、僕も始めての経験ですから」
南原 「はい」
清原 「引退っていうものがどういうふうに自分に入ってくるのか」
南原 「あぁ」
清原 「昨日も夜、湾岸線でバーって走りながら」
南原 「湾岸線(笑)、はい」
清原 「関空まで行って往復して」
南原 「はい。あ、一人で走ったんですか」
清原 「えぇ。明日なんて喋ろうかな?明日どんな気持ちになるんだろうな?みたいな」
南原 「今日、高校球児みたいでしたね」
清原 「選手宣誓みたいでした?ハッハハハハハ」
南原 「いえいえ、高校球児みたいな声でしたよ」
清原 「あ、そうですか」
南原 「えぇ」
清原 「いや、もう途中で何を言っていいか分からなくて、「あ、金本のこと言うの忘れた」とかね」
南原 「ハッハハハ、いやいや」
清原 「ちょっと足りないところが僕の野球人生でしたね」
南原 「そんなことないですよ」
清原 「何よりもイチローがね、162試合っていう、もう、凄いシーズンを乗り切って、今年がいちばんしんどかったっていう、そのまま飛行機とび乗って僕のゲームに来てくれたっていうのがね」
南原 「人徳ですよ」
清原 「いや、これもね、仰木さんあっての・・」
南原 「もちろんそうですけど、でも人徳ですよ」
清原 「いやいや、ホントにね、あんとき仰木さんが僕に声をかけてくれなかったら、ホンっとに僕の野球人生っていうのは、ひと言で色紙に書いてくれって言われたら「憎」っていう字だけでしたね(笑)」
南原 「(笑顔で清原にちょっと近づく)」
清原 「でも、そこでホントに、野球通じて、あの・・・・つくづく思ったのは・・・打てないとか」
南原 「(無言で頷きながら話を聞く)」
清原 「そんなことはちっちゃなことですよね」
南原 「あぁ~」
清原 「もう、僕ら野球選手としてグラウンドに立てないほど残酷なことないですね。100打席ノーヒットでも残酷ですけど」
南原 「グラウンドどうでした?」
清原 「いや、もう最高でしたね」
南原 「う~ん、ヒット打ったじゃないですか今日。足・・」
清原 「いや、多分ね、右足肉離れしてるんじゃないですかね(笑)」
南原 「(ビックリしたような顔をしたあとしみじみとした感じで)ホントですか」
清原 「いや、でもホントにね、まぐれですよ」
南原 「いや、まぐれじゃないです」
清原 「(全球直球勝負だった)杉内投手がね、ねぇ、熱い男ですからね」
南原 「でもそれを引き出したんですよ」
清原 「そうっすか」
南原 「引き出したんですよ、きっと」
清原 「ホントにね、やっぱりそうやって相手がそういう球を投げてくれてる以上、やっぱり中途半端なスイングは出来ないと思うので、僕もフルスイングしますし、やっぱり数々・・投手とね、そういう対決出来たっていうのが」
南原 「(こみ上げるものを抑えるように握った左手を口元にあてながら話を聞く)」
清原 「それで桑田がネット裏にいるっていう」
南原 「(涙顔で頷きながら)ずっと観てましたよ」
清原 「うん」
(清原選手の最後の打席のあと、南原さんに声をかけて去っていく桑田投手のVTR)
南原 「ちょうど僕のすぐ後ろで桑田さんが観てたんですよ」
清原 「あ、そうですか」
南原 「はい、それで最後に「やっぱフルスイングやな」って言ってました」
清原 「ハッハハハハハ」
最初は大勢の記者とともに現れた清原選手でしたが、すぐに南原さんと二人っきり(少し離れたところに話を聞きたそうにしていた記者らしき人が数人いましたが)になって話していた清原選手。
終始笑顔で答えていた清原選手の顔と、清原選手の話を聞いて感極まった表情をしていた南原さんが印象に残ったインタビューでありました。
南原さんによるインタビューのあとは、今年引退した桑田さんと清原選手のこれまでの軌跡をVTRで紹介。
甲子園で活躍する二人の懐かしのVTRでは、「甲子園は清原のためにあるのか!」という名実況が聞けて思わず涙(笑)。
いや、このフレーズは今でも心に残る名言&名実況でありました。
あとは、当時PL学園の監督だった中村監督のインタビューや、運命のドラフト会議、初のKK対決が実現し優勝目前に清原選手が涙した1987年の日本シリーズ、そして、2度目のKK対決になった1994年の日本シリーズ第5戦の試合も紹介されていましたが、清原選手にホームランを打たれた桑田投手は、当時のインタビューで「真ん中に全力で投げた、それだけです」。
