俺流俳句 「いちらくいちらく」

俳句で遊ぼ。

あなたも、優しくなれます。
          
          千秀

冬紅葉

2008年11月30日 | 俳句

『小六月 地球の裏は 梅雨だとさ』
(ころくがつ ちきゅうのうらは つゆだとさ)

『侘助の 意を冠したる わびとさび』
(わびすけの いをかんしたる わびとさび)



          故 坂井紀夫君に捧ぐ。

『冬紅葉 同期の訃報 色濃ゆく』
(ふゆもみじ どうきのふほう いろこゆく)

『散る紅葉 心は散らず 偲ぶのみ』
(ちるもみじ こころはちらず しのぶのみ)

『坂下り 桜紅葉の 井の中へ』
(さかくだり さくらもみじの いのなかへ)

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寝酒

2008年11月29日 | 俳句

『小春日や 吾子のスナップ 勇者男振り』
(こはるびや あこのすなっぷ ますらおぶり)

『短日に 心は長く なりにけり』
(たんじつに こころはながく なりにけり)

『ぶつくさと ブーツの倒れ 直す僕』
(ぶつくさと ぶーつのたおれ なおすぼく)

『寒鯉の 寒さ忘れて 弾けけり』
(かんごいの さむさわすれて はじけけり)

『寝酒切れ 韓流ビデオの 世話になる』
(ねざけきれ かんりゅうびでおの せわになる)

『大根の 辛さにあった 秋刀魚かな』
(だいこんの からさにあった さんまかな)

『今朝の冬 咳声喉に 山の神』
(けさのふゆ せきこえのどに やまのかみ)

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皸(あかぎれ)

2008年11月28日 | 俳句

『上から下 イロハ紅葉の 色模様』
(じょうからげ いろはもみじの いろもよう)

『新月と 聞いて降るらし 冬の雨』
(しんげつと きいてふるらし ふゆのあめ)

『柿喰えば 今日は甘さの 足らざるに』
(かきくえば きょうはあまさの たらざるに)

『皸と 聞いて手を見る 悪い癖』
(あかぎれと きいててをみる わるいくせ)

『三時まで 待てぬ年なり 冬日向』
(さんじまで まてぬとしなり ふゆひなた)

『三度ある 落馬のシーン 年の内』
(さんどある らくばのしーん としのうち)

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マスク

2008年11月27日 | 俳句

『このマスク 我と外界を 遮断せし』
(このますく われとげかいを しゃだんせし)

『西半分 桜紅葉の 散り急ぐ』
(にしはんぶん さくらもみじの ちりいそぐ)

『明星は 銀杏並木の 向こう側』
(みょうじょうは いちょうなみきの むこうがわ)

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石蕗の花

2008年11月26日 | 俳句

『黄昏て 金の小鳥の 銀杏散る』
(たそがれて きんのことりの いちょうちる)

『銀杏散り 黄の絨毯 敷きつめし』
(いちょうちり きのじゅうたん しきつめし)

『ひたむきに 咲く茶の花の ちらほらと』
(ひたむきに さくちゃのはなの ちらほらと)

『忌心を 忘れまじとて 石蕗の花』
(きごころを わすれまじとて つわのはな)

『小春日や 夢の最後に 吾子の顔』
(こはるびや ゆめのさいごに あごのかお)


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冬の雨

2008年11月25日 | 俳句

『冬時雨 いつも別れの 泪雨』
(ふゆしぐれ いつもわかれの なみだあめ)

『目覚めると そこは時雨れて 名古屋駅』
(めざめると そこはしぐれて なごやえき)

『冬の雨 トンネル抜けても やはり雨』
(ふゆのあめ とんねるぬけても やはりあめ)

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冬の墓

2008年11月24日 | 俳句

『青と白 空を二分して 冬澄みし』
(あおとしろ そらをにぶして ふゆすみし)

『陽を浴びて 山茶花光る 窓の下』
(ひをあびて さざんかひかる まどのした)

『枯れし木に 黒き実を咲かす 冬の鳥』
(かれしきに くろきみをさかす ふゆのとり)

『声明に 囀り加え 冬の午後』
(しょうみょうに さえずりくわえ ふゆのごご)

『読経も もみじの色も 掠れけり』
(どきょうも もみじのいろも かすれけり)

