俺流俳句 「いちらくいちらく」

俳句で遊ぼ。

あなたも、優しくなれます。
          
          千秀

10/31  秋の鳥

2006年10月31日 | 俳句

『秋の鳥 ツーツーピーと 窓あたり』
(あきのとり つーつーぴーと まどあたり)

〔四十雀なのか山雀なのか、鳴き声だけではわかりませんでした。
 どちらも季節は秋でないので、秋の鳥と詠みました。〕




『秋の鳥 始終鳴いて 困らせる』
(あきのとり しじゅうないて こまらせる)




『息白く 足音弾け 露の霜』
(いきしろく あしおとはじけ つゆのしも)




『露霜の 足跡溶けて 裾濡らす』
(つゆじもの あしあととけて すそぬらす)




『残菊や まわりみな枯れ 寂しそう』
(ざんぎくや まわりみなかれ さびしそう)




『明日香旅 裾に残りし 草の絮』
(あすかたび すそにのこりし くさのわた)




『秋草や よろずは在れど 名も知らず』
(あきくさや よろずはあれど なもしらず)

〔秋草の種類は、千、万種もあるのでしょうか。
 七草もよく知らないのに。
 万葉の時代から、秋草は親しまれて来たそうです。〕




『菊月や 枚方遠く 名も遠く』
(きくづきや ひらかたとおく なもとおく)

〔関西地方では、菊と言えば枚方の菊人形がもっぱらでした。
 今年から菊人形展が無くなりました。
 枚方の呼び名も段々知られなくなるのでしょうか。〕




『通ぶりて 刺身のつまの 菊を食べ』
(つうぶりて さしみのつまの きくをたべ)




『飛鳥川 岸辺に淡く 草紅葉』
(あすかがわ きしべにあわく くさもみじ)



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10/30  人生の秋  

2006年10月30日 | 俳句

『酔い醒めて 我が人生の 秋を知る』
(よいさめて わがじんせいの あきをしる)




『荻の風 人肌戀しく 吹き寄せる』
(おぎのかぜ ひとはだこいしく ふきよせる)




『嫁いずこ 秋の朝寝に 姿消ゆ』
(よめいずこ あきのあさねに すがたきゆ)




『焼き秋刀魚 内臓食うを 通なりと』
(やきさんま ないぞうくうを つうなりと)




『秋の夜半 創る俳句は 夢の中』
(あきのよわ つくるはいくは ゆめのなか)




『近頃は 九分の狂気 秋愁う』
(ちかごろは くぶのきょうき あきうれう)




『清水の 先斗へ流る 紅葉川』
(きよみずの ぽんとへながる もみじがわ)




『秋深し 駅から見える 剣山』
(あきふかし えきからみえる つるぎやま)






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10/29  花水木

2006年10月29日 | 俳句

『花に似ず 実はピュアレッド 花水木』  
(はなににず みはぴゅあれっど はなみずき)





『葉は淡く 実は鮮やかに 花水木』
(ははあわく みはあざやかに はなみずき)





『秋深し 居心地増すや 屋台酒』
(あきふかし いごこちますや やたいざけ)





『三日月を 酔いて見たとて 満たされず』
(みかづきを よいてみたとて みたされず)





『天高く 鳥囀るに 姿なし』
(てんたかく とりさえずるに すがたなし)





『鱗雲 講義終わって 空に満つ』
(うろこぐも こうぎおわって そらにみつ)





『鱗雲 うろこ食べ食べ 鳥の飛ぶ』
(うろこぐも うろこたべたべ とりのとぶ)





『雁の列 乱れ並びて 北へ行く』
(かりのつら みだれならびて きたへいく)




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10/28  日本シリーズ

2006年10月28日 | 俳句

『日本シリーズ 新庄劇場 大団円』
(にほんしりーず しんじょうげきじょう だいだんえん)

日ハム優勝おめでとう。
新庄選手ご苦労さんでした。
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10/28  月

2006年10月28日 | 俳句

『日と月の 明るく照るや 花野道』
(ひとつきの あかるくてるや はなのみち)