清原選手は、桑田投手を評して「(前の打席でホームラン打たれても)もう1回同じ球種同じコースに投げてくるぐらい強気のピッチャーですから」。
そんな二人の対決に、当時キャッチャーだった村田真一さんも、桑田投手が投げたがっていた清原選手得意のアウトコースのサインを出したそうで。
う~む、こういう話を聞いてると、これぞ男と男の勝負!という感じで、今さらながらゾクゾクしてしまいました(笑)。
そんな二人の対決があった後、桑田投手は右肘を怪我、清原選手はFAで巨人に移籍。
桑田投手が683日ぶりに勝利を上げた復活の試合では、清原選手が巨人移籍第一号のホームラン。
そして今年3月引退した桑田投手が、清原選手のためにバッティングピッチャーをしている様子などが紹介されたあと、引退試合で王監督から花束をもらう清原選手の映像が流れる中、「ラストゲーム、王貞治から思わぬ言葉をかけられる」というナレーションが入り、再び南原さんによるインタビュー。
清原 「僕はただ単に(王監督から)花束をもらえるだけだと思ったんですよ、試合前に」
南原 「(王監督と話してる時間が)長かったですよねぇ」
清原 「えぇ、それで、僕の目をグッと見てですね」
南原 「はい」
清原 「「今度生まれ変わったら、必ず同じチームで僕とホームラン競争しよう」」
南原 「(最初は笑い、その後感極まったような表情で何度も頷き、握った左手を口元に持っていく)」
清原 「もう、それ言われた瞬間に・・・」
南原 「(涙顔で清原選手を見ながら左手をまた口元に)」
清原 「ハッキリ言って、僕の、その・・・18歳の時にね」
南原 「(頷く)」
清原 「王さんの・・王さん今まで僕のことをね、気にかけてくれてたんだっていう、その気持ちが本当に嬉しかったですね」
南原 「(左手を口元に持っていって、何度も頷く)」
清原 「それで桑田がネット裏にいるっていう」
南原 「ずっと観てましたよ」
清原 「うん、だから今思えばあれ(ドラフト会議で桑田選手が巨人に指名され清原選手が西武に指名されたこと)が良かったんだと思えるように・・」
南原 「(笑顔で何度も頷く)」
清原 「僕、今日なれたんで」
南原 「あぁ」
南原さんによるインタビューのあと、松坂投手や渡辺久信監督、工藤投手、斉藤雅樹さんなどのインタビューコメントがあり、スタジオからG-Talk。
南原さん、栗山さん、中西さんに中山アナといういつものメンバーに加え、今回は本間アナと八木アナも参加。
まずは、
栗山 「さぁ、ナンチャン、あの」
南原 「はい」
栗山 「実際にね」
南原 「はい」
栗山 「清原選手の最後の姿を」
南原 「うん」
栗山 「グラウンドでご覧になって」
南原 「はい」
栗山 「清原選手と話をして」
南原 「はい」
栗山 「如何だったですか?」
南原 「あの~、ま、(試合が)終わってから挨拶だけっていう感じで、ま、いたんですよ」
栗山 「はい」
南原 「そしたら、こう会見が終わって来てくださって、で、ああいうインタビューになったんですけども」
中西 「うん」
南原 「10分ぐらい、こうずっと、こう喋りかけてくれるんですよね。印象的だったのはですね、非常に、こう、ま、言い方はあれですけど、憑き物が取れたみたいに穏やかなね」
中西 「うん」
南原 「もうねぇ、ありがた~い顔になってるんですよ」
中山 「うん」
南原 「破顔っていう言葉がありますけども、破れる顔と(書いて)、パカッとこう開いてね、何でも包み込むような、そういう良い表情だったのが印象的でしたね」
中西 「う~ん」
栗山 「ま、あんな表情で」
南原 「うん」
栗山 「僕も語るのは初めて、何か色々あったんだけれども」
南原 「うん」
栗山 「やること、ある程度やれたんだ、みたいなところありましたよね」
南原 「そうですね」
栗山 「話し方にね」
南原 「はい」
栗山 「うん」
南原 「あの~・・ま、二軍に復帰する時にちょっと、こうお話する機会があって電話で話をさせてもらったんですけども」
栗山 「はい」
南原 「う~ん、「どうなんですか?」と、ま、僕はファンですから「長く(ユニホームを)着てもらいたいんですけども」って言ったら、ま、日常生活の中でも、お子さんを追っかける時にもやっぱ(足に)痛みが走ってしまうような」