『白髪に 涙を加え 冬の墓』
(はくはつに なみだをくわえ ふゆのはか)

『小春日に 成してうれしや 七回忌』
(こはるびに なしてうれしや しちかいき)

『青き空 心も澄んで 冬暖か』
(あおきそら こころもすんで ふゆあたたか)

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落葉掃き

2008年11月23日 | 俳句

『出て判る 冬の浦和の 東口』
(でてわかる ふゆのうらわの ひがしぐち)

『口捻じり 口耳四寸 隙間風』
(くちねじり こうじよんすん すきまかぜ)

『神の留守 小鷺戯れ 鵜も混じり』
(かみのるす こさぎたわむれ うもまじり)

『落葉踏む 明日香の道に 古の音色』
(おちばふむ あすかのみちに このねいろ)

『石蕗の黄に 思いを馳せる 女が居て』
(つわのきに おもいをはせる ひとがいて)

『落葉とも 風とも遊ぶ 妹ありき』
(おちばとも かぜともあそぶ いもありき)

『落葉掃き しばし休めよ きりがない』
(おちばはき しばしやすめよ きりがない)

『枯草の 音を楽しむ 妹が居て』
(かれくさの おとをたのしむ いもがいて)

『何時会える 望み薄きや 暮早し』
(いつあえる のぞみうすきや くれはやし)

『何思う 小春日和の 小一日』
(なにおもう こはるびよりの こいちにち)

『鋤焼も 残してしまう 年となり』
(すきやきも のこしてしまう としとなり)

『立ち食いの 天ぷらうどん 夕時雨』
(たちぐいの てんぷらうどん ゆうしぐれ)

『羊雲 ぽつんぽつんと 冬の空』
(ひつじぐも ぽつんぽつんと ふゆのそら)

『言葉にも 顔をも卑し 今朝の冬』
(ことばにも かおをもいやし けさのふゆ)

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冬の旅

2008年11月22日 | 俳句

『冬時雨 止むを待てずに 旅に出る』
(ふゆしぐれ やむをまてずに たびにでる)

『冬の吾子 二十日違いの 誕生日』
(ふゆのあこ はつかちがいの たんじょうび)

『見送りの 桜紅葉の 眩しけれ』
(みおくりの さくらもみじの まぶしけれ)

『我が桜 さくのが好きで 冬に咲き』
(わがさくら さくのがすきで ふゆにさき)

『もももよし さくらもまたよし 冬に咲け』
(もももよし さくらもまたよし ふゆにさけ)

『我が座席 小さく感じる 冬の旅』
(わがざせき ちいさくかんじる ふゆのたび)

『冬の旅 あれは富士山 雲がかる』
(ふゆのたび あれはふじさん くもがかる)

『温暖化 紅葉や遅し 山緑』
(おんだんか もみじやおそし やまみどり)

『冬霞 冨士は雲の ターバンを』
(ふゆがすみ ふじはくもの たーばんを)

『紅葉より 枯木と思える 山々よ』
(もみじより かれきとおもえる やまやまよ)

『品作る 車掌の礼に 心凍る』
(しなつくる しゃしょうのれいに こころこおる)

『メタボには 暖房きつし 冬の汗』
(めたぼには だんぼうきつし ふゆのあせ)

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冬菫

2008年11月21日 | 俳句

『柿喰えば 甘さ拡がり 限がなし』
(かきくえば あまさひろがり きりがなし)

『柿落葉 瓦に残り 渋き鬼』
(かきおちば かわらにのこり しぶきおに)

『冬菫 女はやさしと 言うけれど』
(ふゆすみれ おんなはやさしと いうけれど)

『石垣に 咲く根性の 冬菫』
(いしがきに さくこんじょうの ふゆすみれ)

『冬眠の はじまりなのか 眠り惚け』
とうみんの はじまりなのか ねむりほけ)

『初雪の ニュースちらほら 冬は来ぬ』
(はつゆきの にゅーすちらほら ふゆはきぬ)

『陽の光 さみしさ漂う 冬の午後』
(ひのひかり さみしさただよう ふゆのごご)

『便りなく 十と七日 過ぎし冬』
(たよりなく じゅうとしちひ すぎしふゆ)

