俺流俳句 「いちらくいちらく」

俳句で遊ぼ。

あなたも、優しくなれます。
          
          千秀

竹の秋

2009年04月30日 | 俳句

『生駒山 緑の山に 竹の秋』
(いこまやま みどりのやまに たけのあき)

『あすなろも ひのきを真似て 春落葉』
(あすなろも ひのきをまねて はるおちば)

『金融に 豚インフルと キランソウ』
(きんゆうに ぶたいんふると きらんそう)
              キランソウ=金瘡小草=地獄の釜の蓋


昭和の日

2009年04月29日 | 俳句

『昭和の日 平静に見て もの哀し』
(しょうわのひ へいせいにみて ものかなし)

『惜春や ともに唄いし 孫電話』
(せきしゅんや ともにうたいし まごでんわ)

『青き空 屋根に泳ぎし 鯉幟』
(あおきそら やねにおよぎし こいのぼり)

『春の昼 歩道橋にも 人の影』
(はるのひる ほどうきょうにも ひとのかげ)

『春の昼 胃凭れの因 スパゲッティ』
(はるのひる いもたれのいん すぱげってぃ)

『若葉風 光があれば 歩も進み』
(わかばかぜ ひかりがあれば ほもすすみ)

『さわさわと 若葉風吹く 空青し』
(さわさわと わかばかぜふく そらあおし)

『春風の どこにでもある やさしさよ』
(はるかぜの どこにでもある やさしさよ)

『本降りに なる前に帰る 春の雨』
(ほんぶりに なるまえにかえる はるのあめ)

『上の階 走る音して 連休だ』
(うえのかい はしるおとして れんきゅうだ)

『初鰹 土産喜ぶ 義父の夢』
(はつがつお みやげよろこぶ ちちのゆめ)


花躑躅

2009年04月28日 | 俳句

『線路脇 角刈りに去れし 花躑躅』
(せんろわき かくがりにされし はなつつじ)

『内よりも 外に見せたき 花躑躅』
(うちよりも そとにみせたき はなつつじ)

『姦しい 春の女の 喧し』
(かしましい はるのおんなの かまびすし)

『天気予報 信ずればああ 春の雨』
(てんきよほう しんずればああ はるのあめ)

『葉桜の 緑眩しく 淋しさの』
(はざくらの みどりまぶしく さみしさの)

『着れば暑く 脱げばちと寒 春の服』
(きればあつく ぬげばちとさむ はるのふく)

『居酒屋の おでんに見つく 春ゆうべ』
(いざかやの おでんにみつく はるゆうべ)



葉桜

2009年04月27日 | 俳句

『燕来る 鉄塔の下 我がものに』
(つばめくる てっとうのした わがものに)

『初燕 飛び来る道は 風の筋』
(はつつばめ とびくるみちは かぜのすじ)

『老いの目は 春のうららに 泪かな』
(おいのめは はるのうららに なみだかな)

『行く春や まだまだ寒し 酒の欲し』
(ゆくはるや まだまださむし さけのほし)
                 =9500

『葉桜に 花などいらぬ その緑』
(はざくらに はななどいらぬ そのみどり)
                 =9501


春の雨

2009年04月26日 | 俳句

『春昼や 雨がなければ よいものを』
(しゅんちゅうや あめがなければ よいものを)

『若葉雨 義母の散歩に ちと辛し』
(わかばあめ ははのさんぽに ちとつらし)

『鶺鴒の 若葉青葉の 中を飛ぶ』
(せきれいの わかばあおばの なかをとぶ)

『ふらここの 錆を示すか 音軋む』
(ふらここの さびをしめすか おときしむ)

『雨雲に 逆らいて泥む 春の暮』
(あまぐもに さからいてなずむ はるのくれ)

『回転が 出前となりて 春の雨』
(かいてんが でまえとなりて はるのあめ)