中西 「あぁ~」
南原 「う~ん、ま、「そういう状態」っていう、「あ、それはちょっと大変ですねぇ」、でも僕も「何かでも、代打とかでもね、こう、やってもらったら」って言ったら、「う~ん、僕はホームラン、しかも距離のあるホームランが自分の存在理由みたいなもんですから」っていうことを仰った時に、「う~ん、そうなんだな~」っていうのはありましたけども」
栗山 「(何度も頷く)」
南原 「はい」
というやり取り。
南原さんと清原選手が、電話のやり取りをするほど親しかったとは知らなかったな~。
それに、インタビューでは手紙を書いたというようなことも言ってましたし、う~む、いつの間にそんな関係になってたんだ?という感じです(笑)。
それはそれとして。
今回のインタビューでいちばん印象に残ったのは、前述しましたが清原選手の笑顔でした。
南原さんの言うように「ありがた~い顔」になっていた清原選手(笑)。
それはまるで、阿修羅が仏様になったような感じでした(笑)。
何でそんな穏やかな顔になったのかといえば、戦いの舞台から身を引いたということもあると思いますが、それに加えて「今思えばあれ(ドラフト会議)が良かったんだと思えるように、僕、今日なれたんで」という言葉を、清原選手自身が言えるような心境になったということも大きいような気がします。
今回の特集の最初には、清原選手が引退試合後の記者会見で「ホントに僕の野球人生は、最初は泣いて始まりましたけど、最後も泣きましたけど、涙の意味は全く違うと思います」と話していたVTRも流れていましたし、野球人生「憎」しかなかったという清原選手からこういう言葉を聞くことが出来、憎しみとは無縁の穏やかな笑顔を見ることが出来て、本当に良かったです。
あと、清原選手が王監督からかけられた言葉は新聞などで知ってはいましたが、清原選手の口から直接聞いたら南原さんと同様ちょっと泣いてしまいました(笑)。
涙もろい南原さんに影響されたわけではありませんが、最近は涙もろくなって困ったものです(笑)。
あ、それから、今回の取材は現代狂言の稽古真っ最中に行なわれたようで。
連日の激しい稽古の中、大阪出張&取材、本当にご苦労さまでありました。
あとは、
中山 「ホントに(清原選手と桑田投手の)伝説はいっぱいありますけども」
南原 「はい」
中山 「やっぱり日本シリーズ振り返っていく中で」
南原 「うん」
中山 「1994年の」
南原 「はい」
中山 「巨人と西武の日本シリーズ、これはもう南原さんも中西さんも栗山さんも」
南原 「うん」
中山 「大きなね、印象に残ってると思うんですけどね」
南原 「これ、あの、僕ね、たまたまそれ(KK対決を)球場で観ることが出来たんですけども」
栗山 「あぁ」
南原 「ナマを」
中山 「えぇ」
南原 「点差は開いていて、この時に「あれ?ちょっと桑田投手、これ(清原選手との)勝負にいってる」っていうのが、すぐ伝わってくるんですよ」
中山 「はい」
南原 「「え?こんな日本シリーズの大事なとこで」って思ったら、球場がザワザワザワ、ザワザワザワっとしてきて、シーンとなって、カーンと(清原選手の)ホームランです。ワーっとなって「やっぱすごいねぇ!清原選手。ま、投げた桑田投手もすごいけども」って言ったら、もう一回やってきて、「え!?(ちょっと声を裏返して)もう一回?真剣勝負すんの?」って」
中山 「えぇえぇ」
南原 「それもね、球場自体がね、もう楽しんでるんです、この二人に。固唾を呑んで見守ってたっていう、そういう記憶がありますけども」
という話もしてましたが、西武球場にKK対決を観に行った話は、『A.N.N.』でも興奮しながら南原さんが話していたのでよく憶えています(笑)。
(清原選手がゲストで出演した回の『ナンだ!?』の感想記には「ちょっと記憶があやふや」と書きましたが、その後テープを聞きなおしてちゃんと思い出しました・笑)
確か、当時の南原さんは「毎週KK対決やってくれないかなぁ」ってなことを言ってました(笑)。
それから、
中山 「ま、ホントにKK、清原さんと桑田さんと言えば、何でこんなにこの二人に魅力を感じるのか」
栗山 「うん」
中山 「日本中が」