『冬旱 口は災い 地で行けり』
(ふゆひでり くちはわざわい ぢでゆけり)

『己が身の 意識の内外 冬旱』
(おのがみの いしきのうちそと ふゆひでり)

『冬旱 出る宰相毎に 不快増す』
(ふゆひでり でるひとごとに ふかいます)

『己が身の 意識の内外 冬旱』
(おのがみの いしきのうちそと ふゆひでり)

『出身の 判らぬ落葉 世に多し』
(しゅっしんの わからぬおちば よにおおし)

『道の端に 寄す学生の 落葉掃き』
(みちのはに よすがくせいの おちばはき)

『やっと来た 神有月の 気休めが』
(やっときた かみあづきの きやすめが)

『嫁の留守 寝酒の進む 昨日今日』
(よめのるす ねざけのすすむ きのうきょう)

『嫁の留守 酒は多めの たまご酒』
(よめのるす さけはおおめの たまござけ)

『嫁の留守 独り気になる 隙間風』
(よめのるす ひとりきになる すきまかぜ)

『嫁の留守 日向ぼっこも 気乗りせず』
(よめのるす ひなたぼっこも きのりせず)

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冬旱

2008年11月20日 | 俳句

『マスクから 洩れる息白く 息を止め』
(ますくから もれるいきしろく いきをとめ)

『映りせし 我が沁み顔や 冬旱』
(うつりせし わがしみがおや ふゆひでり)

『地下鉄の 軋み音軽く 冬の昼』
(ちかてつの きしみねかるく ふゆのひる)

『冬車内 座れば眠る サラリーマン』
(ふゆしゃない すわればねむる さらりーまん)

『前の席 七女侍 冬旱』
(まえのせき ななめさむらい ふゆひでり)

『これからも 女の時代や 冬旱』
(これからも おんなのじだいや ふゆひでり)

『目覚めれば 女男や 冬旱』
(めざめれば おんなおとこや ふゆひでり)

『神仏 品も知も無き 神無月』
(かみほとけ ひんもちもなき かんなづき)

『メタボ症 冬服合わず 腹を見る』
(めたぼしょう ふゆふくあわず はらをみる)

『嫁の留守 何にもできず 湯豆腐に』
(よめのるす なんにもできず ゆどうふに)

『嫁の留守 冷蔵庫の 柿旨し』
(よめのるす れいぞうこの かきうまし)

『ふく鍋の 忘年会の 二つあり』
(ふくなべの ぼうねんかいの ふたつあり)

『黄の渋み 増して散りけり 石蕗の花』
(きのしぶみ ましてちりけり つわのはな)

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通勤

2008年11月19日 | 俳句

『冬ホーム タバコ吸う女 偉ぶりて』
(ふゆほーむ たばこすうひと えらぶりて)

『占いは 座れて吉と 冬の朝』
(うらないは すわれてきちと ふゆのあさ)

『駅吊りに 見とれしふく鍋 てっちりと』
(えきつりに みとれしふくなべ てっちりと)

『河豚雑炊 食べてる夢の 壊れけり』
(ふぐぞうすい たべてるゆめの こわれけり)

『ピーヒョロロ 駅のホームで 啼く千鳥』
(ぴーひょろろ えきのほーむで なくちどり)

『いと易く 回送となりし 冬電車』
(いとやすく かいそうとなりし ふゆでんしゃ)

『冬の陽の 当たるマンション 東向き』
(ふゆのひの あたるまんしょん ひがしむき)

『最後尾 人まばらにして 冬陽溢る』
(さいこうび ひとまばらにして ふゆひあふる)

『冬の陽を 背に受けたり 顔に受け』
(ふゆのひを せなにうけたり かおにうけ)

『立ち並ぶ ホームの人の 冬景色』
(たちならぶ ほーむのひとの ふゆげしき)

『かわゆくば 乗り続けたし 冬電車』
(かわゆくば のりつづけたし ふゆでんしゃ)

『水木の葉 枯れなんとして 朽ちし紅』
(みずきのは かれなんとして くちしべに)

『まぶしさを しあわせと感ず 冬の朝』
(まぶしさを しあわせとかんず ふゆのあさ)

『冬の日に くしゃみ三回 ごあいさつ』
(ふゆのひに くしゃみさんかい ごあいさつ)

