矢野(五味)晴美の感染症ワールド・ブログ

五味晴美の感染症ワールドのブログ版
医学生、研修医、医療従事者を中心に感染症診療と教育に関する情報還元をしています。

やはりグローバルコラボレーション

2014-11-06 10:21:13 | 医学教育
今日は、大変、光栄ですが、厚労省にてキャリア形成についてお話させて頂く機会をいただきました。

現在移動中です。内容を再度確認しながら、各地でのセミナーなどの開催通知などを見ながら、確信することがありメモします。

国内の単施設のみでの教育、トレーニングではやはりコンピテンシーの点で足りない部分が多いと感じています。
症例の多様性、マネージメントの迅速さ、特に”sense of urgency" (緊急度)の判断が大組織になるほど困難。

異動後、新天地にて、研修医の方が遭遇する症例の多様性が、システムを整えるだけでこれほど充実するのかと
感嘆しました。また自主性と責任感(professionalism)、特に条件付き意思決定(conditional independence)を含め、一定の権限を持たせ、許容範囲で意思決定し実行する自由度と責任が、初期研修医をどれほど飛躍的に
早期に”自立した医師”にするのかを目の当たりにしてきました。

それでもなお、アカデミックな点、広い視点とグローバルな視点は一施設では限界があり、多様な施設、特に国外施設、国外教官、国外研修医との切磋琢磨が、21世紀を担う医療者教育では不可欠であることを確信します。

どれほどすぐれた日本の研修病院でも”優秀な研修医”が”頭打ち”する(=これ以上その才能を伸ばせる環境がない)のが残念で、個人的には、”グローバル色”を前面に出して、コラボレーションを推進してきました。

自分自身も42歳で”入学”した医学教育の大学院がなかったら、いまの自分のキャリア展開はありえない状況です。

”ぶれない軸”(=自分も周囲も施設もグローバル化)を実践します。

追伸:
メディアの”取り上げ方”で重要度の判断を左右されないことが大切ですが、エボラは決して”沈静化”されていません。

昨夜のCNNのエボラ出血熱のスペインの看護師さんのライブインタビューは少しほっとするものでしたが、
まだまだ西アフリカ現地の対応は大変な状況のようです。