南原 「これ何ですかねぇ」
中山 「はい」
南原 「まずひとつに、人柄だと思います」
中山 「人柄」
南原 「はい、僕、あの~『ナンだ!?』という番組やらせてもらったんですけども」
中西 「うん」
南原 「ま、数々の選手来たんですけども、いらしてくれたんですけども、こう、お土産というかですね、まず最初にお土産もらったっていう、ま、バットをね」
栗山 「バットをね、持って来てくれたんですよね」
南原 「いただいたんですけども」
栗山 「はい、実はね」
(『ナンだ!?』のオープニングで南原さんが清原選手からバットを手渡されてるVTRが流れる)
南原 「それはね」
栗山 「はい」
南原 「すごく印象的な、ビックリしたんですよ」
中山 「(『ナンだ!?』のVTRを見ながら)そう、驚いてますよね、南原さんね、見ると(笑)」
南原 「しかもオールスターでね、松坂投手、西口投手から打ったやつ(バット)をわざわざやってもらって」
中山 「へぇ~」
南原 「あ、こういう気遣いされる方なんだ!?っていうふうに思ってるんですよね」
(スタジオに置いてある"2005年オールスター・南原清隆様へ"と書かれたバットのアップ映像)
栗山 「ですから、ホントに松坂投手のサインも入っていて」
南原 「はい」
栗山 「自分のこう思い出に、大事なバットだったんですよね、あれね」
南原 「そうなんですよね、はい」
栗山 「きっとね、そうなんですよね」
南原 「それを、こうポーンと、こう初対面の僕に渡してくださった。そういう人柄なんだ、大きな人柄なんだなていう」
というやり取りも。
南原さんと清原選手が親しくなったのは『ナンだ!?』で共演してから・・なのかどうか、真偽のほどは分かりませんが、とにもかくにも、大事なバットをプレゼントされて、感激ひとしおという感じの南原さんでありました(お土産をもらったことを例に挙げて「大きな人柄」って言うのもどうなんだ?という気がしないでもありませんが(笑)。でも、大事なバットをもらって感激するのは分かりますし、そんな清原選手は太っ腹な人なのは間違いありません。それに、今回のインタビューを聞いていたら清原選手の気遣いや人柄というものが良く伝わってきました)。
それから、清原選手と桑田投手が魅力を感じる理由について南原さんは、ONの頃は世間は終身雇用で王さんも長嶋さんも巨人一筋だったけどKKの頃から世間は転職の時代に変わった、清原選手と桑田投手は終身雇用に翻弄される人たちの代弁者だったのでは、という話もしてました。
あとは、これから二人には監督としてもがんばって欲しい、清原選手は「日ハムの中田選手に期待してる」と言っていた、という話などもありつつ、
南原 「僕はね、スーパースターもそうなんですけどもね、"野球人"をつくってもらいたいですね、えぇ。えぇ、野球に生きる野球人。(清原選手と桑田投手の)二人とも野球人だったと思うんですよね」
中山 「うんうん」
南原 「うん、どこか無骨で、どこか効率的な社会からちょっと外れてるけども、自分の思ってることを突き進んで行くっていう、一途な野球人」
中西 「うん」
栗山 「"野球道"みたいな、そんなイメージですね」
南原 「えぇ、それ、時代とはね、合うか合わないか分かんないですけども、でもやっぱりそれに惹かれますよね」
栗山 「うん」
という話などもしていた、G-Talkでありました。
続いては、新人の本間アナと八木アナが、巨人戦と阪神戦をそれぞれ取材したG-Report。
スタジオのG-Messageは、南原さん、栗山さん、中西さん、本間アナと八木アナの5人で、初めて野球の取材をした感想や、中西さんと栗山さんが新人二人に選手を取材をする時のアドバイスを話したりしてました。
清原選手の引退試合が行なわれた10月1日、タクシーで京セラドームに向かう南原さん。
バックネット裏から試合を観戦していた南原さんは、王監督が清原選手に花束を渡す場面では拍手をしながら「あ~すごいねぇ~」。
清原選手が最後の打席で空振り三振をすると、右後ろで試合を観戦していた桑田さんに南原さんは視線をやりますが、桑田さんは表情を変えず無言のまま。
その後、桑田さんが南原の肩に手をかけて何か言葉をかけると南原さんは笑いながら頷き、去っていく桑田さんと握手。
