俺流俳句 「いちらくいちらく」

俳句で遊ぼ。

あなたも、優しくなれます。
          
          千秀

五月果つ

2009年05月31日 | 俳句

『五月果つ 待ちうけしもの 梅雨なるか』
(ごがつはつ まちうけしもの つゆなるか)

『野歩けば 妹の好みし 草苺』
(のあるけば いものこのみし くさいちご)

『雨降ると 言うが如くに 蟇蛙』
(あめふると いうがごとくに ひきがえる)

『今いずこ 蝦蟇の口上 掠れ声』
(いまいずこ がまのこうじょう かすれごえ)

『落語家の 作り笑いの 薄暑かな』
(らくごかの つくりわらいの はくしょかな)

『サングラス 長所欠点 すべて消す』
(さんぐらす ちょうしょけってん すべてけす)

『鬼瓦 啼いているのか 夕立に』
(おにがわら ないているのか ゆうだちに)

『汗ばむや メタボの腹の やるせなさ』
(あせばむや めたぼのはらの やるせなさ)

『紫陽花や 色とりどりも 葉は緑』
(あじさいや いろとりどりも ははみどり)

『薫風に 揺れて鳳凰 羽ばたけり』
(くんぷうに ゆれてほうおう はばたけり)
                  =9797

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

美女柳

2009年05月30日 | 俳句

『歩き出す 山の向こうに 夏の雲』
(あるきだす やまのむこうに なつのくも)

『道沿いの 青葉若葉に 元気出て』
(みちぞいの あおばわかばに げんきでて)

『山の辺の 道を辿れば 麦の秋』
(やまのべの みちをたどれば むぎのあき)

『麦秋や 笑いこぼれる 老夫婦』
(ばくしゅうや わらいこぼれる ろうふうふ)

『青き空 みどりの山に 麦の秋』
(あおきそら みどりのやまに むぎのあき)

『夕立ちや 帰りを急ぎ 漕ぐペダル』
(ゆうだちや かえりをいそぎ こぐぺだる)

『石段を 登るを拒む 白雨かな』
(いしだんを のぼるをこばむ はくうかな)
                白雨=夕立

『石庭に 雨跡刻む 白雨かな』
(せきていに あまあときざむ はくうかな)

『かたつむり 行きと帰りで 違ってる』
(かたつむり いきとかえりで ちがってる)

『夕立ちや 凄味利かせて 鬼瓦』
(ゆうだちや すごみきかせて おにがわら)

『昼寝好き 三度の飯より 昼寝好き』
(ひるねずき さんどのめしより ひるねすき)

『雨に濡れ 艶も増したり 美女柳』
(あめにぬれ つやもましたり びじょやなぎ)

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

若葉風

2009年05月29日 | 俳句

『前過る 太りし椋鳥 夏の影』
(まえよぎる ふとりしむくどり なつのかげ)

『雲隠れ 月は見えねど 羅か』
(くもがくれ つきはみえねど うすもの)

『退職後 ビヤガーデンの風 懐かしく』
(たいしょくご びやがーでんのかぜ なつかしく)

『水遊び 水掛け合って 汗となる』
(みずあそび みずかけあって あせとなる)

『麦の秋 パンと言うより ビールだね』
(むぎのあき ぱんというより びーるだね)

『若葉風 止まりて入る 昼電車』
(わかばかぜ とまりてはいる ひるでんしゃ)

『若葉風 背には光が 射している』
(わかばかぜ せなにはひかりが さしている)

『すがすがし 足湯に入れば 若葉風』
(すがすがし あしゆにいれば わかばかぜ)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

萼紫陽花(がくあじさい)

2009年05月28日 | 俳句

『冷奴 醤油の効きて 厚く食ぶ』
(ひややっこ しょうゆのききて あつくたぶ)

『夏に入るや 咳声喉の 赤信号』
(げにいるや せきこえのどの あかしんごう)

『萼紫陽花 薄紅ひいて 垣の内』
(がくあじさい うすべにひいて かきのうち)



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鯉幟

2009年05月27日 | 俳句

『葉桜の 淡き緑に 明日を見て』
(はざくらの あわきみどりに あすをみて)

『夏の月 明日は三日月 見れるやら』
(なつのつき あすはみかづき みれるやら)

『三日月に 明日の予報は 夏の雨』
(みかづきに あすのよほうは なつのあめ)

『旧暦の 五月の節句 鯉幟』
(きゅうれきの ごがつのせっく こいのぼり)

『シャボン玉 吹くには吹くの 訳ありて』
(しゃぼんだま ふくにはふくの わけありて)