『新月や ないものねだり 夜空見る』
(しんげつや ないものねだり よぞらみる)






『雲切れて ボタの頂き 月掛かる』
(くもきれて ぼたのいただき つきかかる)






『月白や 頭も白く 言も出ず』
(つきしろや あたまもしろく こともでず)






『月白は 冷やかに溶けて 崩れけり』
(つきしろは ひやかにとけて くずれけり)






『月今宵 主居ぬとも 酒はある』
(つきこよい あるじいぬとも さけはある)






『鰯雲 宙から見ても 鰯かな』
(いわしぐも そらからみても いわしかな)






『団栗は 洗ったズボンに 見つけられ』
(どんぐりは あらったずぼんに みつけられ)






『舌噛むに 絆創膏と 秋の妹』
(したかむに ばんそうこうと あきのいも)






『舌噛むに 痛いの飛んでけ 秋愁い』
(したかむに いたいのとんでけ あきうれい)


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10/27  秋の潮

2006年10月27日 | 俳句

『眼を閉じて 耳を澄ませて 秋の潮』
(めをとじて みみをすませて あきのしお)




『藁塚は 風に負けしか 靡び倒れ』
(わらづかは かぜにまけしか なびたおれ)




『蓑虫よ 蓑より出でて 我と啼け』
(みのむしよ みのよりいでて われとなけ)




『ほつれ髪 手梳かきあげ 秋時雨』
(ほつれがみ てぐしかきあげ あきしぐれ)




『赤蜻蛉 茜の空を 西方へ』
(あかとんぼ あかねのそらを さいほうへ)




『君見るや 満開なりし 萩の花』
(きみみるや まんかいなりし はぎのはな)




『好き嫌い 菊の花びら 戀占い』
(すききらい きくのはなびら こいうらない)




『菊の香や 奈良の都の 大通り』
(きくのかや ならのみやこの おおどおり)




『朋遠く 盃寂し 菊の酒』
(ともとおく さかずきさびし きくのさけ)




『君去りて 愁思の底の 切りもなく』
(きみさりて しゅうしのそこの きりもなく)


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10/26  露の身

2006年10月26日 | 俳句

『露の身も 若返りして 君を待つ』
(つゆのみも わかがえりして きみをまつ)




『君なくて 夜寒を過ごす すべあるや』
(きみなくて よさむをすごす すべあるや)




『秋風の 冷たき夜を 一人啼く』
(あきかぜの つめたきよるを ひとりなく)



『散る銀杏 落ちる銀杏 地に満ちて』
(ちるいちょう おちるぎんなん ちにみちて)



『秋時雨 ほろほろ泪 ほろ苦く』
(あきしぐれ ほろほろなみだ ほろにがく)




『そこまでが 近くて遠き 秋時雨』
(そこまでが ちかくてとおき あきしぐれ)




『野ざらしや 秋行く空に 青満ちて』
(のざらしや あきゆくそらに あおみちて)




『雁の列 月を目指して まっしぐら』
(かりのつら つきをめざして まっしぐら)


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10/25  日溜り

2006年10月25日 | 俳句

『公園の 日溜り温く 秋うらら』
(こうえんの ひだまりぬるく あきうらら) 




『秋の暮 三十路四十路と 還まぢか』
(あきのくれ みそじよそじと かんまぢか)




『桐一葉 画いてないのに しぶときや』
(きりひとは かいてないのに しぶときや)




『奈良みやげ 柿の葉寿司を もう一つ』
(ならみやげ かきのはずしを もうひとつ)




『嵐山は 秋の深みに 木も染まる』
(らんざんは あきのふかみに きもそまる)




『武庫の川 朝霧美く 息白く』
(むこのかわ あさぎりうまく いきしろく)




『新月や 恥ずかしいのか 顔見せず』
(しんげつや はずかしいのか かおみせず)




『道の端の お地蔵さんも 冬支度』
(みちのはの おじぞうさんも ふゆじたく)


