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俺流俳句 「いちらくいちらく」

俳句で遊ぼ。

あなたも、優しくなれます。
          
          千秀

桃雀

2007年01月31日 | 俳句

『飾るなら 冬の椿よ 桃雀』
(かざるなら ふゆのつばきよ ももすずめ)

『冬旱 高い見識 生む機械』
(ふゆひでり たかいけんしき うむきかい)

『ちゃんこ鍋 力士ならずとも 腹の出て』
(ちゃんこなべ りきしならずとも はらのでて)

『春隣 娘と乾杯 缶酎ハイ』
(はるどなり むすめとかんぱい かんちゅうはい)

『凍て窓に 君の名浮いて 汽笛鳴る』
(いてまどに きみのなういて きてきなる)

『舌噛んで 思い出したり 妹の冬』
(したかんで おもいだしたり いものふゆ)

『寒の夜 鼾の響きに 友笑う』
(かんのよる いびきのひびきに ともわらう)

『屠蘇気分 到に抜けたり 春隣』
(とそきぶん とうにぬけたり はるどなり)

『冬暖簾 馴染の定番 コップ酒』
(ふゆのれん なじみのていばん こっぷざけ)

『死ぬまでに 食べれるおでん 数えけり』
(しぬまでに たべれるおでん かぞえけり)

梅、桜

2007年01月30日 | 俳句

『春近し 梅に桜に 話咲く』
(はるちかし うめにさくらに はなしさく)

『鴛鴦は 付かず離れず 妻、夫』
(おしどりは つかずはなれず つま、おっと)

『冬の空 今日は降るかな 娘来る』
(ふゆのそら きょうはふるかな むすめくる)

『納豆の 糸引く先に 夢世界』
(なっとうの いとひくさきに ゆめせかい)

『ふるさとの 唄の聞こえて 春間近』
(ふるさとの うたのきこえて はるまぢか)

『世も末か 暖冬異変 ここかしこ』
(よもすえか だんとういへん ここかしこ)

冬籠り

2007年01月29日 | 俳句

『会うまでは 心に椿 冬籠り』
(あうまでは こころにつばき ふゆごもり)

『貴きや 墨、筆更に 寒の水』
(とうときや すみ、ふでさらに かんのみず)

『正月も 過ぎてしまえば それだけよ』
(しょうがつも すぎてしまえば それだけよ)

『過ぎにけり 過ぎ行きにけり 冬正月』
(すぎにけり すぎゆきにけり ふゆしょうがつ)

『二人見し 煌めく星座 オリオン座』
(ふたりみし きらめくせいざ おりおんざ)

『妹遊ぶ 今年の雪は いかならん』
(いもあそぶ ことしのゆきは いかならん)

『納豆の 痩せ商売に 効薄し』
(なっとうの やせしょうばいに こううすし)

『冬の国 美しと言えば あべこべよ』
(ふゆのくに うつくしといえば あべこべよ)

『冬半ば 花鳥風月 愚なりしや』
(ふゆなかば かちょうふうげつ ぐなりしや)

『旅の湯に 浸かりて落とす 冬の垢』
(たびのゆに つかりておとす ふゆのあか)

『冬散歩 二日坊主で 嫁失笑』
(ふゆさんぽ ふつかぼうずで よめしっしょう)

『木枯らしよ 妹の匂いを 付けて吹け』
(こがらしよ いものにおいを つけてふけ)

寒の水

2007年01月28日 | 俳句

『寒の水 墨磨るほどに 気の白く』
(かんのみず すみするほどに きのしろく)

『墨磨るに 青き色見え 春隣』
(すみするに あおきいろみえ はるどなり)

『山川に 色を探して 春を待つ』
(やまかわに いろをさがして はるをまつ)

『水仙花 その芯の黄に 吸い込まれ』
(すいせんか そのしんのきに すいこまれ)

『酔いて見る 白膳黄盃 水仙花』
(よいてみる はくぜんこうばい すいせんか)

『鴨の陣 休む間も無く 大移動』
(かものじん やすむまもなく だいいどう)

『寒の鯉 陰ある所 姿見ゆ』
(かんのこい かげあるところ すがたみゆ)

『枯木立 彼方に朝陽 赤く燃え』
(かれこだち かなたにあさひ あかくもえ)

『冬日向 妹の写真に 泣き笑い』
(ふゆひなた いものしゃしんに なきわらい)

『寒の雨 手の平翳し 首窄め』
(かんのあめ てのひらかざし くびすぼめ)

『霜の道 足を浮かせて 宮参り』
(しものみち あしをうかせて みやまいり)

『霜露の 朝陽を浴びて きらめけり』
(しもつゆの あさひをあびて きらめけり)