そして試合終了後、球場内の通路で待っていた南原さんのところへ、大勢の記者たちとともに歩いてきた清原選手に南原さんがインタビュー。
南原 「お疲れ様でした」
清原 「あ、南原さん、(帽子を脱いで笑顔で)今日、ありがとうございました」
(握手をする二人)
南原 「ありがとうございました」
清原 「お手紙もご丁寧に」
南原 「いえいえ、もう」
清原 「(脱いだ帽子を胸にあてて)(引退の挨拶の)途中でもうパニクってですね」
南原 「あ、そうですか」
清原 「えぇ、僕も始めての経験ですから」
南原 「はい」
清原 「引退っていうものがどういうふうに自分に入ってくるのか」
南原 「あぁ」
清原 「昨日も夜、湾岸線でバーって走りながら」
南原 「湾岸線(笑)、はい」
清原 「関空まで行って往復して」
南原 「はい。あ、一人で走ったんですか」
清原 「えぇ。明日なんて喋ろうかな?明日どんな気持ちになるんだろうな?みたいな」
南原 「今日、高校球児みたいでしたね」
清原 「選手宣誓みたいでした?ハッハハハハハ」
南原 「いえいえ、高校球児みたいな声でしたよ」
清原 「あ、そうですか」
南原 「えぇ」
清原 「いや、もう途中で何を言っていいか分からなくて、「あ、金本のこと言うの忘れた」とかね」
南原 「ハッハハハ、いやいや」
清原 「ちょっと足りないところが僕の野球人生でしたね」
南原 「そんなことないですよ」
清原 「何よりもイチローがね、162試合っていう、もう、凄いシーズンを乗り切って、今年がいちばんしんどかったっていう、そのまま飛行機とび乗って僕のゲームに来てくれたっていうのがね」
南原 「人徳ですよ」
清原 「いや、これもね、仰木さんあっての・・」
南原 「もちろんそうですけど、でも人徳ですよ」
清原 「いやいや、ホントにね、あんとき仰木さんが僕に声をかけてくれなかったら、ホンっとに僕の野球人生っていうのは、ひと言で色紙に書いてくれって言われたら「憎」っていう字だけでしたね(笑)」
南原 「(笑顔で清原にちょっと近づく)」
清原 「でも、そこでホントに、野球通じて、あの・・・・つくづく思ったのは・・・打てないとか」
南原 「(無言で頷きながら話を聞く)」
清原 「そんなことはちっちゃなことですよね」
南原 「あぁ~」
清原 「もう、僕ら野球選手としてグラウンドに立てないほど残酷なことないですね。100打席ノーヒットでも残酷ですけど」
南原 「グラウンドどうでした?」
清原 「いや、もう最高でしたね」
南原 「う~ん、ヒット打ったじゃないですか今日。足・・」
清原 「いや、多分ね、右足肉離れしてるんじゃないですかね(笑)」
南原 「(ビックリしたような顔をしたあとしみじみとした感じで)ホントですか」
清原 「いや、でもホントにね、まぐれですよ」
南原 「いや、まぐれじゃないです」
清原 「(全球直球勝負だった)杉内投手がね、ねぇ、熱い男ですからね」
南原 「でもそれを引き出したんですよ」
清原 「そうっすか」
南原 「引き出したんですよ、きっと」
清原 「ホントにね、やっぱりそうやって相手がそういう球を投げてくれてる以上、やっぱり中途半端なスイングは出来ないと思うので、僕もフルスイングしますし、やっぱり数々・・投手とね、そういう対決出来たっていうのが」
南原 「(こみ上げるものを抑えるように握った左手を口元にあてながら話を聞く)」
清原 「それで桑田がネット裏にいるっていう」
南原 「(涙顔で頷きながら)ずっと観てましたよ」
清原 「うん」
(清原選手の最後の打席のあと、南原さんに声をかけて去っていく桑田投手のVTR)
南原 「ちょうど僕のすぐ後ろで桑田さんが観てたんですよ」
清原 「あ、そうですか」
南原 「はい、それで最後に「やっぱフルスイングやな」って言ってました」
清原 「ハッハハハハハ」
最初は大勢の記者とともに現れた清原選手でしたが、すぐに南原さんと二人っきり(少し離れたところに話を聞きたそうにしていた記者らしき人が数人いましたが)になって話していた清原選手。
終始笑顔で答えていた清原選手の顔と、清原選手の話を聞いて感極まった表情をしていた南原さんが印象に残ったインタビューでありました。
南原さんによるインタビューのあとは、今年引退した桑田さんと清原選手のこれまでの軌跡をVTRで紹介。