『舟漕ぎて 大海原へ 冬の旅』
(ふねこぎて おおうなばらへ ふゆのたび)

『柿喰えば 鐘も止むなり 東大寺』
(かきくえば かねもやむなり とうだいじ)

『冬の道 キンキン声の 中学生』
(ふゆのみち きんきんごえの ちゅうがくせい)

『今夜から 寒くなるぞと 風の吹く』
(こんやから さむくなるぞと かぜのふく)

『正面に 冬の太陽 帰路急ぐ』
(しょうめんに ふゆのたいよう きろいそぐ)

『ハグしてる 冬の電車で ハグしてる』
(はぐしてる ふゆのでんしゃで はぐしてる)

『綿雲や 竜頭蛇尾の 冬の雲』
(わたぐもや りゅうとうだびの ふゆのくも)

『雨雲の 生駒を覆い 時雨そう』
(あまぐもの いこまをおおい しぐれそう)

『冬空も 女心か 雨を呼び』
(ふゆぞらも おんなごころか あめをよび)

『西は射し 東は雨雲 冬眩し』
(にしはさし ひがしはあまぐも ふゆまぶし)

『まぶしさも ひとかたならぬ 冬の暮』
(まぶしさも ひとかたならぬ ふゆのくれ)

『この地球 壊れたごとき 冬の女』
(このちきゅう こわれたごとき ふゆのひと)

『遅延一分 ラーメン三分 露の間よ』
(ちえんいっぷん らーめんさんぷん つゆのまよ)

『しり上がり 野口車掌の 冬の声』
(しりあがり のぐちしゃしょうの ふゆのこえ)

『冬の女 ブーツの紐が 気に掛かる』
(ふゆのひと ぶーつのひもが きにかかる)

『此の冬は 何が楽しや 我が俳句』
(このふゆは なにがたのしや わがはいく)

『恋してる 戀に恋して 冬の暮』
(こいしてる こいにこいして ふゆのくれ)

『我に来い 冬の蜜蜂 蜜の味』
(われにこい ふゆのみつばち みつのあじ)

『六十の 歳の差なんて 冬の戀』
(ろくじゅうの としのさなんて ふゆのこい)

『冬の雲 上と下とで 陽と陰』
(ふゆのくも うえとしたとで ようといん)

『忘られし 冬の風鈴 滲む寒さ』
(わすられし ふゆのふうりん しむさむさ)

『腹出ても 孕みじゃないよ 冬雀』
(はらでても はらみじゃないよ ふゆすずめ)

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式部

2008年11月18日 | 俳句

『限界だ 遅延一時間 冬の朝』
(げんかいだ ちえんいちじかん ふゆのあさ)

『大人しき 日本人ばかり 冬の朝』
(おとなしき にほんじんばかり ふゆのあさ)

『事故も無き 遅延ならばと 許す冬』
(じこもなき ちえんならばと ゆるすふゆ)

『花水木 葉の赤々しきに 実もありて』
(はなみずき はのあかあかしきに みもありて)

『何と聞く 枝垂れ桜の 葉のもみじ』
(なんときく しだれざくらの はのもみじ)

『キーキーと鳴く 椋鳥らしき 冬の鳥』
(きーきーとなく むくどりらしき ふゆのとり)

『雲の間の 白く眩しく 冬の陽の』
(くものまの しろくまぶしく ふゆのひの)

『この冬は 気も若返る 子守かな』
(このふゆは きもわかがえる こもりかな)

『眠くなる 眠くなるぞと 冬列車』
(ねむくなる ねむくなるぞと ふゆれっしゃ)

『目も開かぬ 目も開けられぬ 冬の女』
(めもあかぬ めもあけられぬ ふゆのひと)

『逢いたくて ただ会いたくて 冬の朝』
(あいたくて ただあいたくて ふゆのあさ)

『蘆山寺の 歌碑の作者は 式部なり』
(ろざんじの かひのさくしゃは しきぶなり)

『マフラーの 巻き方教えよ 冬の女』
(まふらーの まきかたおしえよ ふゆのひと)

『冬の陽の 頭三分の 光りけり』
(ふゆのひの あたまさんぶの ひかりけり)

『冬の陽の 光の強き 尻四分』
(ふゆのひの ひかりのつよき しりよんぶ)

『めぐり逢う 式部のゆかり 戀はじめ』
(めぐりあう しきぶのゆかり こいはじめ)

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真澄鏡

2008年11月17日 | 俳句

『草の露 光当たれば 光るもの』
(くさのつゆ ひかりあたれば ひかるもの)

『真澄鏡 眺め見つれば 冬澄みし』
(まそかがみ ながめみつれば ふゆすみし)
真澄鏡=心の鏡(?)

