『日と月の 明るく照るや 花野道』
(ひとつきの あかるくてるや はなのみち)
『新月や ないものねだり 夜空見る』
(しんげつや ないものねだり よぞらみる)
『雲切れて ボタの頂き 月掛かる』
(くもきれて ぼたのいただき つきかかる)
『月白や 頭も白く 言も出ず』
(つきしろや あたまもしろく こともでず)
『月白は 冷やかに溶けて 崩れけり』
(つきしろは ひやかにとけて くずれけり)
『月今宵 主居ぬとも 酒はある』
(つきこよい あるじいぬとも さけはある)
『鰯雲 宙から見ても 鰯かな』
(いわしぐも そらからみても いわしかな)
『団栗は 洗ったズボンに 見つけられ』
(どんぐりは あらったずぼんに みつけられ)
『舌噛むに 絆創膏と 秋の妹』
(したかむに ばんそうこうと あきのいも)
『舌噛むに 痛いの飛んでけ 秋愁い』
(したかむに いたいのとんでけ あきうれい)