甲子園で活躍する二人の懐かしのVTRでは、「甲子園は清原のためにあるのか!」という名実況が聞けて思わず涙(笑)。
いや、このフレーズは今でも心に残る名言&名実況でありました。
あとは、当時PL学園の監督だった中村監督のインタビューや、運命のドラフト会議、初のKK対決が実現し優勝目前に清原選手が涙した1987年の日本シリーズ、そして、2度目のKK対決になった1994年の日本シリーズ第5戦の試合も紹介されていましたが、清原選手にホームランを打たれた桑田投手は、当時のインタビューで「真ん中に全力で投げた、それだけです」。
清原選手は、桑田投手を評して「(前の打席でホームラン打たれても)もう1回同じ球種同じコースに投げてくるぐらい強気のピッチャーですから」。
そんな二人の対決に、当時キャッチャーだった村田真一さんも、桑田投手が投げたがっていた清原選手得意のアウトコースのサインを出したそうで。
う~む、こういう話を聞いてると、これぞ男と男の勝負!という感じで、今さらながらゾクゾクしてしまいました(笑)。
そんな二人の対決があった後、桑田投手は右肘を怪我、清原選手はFAで巨人に移籍。
桑田投手が683日ぶりに勝利を上げた復活の試合では、清原選手が巨人移籍第一号のホームラン。
そして今年3月引退した桑田投手が、清原選手のためにバッティングピッチャーをしている様子などが紹介されたあと、引退試合で王監督から花束をもらう清原選手の映像が流れる中、「ラストゲーム、王貞治から思わぬ言葉をかけられる」というナレーションが入り、再び南原さんによるインタビュー。
清原 「僕はただ単に(王監督から)花束をもらえるだけだと思ったんですよ、試合前に」
南原 「(王監督と話してる時間が)長かったですよねぇ」
清原 「えぇ、それで、僕の目をグッと見てですね」
南原 「はい」
清原 「「今度生まれ変わったら、必ず同じチームで僕とホームラン競争しよう」」
南原 「(最初は笑い、その後感極まったような表情で何度も頷き、握った左手を口元に持っていく)」
清原 「もう、それ言われた瞬間に・・・」
南原 「(涙顔で清原選手を見ながら左手をまた口元に)」
清原 「ハッキリ言って、僕の、その・・・18歳の時にね」
南原 「(頷く)」
清原 「王さんの・・王さん今まで僕のことをね、気にかけてくれてたんだっていう、その気持ちが本当に嬉しかったですね」
南原 「(左手を口元に持っていって、何度も頷く)」
清原 「それで桑田がネット裏にいるっていう」
南原 「ずっと観てましたよ」
清原 「うん、だから今思えばあれ(ドラフト会議で桑田選手が巨人に指名され清原選手が西武に指名されたこと)が良かったんだと思えるように・・」
南原 「(笑顔で何度も頷く)」
清原 「僕、今日なれたんで」
南原 「あぁ」
南原さんによるインタビューのあと、松坂投手や渡辺久信監督、工藤投手、斉藤雅樹さんなどのインタビューコメントがあり、スタジオからG-Talk。
南原さん、栗山さん、中西さんに中山アナといういつものメンバーに加え、今回は本間アナと八木アナも参加。
まずは、
栗山 「さぁ、ナンチャン、あの」
南原 「はい」
栗山 「実際にね」
南原 「はい」
栗山 「清原選手の最後の姿を」
南原 「うん」
栗山 「グラウンドでご覧になって」
南原 「はい」
栗山 「清原選手と話をして」
南原 「はい」
栗山 「如何だったですか?」
南原 「あの~、ま、(試合が)終わってから挨拶だけっていう感じで、ま、いたんですよ」
栗山 「はい」
南原 「そしたら、こう会見が終わって来てくださって、で、ああいうインタビューになったんですけども」
中西 「うん」
南原 「10分ぐらい、こうずっと、こう喋りかけてくれるんですよね。印象的だったのはですね、非常に、こう、ま、言い方はあれですけど、憑き物が取れたみたいに穏やかなね」
中西 「うん」
南原 「もうねぇ、ありがた~い顔になってるんですよ」
中山 「うん」
南原 「破顔っていう言葉がありますけども、破れる顔と(書いて)、パカッとこう開いてね、何でも包み込むような、そういう良い表情だったのが印象的でしたね」
中西 「う~ん」
栗山 「ま、あんな表情で」
南原 「うん」
