俺流俳句 「いちらくいちらく」

俳句で遊ぼ。

あなたも、優しくなれます。
          
          千秀

涼風

2007年07月31日 | 俳句

『涼風に 触れてうきうき 心浮く』
(すずかぜに ふれてうきうき こころうく)

『涼風の さわさわと鳴き 木々揺れる』
(すずかぜの さわさわとなき きぎゆれる)

『涼風に 汗の臭いも 吹き飛びぬ』
(すずかぜに あせのにおいも ふきとびぬ)

『涼風の 道路に沿って 来たりけり』
(すずかぜのどうろにそって きたりけり)

『涼風の 窓を開ければ 入り来る』
(すずかぜの まどをあければ はいりくる)

『その花は 蔓日日草と 教えられ』
(そのはなは つるにちにちそうと おしえられ)

『夏盛り 花鳥多く 名も知らぬ』
(なつさかり かちょうおおく なもしらぬ)

『満月も 曇る宰相 涙雨』
(まんげちも くもるさいそう なみだあめ)

法師蝉

2007年07月30日 | 俳句

『それ見よや 美し日本 夏旱』
(それみよや うつくしにっぽん なつひでり)

『法師蝉 遠慮しいしい 鳴いてはる』
(ほうしぜみ えんりょしいしい ないてはる)

『家出れば のうぜんかずら 咲き乱れ』
(いえでれば のうぜんかずら さきみだれ)

『朝顔の 濃い紫に 嫁不満』
(あさがおの こいむらさきに よめふまん)

御礼 掲句四千句達成

2007年07月29日 | ごあいさつ


本日、掲句4000句を達成しました。
 これも皆様のご支援の賜物と感謝しております。
 今後は、皆勤賞・五千句を目指して頑張る所存です。
 ご指導・ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。
                         千秀

夕立

2007年07月29日 | 俳句

『日日草 日々新しく 咲くばかり』
(にちにちそう ひびあたらしく さくばかり)
                   =4000

『蝉時雨 ひと間の静寂 底深く』
(せみしぐれ ひとまのしじま そこふかく)

『日盛りに 視線上ぐれば 世は白く』
(ひざかりに しせんあぐれば よはしろく)

『風に揺る 木槿の花の 芯強く』
(かぜにゆる むくげのはなの しんつよく)

『朝焼けや 梢の緑 朱に染めて』
(あさやけや こずえのみどり しゅにそめて)

『揚羽蝶 気軽に飛べり 風は友』
(あげはちょう きがるにとべり かぜはとも)

『夕立や その雨音に 期待して』
(ゆうだちや そのあまおとに きたいして)

日本劣化

2007年07月28日 | 俳句

『目覚ましの 役目果たすや 蝉時雨』
(めざましの やくめはたすや せみしぐれ)

『蝉時雨 いつもの騒音 気にならず』
(せみしぐれ いつものそうおん きにならず)

『晴天や 雲無き空や 夏盛り』
(せいてんや くもなきそらや なつさかり)

『カラとした 焼け付く暑さの 心地よさ』
(からとした やけつくあつさの ここちよさ)

『もう一つ もう一つとて 夏の句難』
(もうひとつ もうひとつとて なつのくなん)

『お隣の 扇子の風を 期待して』
(おとなりの せんすのかぜを きたいして)

『見上げれば 高速道より 蝉の声』
(みあげれば こうそくどうより せみのこえ)

『あの花は 何かと聞かば 立葵』
(あのはなは なにかときかば たちあおい)

『明け易き 日本劣化の 兆し有り』
(あけやすき にほんれっかの きざしあり)

『草苺 好みし妹の 匂いする』
(くさいちご このみしいもの においする)

『昼寝する 長枕には 我一人』
(ひるねする ながまくらには われひとり)

『紫蘇ジュース 気持ち頂き 飲み残し』
(しそじゅーす きもちいただき のみのこし)
                      =3999

蝉の声

2007年07月27日 | 俳句

『金糸梅 しぶとく長く 咲きにけり』
(きんしばい しぶとくながく さきにけり)

『道の端の お地蔵さんも 汗まみれ』
(みちのはの おじぞうさんも あせまみれ)

『通学路 一際険し 蝉の声』
(つうがくろ ひときわけわし せみのこえ)

『まだ暑し 一雨さっと 降りしかど』
(まだあつし ひとあめさっと ふりしかど)

天神祭

2007年07月26日 | 俳句

『耳障り ミンミンワシワシ 血が騒ぐ』
(みみざわり みんみんわしわし ちがさわぐ)

『満員バス 生徒溢れて 夏旱』
(まんいんばす せいとあふれて なつひでり)