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10/24  団栗

2006年10月24日 | 俳句

『ぬくもりを 持ちし団栗 妹拾う』
(ぬくもりを もちしどんぐり いもひろう)




『秋の暮 声より早く 妹来る』
(あきのくれ こえよりはやく いもきたる)




『昼の月 かすかなりとも 上機嫌』
(ひるのつき かすかなりとも じょうきげん)




『立ち止まり 落葉の色を 見定める』
(たちどまり おちばのいろを みさだめる)




『秋の午後 ほろ温かき 陽の光』
(あきのごご ほろあたたかき ひのひかり)




『柿簾 もれし光も 渋きかな』
(かきすだれ もれしひかりも しぶきかな)




『吊るし柿 熟成最中 我もまた』
(つるしがき じゅくせいさなか われもまた)




『吊るし柿 味頃食べ頃 いつなのさ』
(つるしがき みごろたべごろ いつなのさ)




『さやけしや 孫にも一生 付き合いを』
(さやけしや まごにもいっしょう つきあいを)




『我が花野 どんな花をば 咲かせよう』
(わがはなの どんなはなをば さかせよう)


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10/23  秋の風

2006年10月23日 | 俳句

『口への字 不言実行 秋の風』
(くちへのじ ふげんじっこう あきのかぜ)




『秋の暮 道行く他に すべはなし』
(あきのくれ みちゆくほかに すべはなし)




『秋深し 隣りは隣り 我は我』
(あきふかし となりはとなり われはわれ)




『我が一句 一語一語に 秋更くる』
(わがいっく いちごいちごに あきふくる)




『白菊か 愛くるしさに 溢る君』
(しらぎくか あいくるしさに あふるきみ)




『月明かり もみじの色も 濃ゆくあり』
(つきあかり もみじのいろも こゆくあり)




『木々の間に もみじ葉赤く 垣間見ゆ』
(きぎのまに もみじはあかく かいまみゆ)




『名園は 山川取り込み もみじ映ゆ』
(めいえんは やまかわとりこみ もみじはゆ)




『秋の風 日毎冷たく 頬たたく』
(あきのかぜ ひごとつめたく ほおたたく)




『渡り鳥 渡る先には 何がある』
(わたりどり わたるさきには なにがある)




『深々と 身に沁む風や 日々強く』
(しんしんと みにしむかぜや ひびつよく)




『雲流れ 色付く山は 秋まみれ』
(くもながれ いろづくやまは あきまみれ)


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10/22  石舞台

2006年10月22日 | 俳句

『霧雨に いにしえ薫る 石舞台』
(きりさめに いにしえかおる いしぶたい)




『秋たけて 古人と歩く 明日香道』
(あきたけて こじんとあるく あすかみち)




『爽けしや 天皇陵に 風通る』
(さやけしや てんのうりょうに かぜとおる)




『明日香路は 橘寺に 秋溢れ』
(あすかじは たちばなでらに あきあふれ)

                                     
                             

『菊薫る 明日香の道に 酔いしれし』
(きくかおる あすかのみちに よいしれし) 




『鳥わたる 伊予の島には 友の姉』
(とりわたる いよのしまには とものあね)




『朋あらば うどんの国の 蕎麦うまし』
(ともあらば うどんのくにの そばうまし)




『秋雨か 韓の太鼓に 涙降る』
(あきさめか かんのたいこに なみだふる)




『秋暁の まどろみゆれる 韓の国』
(しゅうぎょうの まどろみゆれる かんのくに)




『もみじ葉も 濃ゆく色ずく 韓の国』
(もみじはも こゆくいろずく かんのくに)




『韓の国 故宮を守る 大銀杏』
(かんのくに こきゅうをまもる おおいちょう)


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10/21  露

2006年10月21日 | 俳句

『石ころを 蹴飛ばし罪に 露残る』
(いしころを けとばしつみに つゆのこる)




『朝霧に 霞む社に 願かけて』
(あさぎりに かすむやしろに がんかけて)




『栗御飯 別々がよし 栗と飯』
(くりごはん べつべつがよし くりとめし)