栗山 「僕も語るのは初めて、何か色々あったんだけれども」
南原 「うん」
栗山 「やること、ある程度やれたんだ、みたいなところありましたよね」
南原 「そうですね」
栗山 「話し方にね」
南原 「はい」
栗山 「うん」
南原 「あの~・・ま、二軍に復帰する時にちょっと、こうお話する機会があって電話で話をさせてもらったんですけども」
栗山 「はい」
南原 「う~ん、「どうなんですか?」と、ま、僕はファンですから「長く(ユニホームを)着てもらいたいんですけども」って言ったら、ま、日常生活の中でも、お子さんを追っかける時にもやっぱ(足に)痛みが走ってしまうような」
中西 「あぁ~」
南原 「う~ん、ま、「そういう状態」っていう、「あ、それはちょっと大変ですねぇ」、でも僕も「何かでも、代打とかでもね、こう、やってもらったら」って言ったら、「う~ん、僕はホームラン、しかも距離のあるホームランが自分の存在理由みたいなもんですから」っていうことを仰った時に、「う~ん、そうなんだな~」っていうのはありましたけども」
栗山 「(何度も頷く)」
南原 「はい」
というやり取り。
南原さんと清原選手が、電話のやり取りをするほど親しかったとは知らなかったな~。
それに、インタビューでは手紙を書いたというようなことも言ってましたし、う~む、いつの間にそんな関係になってたんだ?という感じです(笑)。
それはそれとして。
今回のインタビューでいちばん印象に残ったのは、前述しましたが清原選手の笑顔でした。
南原さんの言うように「ありがた~い顔」になっていた清原選手(笑)。
それはまるで、阿修羅が仏様になったような感じでした(笑)。
何でそんな穏やかな顔になったのかといえば、戦いの舞台から身を引いたということもあると思いますが、それに加えて「今思えばあれ(ドラフト会議)が良かったんだと思えるように、僕、今日なれたんで」という言葉を、清原選手自身が言えるような心境になったということも大きいような気がします。
今回の特集の最初には、清原選手が引退試合後の記者会見で「ホントに僕の野球人生は、最初は泣いて始まりましたけど、最後も泣きましたけど、涙の意味は全く違うと思います」と話していたVTRも流れていましたし、野球人生「憎」しかなかったという清原選手からこういう言葉を聞くことが出来、憎しみとは無縁の穏やかな笑顔を見ることが出来て、本当に良かったです。
あと、清原選手が王監督からかけられた言葉は新聞などで知ってはいましたが、清原選手の口から直接聞いたら南原さんと同様ちょっと泣いてしまいました(笑)。
涙もろい南原さんに影響されたわけではありませんが、最近は涙もろくなって困ったものです(笑)。
あ、それから、今回の取材は現代狂言の稽古真っ最中に行なわれたようで。
連日の激しい稽古の中、大阪出張&取材、本当にご苦労さまでありました。
あとは、
中山 「ホントに(清原選手と桑田投手の)伝説はいっぱいありますけども」
南原 「はい」
中山 「やっぱり日本シリーズ振り返っていく中で」
南原 「うん」
中山 「1994年の」
南原 「はい」
中山 「巨人と西武の日本シリーズ、これはもう南原さんも中西さんも栗山さんも」
南原 「うん」
中山 「大きなね、印象に残ってると思うんですけどね」
南原 「これ、あの、僕ね、たまたまそれ(KK対決を)球場で観ることが出来たんですけども」
栗山 「あぁ」
南原 「ナマを」
中山 「えぇ」
南原 「点差は開いていて、この時に「あれ?ちょっと桑田投手、これ(清原選手との)勝負にいってる」っていうのが、すぐ伝わってくるんですよ」
中山 「はい」
南原 「「え?こんな日本シリーズの大事なとこで」って思ったら、球場がザワザワザワ、ザワザワザワっとしてきて、シーンとなって、カーンと(清原選手の)ホームランです。ワーっとなって「やっぱすごいねぇ!清原選手。ま、投げた桑田投手もすごいけども」って言ったら、もう一回やってきて、「え!?(ちょっと声を裏返して)もう一回?真剣勝負すんの?」って」
中山 「えぇえぇ」
南原 「それもね、球場自体がね、もう楽しんでるんです、この二人に。固唾を呑んで見守ってたっていう、そういう記憶がありますけども」