『行く春や ほろ酔い気分 金の週』
(ゆくはるや ほろよいきぶん きんのしゅう)

『葉桜の 下を潜りて 出勤す』
(はざくらの したをくぐりて しゅっきんす)

『この四月 吾子の来ざりて 永かりき』
(このしがつ あこのこざりて ながかりき)

『世襲の子 人情知らず 春朧』
(せしゅうのこ にんじょうしらず はるおぼろ)



2009年04月25日 | 俳句

『石段の 若葉の影に 花躑躅』
(いしだんの わかばのかげに はなつつじ)

『我が周り 附かず離れず 春鶺鴒』
(わがまわり つかずはなれず はるせきれい)

『新月に 雨となりても 今だ春』
(しんげつに あめとなりても いまだはる)

『要黐 垣根の中に 光あり』
(かなめもち かきねのなかに ひかりあり)

『八重に咲く 山吹の黄の 色濃ゆし』
(やえにさく やまぶきのきの いろこゆし)

『春麗 駅の時計の 遅刻する』
(はるうらら えきのとけいの ちこくする)

『薄揚羽 忘れた筈の 古傷の』
(うすあげは わすれたはずの ふるきずの)

『雨雲の 裾に茜の 春の暮』
(あまぐもの すそにあかねの はるのくれ)

『裸をば 非難の大臣 虻大臣』
(はだかをば ひなんのだいじん あぶだいじん)

『何様ぞ 弱きに強き 虻の声』
(なにさまぞ よわきにつよき あぶのこえ)



櫻若葉

2009年04月24日 | 俳句

『口笛に 答える故なく 百千鳥』
(くちぶえに こたえるゆえなく ももちどり)

『潜り行く 桜若葉の トンネルを』
(くぐりゆく さくらわかばの とんねるを)

『駅ホーム 桜若葉の 緑色』
(えきほーむ さくらわかばの みどりいろ)

『下り際の 季節外れの 冷房車』
(おりぎわの きせつはずれの れいぼうしゃ)

『藤棚や まだまだ月は 出ぬそうな』
(ふじだなや まだまだつきは でぬそうな)

『春日なる 藤の下がりて 地を這えり』
(かすがなる ふじのさがりて ちをはえり)



椿落つ

2009年04月23日 | 俳句

『此岸にも 余情ありげに 椿落つ』
(しがんにも よじょうありげに つばきおつ)

『椿落つ 紅の色 そのままに』
(つばきおつ くれないのいろ そのままに)

『椿落つ 鴉はカアーと 鳴くばかり』
(つばきおつ からすはかあーと なくばかり)

『紅白に 咲き分けて咲く 花水木』
(こうはくに さきわけてさく はなみずき)

『紅白の 花水木蕊は 緑なす』
(こうはくの はなみずきしべは みどりなす)


落椿

2009年04月22日 | 俳句

『落椿 地に落ちて尚 咲きにけり』
(おちつばき ちにおちてなお さきにけり)

『落椿 地に足着けて 二度目咲く』
(おちつばき ちにあしつけて にどめさく)

『目が行くは 落花の椿 乱れ咲き』
(めがゆくは らっかのつばき みだれざき)

『落椿 そぼ降る雨も 哀しげに』
(おちつばき そぼふるあめも かなしげに)

『落椿 まだまだ息の あるような』
(おちつばき まだまだいきの あるような)

『落椿 雌蘂の黄色 我が目射る』
(おちつばき めしべのきいろ わがめいる)

『落椿 川を下りて 何伝う』
(おちつばき かわをくだりて なにつたう)

『散り行くも 天を見上げし 落椿』
(ちりゆくも てんをみあげし おちつばき)


小手毬

2009年04月21日 | 俳句

『うらめしや 小手毬の白く 手招きぬ』
(うらめしや こでまりのしろく てまねきぬ)

『軒かすめ 燕飛び去る 一羽二羽』
(のきかすめ つばめとびさる いちわにわ)