2007年01月27日 | 俳句

『山茶花は 土に花びら 敷き並べ』
(さざんかは つちにはなびら しきならべ)

『山茶花は 彩り褪せて 庭の隅』
(さざんかは いろどりあせて にわのすみ)

『寒暁や 蛸釣り舟の 港出る』
(かんぎょうや たこつりぶねの みなとでる)

『冬日向 頬伝う風の ひんやりと』
(ふゆひなた ほおつたうかぜの ひんやりと)

『水仙花 色香ほどほど 寂しげに』
(すいせんか いろかほどほど さびしげに)

『水仙の 色香に惑い 魅せられて』
(すいせんの いろかにまどい みせられて)

『水仙の 狂い咲きけり 戀岬』
(すいせんの くるいざきけり こいみさき)

『水仙を 挿して一服 また二服』
(すいせんを さしていっぷく またにふく)

『色付きて 戀などせしや 寒牡丹』
(いろづきて こいなどせしや かんぼたん)

『日溜りに ふくら雀の 集まりし』
(ひだまりに ふくらすずめの あつまりし)

水仙花

2007年01月26日 | 俳句

『凛々と 一輪挿しの 水仙花』
(りんりんと いちりんざしの すいせんか)

『水仙の 香り懐かし 君が影』
(すいせんの かおりなつかし きみがかげ)

『朝焼けに 光る雲の下 冬散歩』
(あさやけに ひかるくものした ふゆさんぽ)

『木の上で 目白が数羽 日向ぼこ』
(きのうえで めじろがすうわ ひなたぼこ)

『寒鴉 逆光の中 白く飛ぶ』
(かんがらす ぎゃっこうのなか しろくとぶ)

『見上げれば 機影もキラリ 冬の空』
(みあげれば きえいもきらり ふゆのそら)

『この温さ とても冬とは 思えなん』
(このぬくさ とてもふゆとは おもえなん)


戀渡る

2007年01月25日 | 俳句

『戀渡る 千遍の限り 春を待つ』
(こいわたる ちたびのかぎり はるをまつ)

『暖冬の 柔らかき風 心延ぶ』
(だんとうの やわらかきかぜ こころのぶ)

『白壁に 涙で書きし 冬の戀』
(しらかべに なみだでかきし ふゆのこい)

『寒暁の 雲重なりて 気も重く』
(かんぎょうの くもかさなりて きもおもく)


冬日和

2007年01月24日 | 俳句

『冬日和 何もせぬのに 膝軋み』
(ふゆびより なにもせぬのに ひざきしみ)

『呼吸忘れ 身も心をも 冬旱』
(こきゅうわすれ みもこころをも ふゆひでり)

『暖冬に 寒さ恋しき 昨日今日』
(だんとうに さむさこいしき きのうきょう)

『空青く 鴉も啼いて 春隣』
(そらあおく からすもないて はるどなり)

冬桃花

2007年01月23日 | 俳句

『腹の出て 孕み鳥やら 寒雀』
(はらのでて はらみどりやら かんすずめ)

『垣根越し うなじの色香 水仙花』
(かきねごし うなじのいろか すいせんか)

『孫メール 百日祝の 冬桃花』
(まごめーる ももかいわいの ふゆとうか)

『写メールに 重さ感じる 冬の孫』
(しゃめーるに おもさかんじる ふゆのまご)

そのまんま東風

2007年01月22日 | 俳句

『寒ければ 寒さを友に 冬半ば』
(さむければ さむさをともに ふゆなかば)

『冬菊は 影を纏いて つつましく』
(ふゆぎくは かげをまといて つつましく)

『枯山は 何を期待して 歩かんや』
(かれやまは なにをきたいして あるかんや)

『葉牡丹の 流す泪の 一滴』
(はぼたんの ながすなみだの ひとしずく)

『枯野にて 朝に生まれ 夕に死す』
(かれのにて あしたにうまれ ゆうにしす)

『そのまんま 東風吹く季節 冬日向』
(そのまんま こちふくきせつ ふゆひゅうが)

冬の雨

2007年01月21日 | 俳句


『冬の雨 なりそでならぬ 雪催』
(ふゆのあめ なりそでならぬ ゆきもよい)

『冬の風 頬に優しく 気も温く』
(ふゆのかぜ ほおにやさしく きもぬるく)

『浮寝鳥 隊列組んで 波静か』
(うきねどり たいれつくんで なみしずか)

『寒鴉 一声啼いて 夜の明ける』
(かんがらす ひとこえないて よのあける)

『冬旱 嫁の寝坊も まあいいか』
(ふゆひでり よめのねぼうも まあいいか)

『冬の陽の 高くなるほど 元気出る』
(ふゆのひの たかくなるほど げんきでる)