『散る木の葉 とめどなく舞い 降り積もる』
(ちるこのは とめどなくまい ふりつもる)

『銀杏散る 永久に散るごと 地は黄色』
(いちょうちる とわにちるごと ちはきいろ)

『木々の色 紅葉の色の 冬めけり』
(きぎのいろ もみじのいろの ふゆめけり)

『松の枝 龍頭に見えて 暮れ早し』
(まつのえだ りゅうずにみえて くれはやし)

『小春日に 人生語る 顔が在り』
(こはるびに じんせいかたる かおがあり)

『冬の旅 こうありたやな 光る顔』
(ふゆのたび こうありたやな ひかるかお)

『傘も無き 我に時雨て 何になる』
(かさもなき われにしぐれて なんになる)

『傘有れど 開く気はなし 冬時雨』
(かさあれど ひらくきはなし ふゆしぐれ)

『何やらも 済むごとまたも おでん鍋』
(なにやらも すむごとまたも おでんなべ)

『冬の華 寺の女官に 一目ぼれ』
(ふゆのはな てらのにょかんに ひとめぼれ)


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契沖・紫式部

2008年11月16日 | 俳句

尼崎の契沖研究会の行事に参加させていただき、紫式部の京都のゆかりの地を訪れた。

『女の園 楓紅葉の アーケード』
(おんなのその かえでもみじの あーけーど)

『冬の陽は 曇りガラスの 向こう側』
(ふゆのひは くもりがらすの むこうがわ)

『契沖と 式部の夢乗せ 冬の都へ』
(けいちゅうと しきぶのゆめのせ ふゆのとへ)

『小春日や 瞼の裏は 赤青と』
(こはるびや まぶたのうらは あかあおと)

『冬の陽は くさめの元か 眩しけれ』
(ふゆのひは くさめのもとか まぶしけれ)

『十二単衣 着れば若さが 京の冬』
(じゅうにひとえ きればわかさが きょうのふゆ)

『手作りの 楓紅葉の うすなさけ』
(てづくりの かえでもみじの うすなさけ)

『枝垂れてる 桜紅葉の 冬支度』
(しだれてる さくらもみじの ふゆじたく)

『楓紅葉 てっぺん程に 色付いて』
(かえでもみじ てっぺんほどに いろづいて)

『見上げれば 紅葉時雨の 色黒き』
(みあげれば もみじしぐれの いろくろき)

『暮れる陽を 目に焼き付けて 京の冬』
(くれるひを めにやきつけて きょうのふゆ)

『二条城 冬の夕陽に 燃えている』
(にじょうじょう ふゆのゆうひに もえている)

『もみじ葉の 色を辿れば 碧い空』
(もみじばの いろをたどれば あおいそら)

『透き通る 空の青さよ 冬の晴』
(すきとおる そらのあおさよ ふゆのはれ)

『雲掛かる 夕日を浴びて 冬の旅』
(くもかかる ゆうひをあびて ふゆのたび)

『レンズ越し 光るあなたは 赤のまま』
(れんずごし ひかるあなたは あかのまま)

『陽を追って 行きつ帰りつ 冬の旅』
(ひをおって いきつかえりつ ふゆのたび)

『金色の 一面の空 冬茜』
(こんじきの いちめんのそら ふゆあかね)

『正面に 夕陽を据えて 冬のバス』
(しょうめんに ゆうひをすえて ふゆのばす)

『桂川 二秒で過ぎし 冬の凪』
(かつらがわ にびょうですぎし ふゆのなぎ)

『暮泥み 旅情増して 紅葉散る』
(くれなずみ りょじょうまして もみじちる)

『もみじ葉の 紅強ければ 緑欲し』
(もみじはの べにつよければ みどりほし)

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