『菊日和 罕にはしたや 墓参り』
(きくびより まれにはしたや はかまいり)




『秋愁い 追伸に見る 本音かな』
(あきうれい ついしんにみる ほんねかな)




『眼つむれば 妹の顔あり 秋の夜半』
(めつむれば いものかおあり あきのよわ)




『秋風や 酒の力で 虫治む』
(あきかぜや さけのちからで むしおさむ)



 
『秋暁や 目を灼くほどに 見つめ居り』
(しゅうぎょうや めをやくほどに みつめおり)




『秋暁に 色奪われて 彼の世かな』
(しゅうぎょうに いろうばわれて かのよかな)




『陽のあたる 花野を枕 夢を摘む』
(ひのあたる はなのをまくら ゆめをつむ)




『二人でも 一人のような 秋の暮』
(ふたりでも ひとりのような あきのくれ)


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10/20  秋の風

2006年10月20日 | 俳句

『物入りに ふところさびし 秋の風』
(ものいりに ふところさびし あきのかぜ) 



『虚空なる 夜寒の日にぞ 孫生まる』
(こくうなる よさむのひにぞ まごうまる)




『道半ば 行くあてもなき 秋の暮』
(みちなかば ゆくあてもなき あきのくれ)




『この秋は 鳥に急かされ 雲流る』
(このあきは とりにせかされ くもながる)




『野ざらしの 苔生す歌碑に 身は沁みて』
(のざらしの こけむすかひに みはしみて)




『役立たぬ 案山子のその後 案ぜられ』
(やくたたぬ かかしのそのご あんぜられ)




『銀杏を 焼きし匂いの ゼミに満つ』
(ぎんなんを やきしにおいの ぜみにみつ)




『アルバムを 閉じて開いて 秋深し』
(あるばむを とじてひらいて あきふかし)




『秋深し 孫訪問や 上の階』
(あきふかし まごほうもんや うえのかい)




『秋深し 一語に託す この愁い』
(あきふかし いちごにたくす このうれい)




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10/19  秋深し

2006年10月19日 | 俳句

『秋深し ずしりと重き 年重ね』
(あきふかし ずしりとおもき としかさね)




『秋の空 妹の笑顔の 雲流る』
(あきのそら いものえがおの くもながる)




『船に酔い ジャズに酔いし 秋の海』
(ふねによい じゃずによいし あきのうみ)




『秋の旅 朋は朋を呼び 夢は夢を』
(あきのたび ともはともをよび ゆめはゆめを)




『朝粥を 求めてならぶ 韓の秋』
(あさがゆを もとめてならぶ かんのあき)




『秋の夕 鐘の音響く 飛鳥寺』
(あきのゆう かねのねひびく あすかでら)




『金木犀 ほのかな薫り 風に乗り』
(きんもくせい ほのかなかおり かぜにのり)




『曼珠沙華 赤い色香の 燃え立つに』
(まんじゅしゃげ あかいいろかの もえたつに)




『蕎麦畑 一輪の赤 曼珠沙華』
(そばばたけ いちりんのあか まんじゅしゃげ)


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10/18  秋深し

2006年10月18日 | 俳句

『鉄橋を 潜れば保津の 秋深し』
(てっきょうを くぐればほづの あきふかし)




『松茸は 食する前に お国替え』
(まつたけは しょくするまえに おくにがえ)




『好きなのは 松より椎と やせがまん』
(すきなのは まつよりしいと やせがまん)




『川の水 冷たきほどに 水澄みし』
(かわのみず つめたきほどに みずすみし)




『茜空 黄昏せまる 駅灯り』
(あかねぞら たそがれせまる えきあかり)




『露草は 玉露宿る 愛の花』
(つゆくさは たまつゆやどる あいのはな)




『真澄鏡 照る月ととも 君映せ』
(ますかがみ てるつきととも きみうつせ)




『つぶらなる 君の瞳に 夢の月』
(つぶらなる きみのひとみに ゆめのつき)


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