大寒

2007年01月20日 | 俳句

『冴え冴えと 大寒の日に 朔の月』
(さえざえと だいかんのひに さくのつき)

『やっとまあ 二十日正月 遅速あり』
(やっとまあ はつかしょうがつ ちそくあり)

『雲間より 冬陽の射して 足軽く』
(くもまより ふゆひのさして あしかるく)

『春を待つ 啼く鳥聞こえ 沁む心』
(はるをまつ なくとりきこえ しむこころ)

『蝋梅の 変わらぬ香り 君を待つ』
(ろうばいの かわらぬかおり きみをまつ)

『今日も見る 冬日の色の 瑞々し』
(きょうもみる ふゆびのいろの みずみずし)

『冬ざれて うれしかなしや 妹の声』
(ふゆざれて うれしかなしや いものこえ)


『冬鏡 若さを問えば 無言なり』
(ふゆかがみ わかさをとえば むごんなり)

『この寒さ 大寒と言えど 三月並み』
(このさむさ だいかんといえど さんがつなみ)

『雪ん子や 雪は降らねど 夢の中』
(ゆきんこや ゆきはふらねど ゆめのなか)

『寝て起きて 夢は六花の 華の咲く』
(ねておきて ゆめはりっかの はなのさく)


『妹の声 心ほろほろ 北の雪』
(いものこえ こころほろほろ きたのゆき)

山茶花

2007年01月19日 | 俳句

『山茶花は 散った下にも 花が咲く』
(さざんかは ちったしたにも はながさく)

『山茶花の 散りし花びら 赤絨毯』
(さざんかの ちりしはなびら あかじゅうたん)

『どこを向く 山茶花上を 椿下』
(どこをむく さざんかうえを つばきした)

『冬の虹 橋の向こうは 妹のとこ』
(ふゆのにじ はしのむこうは いものとこ)

『窓映る 冬日の丸さに 安堵する』
(まどうつる ふゆびのまるさに あんどする)

『枯野には 轍の跡の あるばかり』
(かれのには わだちのあとの あるばかり)

『朔の月 見る心持ち 冬半ば』
(さくのつき みるこころもち ふゆなかば)

『朔の月 見透かす先は いまだ冬』
(さくのつき みすかすさきは いまだふゆ)

『水仙の 三、四本の たくましき』
(すいせんの さん、よんほんの たくましき)

『水仙の 白と黄と緑 清で純』
(すいせんの しろときとみどり せいでじゅん)

震災忌

2007年01月18日 | 俳句


『震災忌 鎮魂の雨 冬の街』
(しんさいき ちんこんのあめ ふゆのまち)

『見るでなく 見える世界ぞ 初霞』
(みるでなく みえるせかいぞ はつがすみ)

『馥郁と 素心蝋梅 春近し』
(ふくいくと そしんろうばい はるちかし)

『彷徨うは 枯野の犬の 魂や』
(さまようは かれののいぬの たましいや)


『息乱れ 足の縺れて 冬半ば』
(いきみだれ あしのもつれて ふゆなかば)

『葩餅 とろり味噌味 冬の味』
(はなびらもち とろりみそあじ ふゆのあじ)

『機関車の 煙たなびき 枯野行く』
(きかんしゃの けむりたなびき かれのゆく)

『ほどほどの 幸せ香る 雪中花』
(ほどほどの しあわせかおる せっちゅうか)

『一滴 涙こぼれて 冬菫』
(ひとしずく なみだこぼれて ふゆすみれ)

『冬鳥の 籠もれる生命の ありがたさ』
(ふゆどりの こもれるいのちの ありがたさ)

おらが冬

2007年01月17日 | 俳句

『聞き飽きし 団塊の世代 冬旱』
(ききあきし だんかいのせだい ふゆひでり)

『前髪の 乱れ気にせず 冬旱』
(まえがみの みだれきにせず ふゆひでり)

『窓に見る 青天の空 冬低し』
(まどにみる せいてんのそら ふゆひくし)

『味噌汁は 豆腐につきる 冬の卓』
(みそしるは とうふにつきる ふゆのたく)

『冬の暖 赤外ヒータ 表裏』
(ふゆのだん せきがいひーた おもてうら)

『冬二人 遠く離れて 春を待つ』
(ふゆふたり とおくはなれて はるをまつ)

『冬の月 今月今夜 月探す』
(ふゆのつき こんげつこんや つきさがす)

『冴え冴えと 澄みたる空に 寒の月』
(さえざえと すみたるそらに かんのつき)

『寒椿 落ちて示せり 武士の道』
(かんつばき おちてしめせり ぶしのみち)

『おらが冬 喜怒哀楽も 中くらい』
(おらがふゆ きどあいらくも ちゅうくらい)