『今日もまた 浴衣の女の 見つけられ』
(きょうもまた ゆかたのひとの みつけられ)

『浴衣女 天神祭りと 覚えけり』
(ゆかたびと てんじんまつりと おぼえけり)

浴衣女

2007年07月25日 | 俳句

『淀の川 暑くなりそな 凪の川』
(よどのかわ あつくなりそな なぎのかわ)

『夏旱 遅延放送 耳にタコ』
(なつひでり ちえんほうそう みみにたこ)

『晴天の 空の青さに 夏感ず』
(せいてんの そらのあおさに なつかんず)

『駅降りて 日差しきついと 蝉の鳴く』
(えきおりて ひざしきついと せみのなく)

『窓からは 西日の差して 夏盛り』
(まどからは にしびのさして なつさかり)

『浴衣女 電車に下駄の 不釣合い』
(ゆかたびと でんしゃにげたの ふつりあい)

『吊り輪持つ 肩肘黒き 浴衣女』
(つりわもつ かたひじくろき ゆかたびと)

夏気分

2007年07月24日 | 俳句

『取り返す 真夏の天気 嫁元気』
(とりかえす まなつのてんき よめげんき)

『夏の陽も 雲に陰りて 柔らかく』
(なつのひも くもにかげりて やわらかく)

『窓に見る 木々の揺らぎに 夏の陽を』
(まどにみる きぎのゆらぎに なつのひを)

『地下鉄の ホームの写真 夏の空』
(ちかてつの ほーむのしゃしん なつのそら)

『明日までも あると思うな 片蔭は』
(あすまでも あるとおもうな かたかげは)

『どうしようも 言い様も無き 夏の女』
(どうしようも いいようもなき なつのひと)

『大暑を 説明する女 暑苦し』
(たいしょを せつめいするひと あつくるし)

『さっと来て さっと座るは 夏三十路』
(さっときて さっとすわるは なつみそじ)

『三十路とは 軽く五十路は 暑苦し』
(みそじとは かるくいそじは あつくるし)

『新の付く 名前の駅の 夏旱』
(しんのつく なまえのえきの なつひでり)

『四年振り ほろ酔い気分 夏気分』
(よねんぶり ほろよいきぶん なつきぶん)

『ほろ酔いの 気分の中に 夏休み』
(ほろよいの きぶんのなかに なつやすみ)

『口開けて 睡る男子の 夏旱』
(くちあけて ねむるおとこの なつひでり)

『女が先 女は強し 夏の午後』
(あまがさき おんなはつよし なつのごご)

『見るからに 夏の気分の 女が居て』
(みるからに なつのきぶんの ひとがいて)

夏休み

2007年07月22日 | 俳句

『俤や 夕顔の君 夢に見ん』
(おもかげや ゆうがおのきみ ゆめにみん)

『夕顔に お出迎えされ 気も和み』
(ゆうがおに おでむかえされ きもなごみ)

『何もかも 想定外や 夏旱』
(なにもかも そうていがいや なつひでり)

『火取虫 票取り虫 我は無視』
(かとりむし ひょうとりむし われはむし)
   火取虫=蛾

『片蔭を 選んで子犬 睡りおり』
(かたかげを えらんでこいぬ ねむりおり)

『冷奴 食欲そそる 生姜あり』
(ひややっこ しょくよくそそる しょうがあり)

『一杯の コーヒーでする 昼寝かな』
(いっぱいの こーひーでする ひるねかな)

『気散じや 韓流ドラマ 夢で見る』
(きさんじや かんりゅうどらま ゆめでみる)

『泥遊び 水遊びみな 夢涼し』
(どろあそび みずあそびみな ゆめすずし)

『行水を 好みし妹の 水飛沫』
(ぎょうずいを このみしいもの みずしぶき)

『目に残る 線香花火の 咲き具合』
(めにのこる せんこうはなびの さきぐあい)

『Yシャツの 右肩甲骨 汗の跡』
(わいしゃつの みぎけんこうこつ あせのあと)

『今日から 夏休みかと 空を見る』
(きょうから なつやすみかと そらをみる)

いまだ梅雨

2007年07月21日 | 俳句

『みんみんの 合唱聞きて 出勤す』
(みんみんの がっしょうききて しゅっきんす)

『山を越え 鉄塔竹の子 西東』
(やまをこえ てっとうたけのこ にしひがし)

『サービスの クーラー効き過ぎ 膝の毒』
(さーびすの くーらーききすぎ ひざのどく)

『幾重にも 重なり霞む 夏生駒』
(いくえにも かさなりかすむ なついこま)

『ついに出た 乗り過ぎちゃった 夏電車』
(ついにでた のりすぎちゃった なつでんしゃ)