という話もしてましたが、西武球場にKK対決を観に行った話は、『A.N.N.』でも興奮しながら南原さんが話していたのでよく憶えています(笑)。
(清原選手がゲストで出演した回の『ナンだ!?』の感想記には「ちょっと記憶があやふや」と書きましたが、その後テープを聞きなおしてちゃんと思い出しました・笑)
確か、当時の南原さんは「毎週KK対決やってくれないかなぁ」ってなことを言ってました(笑)。
それから、
中山 「ま、ホントにKK、清原さんと桑田さんと言えば、何でこんなにこの二人に魅力を感じるのか」
栗山 「うん」
中山 「日本中が」
南原 「これ何ですかねぇ」
中山 「はい」
南原 「まずひとつに、人柄だと思います」
中山 「人柄」
南原 「はい、僕、あの~『ナンだ!?』という番組やらせてもらったんですけども」
中西 「うん」
南原 「ま、数々の選手来たんですけども、いらしてくれたんですけども、こう、お土産というかですね、まず最初にお土産もらったっていう、ま、バットをね」
栗山 「バットをね、持って来てくれたんですよね」
南原 「いただいたんですけども」
栗山 「はい、実はね」
(『ナンだ!?』のオープニングで南原さんが清原選手からバットを手渡されてるVTRが流れる)
南原 「それはね」
栗山 「はい」
南原 「すごく印象的な、ビックリしたんですよ」
中山 「(『ナンだ!?』のVTRを見ながら)そう、驚いてますよね、南原さんね、見ると(笑)」
南原 「しかもオールスターでね、松坂投手、西口投手から打ったやつ(バット)をわざわざやってもらって」
中山 「へぇ~」
南原 「あ、こういう気遣いされる方なんだ!?っていうふうに思ってるんですよね」
(スタジオに置いてある"2005年オールスター・南原清隆様へ"と書かれたバットのアップ映像)
栗山 「ですから、ホントに松坂投手のサインも入っていて」
南原 「はい」
栗山 「自分のこう思い出に、大事なバットだったんですよね、あれね」
南原 「そうなんですよね、はい」
栗山 「きっとね、そうなんですよね」
南原 「それを、こうポーンと、こう初対面の僕に渡してくださった。そういう人柄なんだ、大きな人柄なんだなていう」
というやり取りも。
南原さんと清原選手が親しくなったのは『ナンだ!?』で共演してから・・なのかどうか、真偽のほどは分かりませんが、とにもかくにも、大事なバットをプレゼントされて、感激ひとしおという感じの南原さんでありました(お土産をもらったことを例に挙げて「大きな人柄」って言うのもどうなんだ?という気がしないでもありませんが(笑)。でも、大事なバットをもらって感激するのは分かりますし、そんな清原選手は太っ腹な人なのは間違いありません。それに、今回のインタビューを聞いていたら清原選手の気遣いや人柄というものが良く伝わってきました)。
それから、清原選手と桑田投手が魅力を感じる理由について南原さんは、ONの頃は世間は終身雇用で王さんも長嶋さんも巨人一筋だったけどKKの頃から世間は転職の時代に変わった、清原選手と桑田投手は終身雇用に翻弄される人たちの代弁者だったのでは、という話もしてました。
あとは、これから二人には監督としてもがんばって欲しい、清原選手は「日ハムの中田選手に期待してる」と言っていた、という話などもありつつ、
南原 「僕はね、スーパースターもそうなんですけどもね、"野球人"をつくってもらいたいですね、えぇ。えぇ、野球に生きる野球人。(清原選手と桑田投手の)二人とも野球人だったと思うんですよね」
中山 「うんうん」
南原 「うん、どこか無骨で、どこか効率的な社会からちょっと外れてるけども、自分の思ってることを突き進んで行くっていう、一途な野球人」
中西 「うん」
栗山 「"野球道"みたいな、そんなイメージですね」
南原 「えぇ、それ、時代とはね、合うか合わないか分かんないですけども、でもやっぱりそれに惹かれますよね」
栗山 「うん」
という話などもしていた、G-Talkでありました。
続いては、新人の本間アナと八木アナが、巨人戦と阪神戦をそれぞれ取材したG-Report。
スタジオのG-Messageは、南原さん、栗山さん、中西さん、本間アナと八木アナの5人で、初めて野球の取材をした感想や、中西さんと栗山さんが新人二人に選手を取材をする時のアドバイスを話したりしてました。