『牡丹桜 葉緑半分 雨の中』
(ぼたんざくら はみどりはんぶん あめのなか)

『雨濡れし 牡丹桜の 野崎道』
(あめぬれし ぼたんざくらの のざきみち)

『雨の中 生駒の山の 若葉色』
(あめのなか いこまのやまの わかばいろ)

『春雨に 差すも差さぬも 気の次第』
(はるさめに さすもささぬも きのしだい)

『梅雨気分 市に近づきて 暗くなり』
(つゆきぶん しにちかづきて くらくなり)

『独り言 携帯の声 百千鳥』
(ひとりごと けいたいのこえ ももちどり)


花水木

2009年04月20日 | 俳句

『絮飛びし 背高タンポポ 林立す』
(わたとびし せたかたんぽぽ りんりつす)

『花つつじ 溢れ出るほど 顔を出し』
(はなつつじ あふれでるほど かおをだし)

『我が街は 辻辻ごとに 花つつじ』
(わがまちは つじつじごとに はなつつじ)

『花水木 桜若葉の 横に咲く』
(はなみずき さくらわかばの よこにさく)

『花水木 淡き紅 艶のあり』
(はなみずき あわきくれない いろのあり)


日永

2009年04月19日 | 俳句

『戀薊 棘の痛さの 身に沁みて』
(こいあざみ とげのいたさの みにしみて)

『従弟らの 寄り集まりて 百千鳥』
(いとこらの よりあつまりて ももちどり)

『手に取れば 牡丹桜に 重みあり』
(てにとれば ぼたんざくらに おもみあり)

『義母の来て のんびりなりぬ 日永かな』
(ははのきて のんびりなりぬ ひながかな)


落花

2009年04月18日 | 俳句

『膝枕 頭の上に 落花あり』
(ひざまくら あたまのうえに らっかあり)

『ぐい呑みに 浮きし落花を いとし飲む』
(ぐいのみに うきしらっかを いとしのむ)

『竹箒 隙間を通る 落花かな』
(たけぼうき すきまをとおる らっかかな)


春の風・風邪

2009年04月17日 | 俳句

『春の風 隣の国にも 春の風』
(はるのかぜ となりのくににも はるのかぜ)

『春風に 負けじと飛び来る 海かもめ』
(はるかぜに まけじととびくる うみかもめ)

『歩を早め 勢い増して 春の風』
(ほをはやめ いきおいまして はるのかぜ)

『春の風 纏わるほどの 髪もなく』
(はるのかぜ まつわるほどの かみもなく)

『春の風邪 中々治らぬ 春の風邪』
(はるのかぜ なかなかなおらぬ はるのかぜ)

『治らねば 死ぬまで引くか 春の風邪』
(なおらねば しぬまでひくか はるのかぜ)


飛花落花

2009年04月16日 | 俳句

『先の無い 少なき髪に 飛花落花』
(さきのない すくなきかみに ひからっか)

『飛花落花 来年またと 願い見る』
(ひからっか らいねんまたと ねがいみる)

『飛花落花 ふんわりふわり 漂えり』
(ひからっか ふんわりふわり ただよえり)

『飛花落花 栄枯盛衰 世の習い』
(ひからっか えいこせいすい よのならい)

『飛花落花 飛んでも落ちても 花は華』
(ひからっか とんでもおちても はなははな)

『飛花落花 飛鳥の川の 道案内』
(ひからっか あすかのかわの みちあんない)

『妹居れば 飛花落花を 追いかけん』
(いもおれば ひからっかを おいかけん)

『緑なす 苔むす石に 飛花落花』
(みどりなす こけむすいしに ひからっか)

『学び舎は 掃除が大変 飛花落花』
(まなびやは そうじがたいへん ひからっか)

『飛花落花 花筏となりて 安心す』
(ひからっか はないかだとなりて あんしんす)