『窓越しに 柳花、ヨミウル 夏化粧』
(まどごしに ゆうふぁ、よみうる なつげしょう)
     注)柳花:韓国ドラマ 「朱蒙」[高句麗建国の王]の主人公の母
       ヨミウル:        神宮の女官

       
『車窓より 見えし夏女 異邦人』
(しゃそうより みえしなつおんな いほうじん)

『窓走る 雨筋数本 嫌な梅雨』
(まどはしる あますじすうほん いやなつゆ)

『大阪を 暗黒とする 梅雨の雲』
(おおさかを あんこくとする つゆのくも)

『梅雨の雨 本降り前に 我が家まで』
(つゆのあめ ほんぶりまえに わがやまで)

吉永小百合?

2007年07月20日 | 俳句

『夏の夕 花鳥諷詠 黄泉の国』
(なつのゆう かちょうふうえい よみのくに)

『按摩器で 極楽までの 昼寝する』
(あんまきで ごくらくまでの ひるねする)

『夏怒濤 飛沫の割れて 青き空』
(なつどとう しぶきのわれて あおきそら)

『梅雨明けの 宣言待たず 明けている』
(つゆあけの せんげんまたず あけている)

『茄子の花 花を愛せば 実も美味く』
(なすのはな はなをあいせば みもうまく)

『無駄の無き 薄紫の 茄子の花』
(むだのなき うすむらさきの なすのはな)

『扇子女 風にそよぐや ほつれ髪』
(せんすびと かぜにそよぐや ほつれがみ)

『涼しげな 女優の写真 壁紙に』
(すずしげな じょゆうのしゃしん かべがみに)

『涼しさは 鼻にかかりし その声に』
(すずしさは はなにかかりし そのこえに)

『その顔に 惹かれ見惚れて ああ小百合』
(そのかおに ひかれみとれて ああさゆり)

『七つの子 泣く時は好し 草苺』
(ななつのこ なくときはよし くさいちご)

『凛然と 豁然として 桔梗咲く』
(りんぜんと かつぜんとして ききょうさく)

入道雲

2007年07月19日 | 俳句

『久々に 夏の陽射しを 受け止めて』
(ひさびさに なつのひざしを うけとめて)

『アラジンの 魔人の如き 夏の雲』
(あらじんの まじんのごとき なつのくも)

『入道雲 見ている内に 目が痛く』
(にゅうどうぐも みているうちに めがいたく)

『太陽に 向かって夏の 行き帰り』
(たいように むかってなつの いきかえり)

『学び舎に ミンミン鳴きて 世は盛り』
(まなびやに みんみんなきて よはさかり)

『鉄塔の 電線の先に 夏があり』
(てっとうの でんせんのさきに なつがあり)

『入道雲 幾重も重なり 憂さ晴らし』
(にゅうどうぐも いくえもかさなり うさばらし)

『空蝉の 残り香さえも 軽やかに』
(うつせみの のこりがさえも かろやかに)

『すいすいと 軽く泳ぐよ あめんぼう』
(すいすいと かるくおよぐよ あめんぼう)

『雨蛙 遠慮は要らぬ 顔を出せ』
(あまがえる えんりょはいらぬ かおをだせ)

『ぽつぽつと 夕菅の花 灯りけり』
(ぽつぽつと ゆうすげのはな ともりけり)

団塊の華

2007年07月18日 | 俳句

『窓見れば 鯰のごとき 剃り残り』
(まどみれば なまずのごとき そりのこり)

『鴉の子 三羽勝手に 騒ぎおり』
(からすのこ さんばかってに さわぎおり)

『雲白く 夏の盛りとは 言い難し』
(くもしろく なつのさかりとは いいがたし)

『晩餐は 連日連夜 冷奴』
(ばんさんは れんじつれんや ひややっこ)

『薄揚羽 花の周りを 揺れている』
(うすあげは はなのまわりを ゆれている)

『夕顔を 寂びしと詠めば 日の暮れて』
(ゆうがおを さびしとよめば ひのくれて)

『髪洗い 神の御加護の 薄きこと』
(かみあらい かみのごかごの うすきこと)

『昔なら 汗は男の 勲章よ』
(むかしなら あせはおとこの くんしょうよ)

『散れば咲く 団塊の華 百日紅』
(ちればさく だんかいのはな さるすべり)

『喧騒に 雨音無くて 安堵の夏』
(けんそうに あまおとなくて あんどのなつ)

『同窓の 四十有余年 明易し』
(どうそうの しじゅうゆうよねん あけやすし)

『暑き女 屈みし度に 見え隠れ』
(あつきひと かがみしたびに みえかくれ)