『青き空 五月の鳶の 輪を描いて』
(あおきそら ごがつのとびの わをかいて)

『一日は 卯の花腐し 昼寝時』
(いちにちは うのはなくたし ひるねどき)

『新緑や 昼寝も三度 夜は長し』
(しんりょくや ひるねもさんど よはながし)

『雲を見て この夏楽しく なりそうな』
(くもをみて このなつたのしく なりそうな)

『夏座敷 池の向こうの 新世界』
(なつざしき いけのむこうの しんせかい)


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

戀薊

2009年05月26日 | 俳句

『鉄塔に 椋鳥の居て 薄暑かな』
(てっとうに むくどりのいて はくしょかな)

『汗拭い 砂州二つ渡って 平等院』
(あせぬぐい さすふたつわたって びょうどういん)

『卯の花の 匂う垣根の 花曇り』
(うのはなの におうかきねの はなぐもり)

『五月の夜 己が余生 いかばかり』
(ごがつのよ おのれがよせい いかばかり)

『水琴窟 仄かに聞こゆ 涼風が』
(すいきんくつ ほのかにきこゆ すずかぜが)

『葉桜や 水面煌めく 川の筋』
(はざくらや みなもきらめく かわのすじ)

『葉桜の 向こうに見えし 赤い実の』
(はざくらの むこうにみえし あかいみの)

『金色の 色波揺れて 麦の秋』
(こんじきの いろなみゆれて むぎのあき)

『三輪からの 風受け今日も 麦の秋』
(みわからの かぜうけきょうも むぎのあき)

『麦の秋 穂を見て乾く 喉のあり』
(むぎのあき ほをみてかわく のどのあり)

『離れても 想い届けよ 戀薊』
(はなれても おもいとどけよ こいあざみ)

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

金魚掬い

2009年05月25日 | 俳句

『水音は 地の底より 竹の秋』
(みずおとは ちのそこより たけのあき)

『雨雫 受けし瓦に 苔清水』
(あめしずく うけしかわらに こけしみず)

『料理屋の 暗き灯りの 蟻地獄』
(りょうりやの くらきあかりの ありじごく)

『客来れば 好きでもないのに 豆の飯』
(きゃくくれば すきでもないのに まめのめし)

『休日は 終わったけれど 寝冷えして』
(きゅうじつは おわったけれど ねびえして)

『シャボン玉 吹いても吹いても 誰も居ず』
(しゃぼんだま ふいてもふいても だれもいず)

『隅追いは 金魚掬いの 禁じ手に』
(すみおいは きんぎょすくいの きんじてに)

『金魚飼う 心知れずや 肥満と死』
(きんぎょかう こころしれずや ひまんとし)

『葉桜が 屯している 駅の前』
(はざくらが たむろしている えきのまえ)

『ぼうたんは ボタンと崩る 音のして』
(ぼうたんは ぼたんとくずる おとのして)


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

栗の花

2009年05月24日 | 俳句

『明日からは 普通の生活 風薫る』
(あすからは ふつうのせいかつ かぜかおる)

『降る降らぬ どちらか教えて 夏の雲』
(ふるふらぬ どちらかおしえて なつのくも)

『そこまでの 散歩で日焼け 年の功』
(そこまでの さんぽでひやけ としのこう)

『衣替え する前壊れし 洗濯機』
(ころもがえ するまえこわれし せんたくき)

『名を聞けば 思い募りし 初鰹』
(なをきけば おもいつのりし はつがつお)
 
『栗の花 見向きもされず 今年また』
(くりのはな みむきもされず ことしまた)

『蕎麦饂飩 素麵よりも 冷し麦』
(そばうどん そうめんよりも ひやしむぎ)

『洛南の 宇治の山々 若葉色』
(らくなんの うじのやまやま わかばいろ)

『川べりの 式部の像の 薄暑かな』
(かわべりの しきぶのぞうの はくしょかな)

『鳶が知る 五月の風の 風の筋』
(とびがしる ごがつのかぜの かぜのすじ)

『白玉を 好きな女が居て まず抹茶』
(しらたまを すきなひとがいて まずまっちゃ)

『新茶には これまた合いし 葛切の』
(しんちゃには これまたあいし くずきりの)

『茶を挽きし 機械の揺れに 身も揺れて』
(ちゃをひきし きかいのゆれに みもゆれて)


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

万緑

2009年05月23日 | 俳句

今日、宇治へ行ってきました。

『万緑の 原泉なるや 宇治の川』
(ばんりょくの げんせんなるや うじのかわ)

『空高く 鳶が回って 夏が来た』
(そらたかく とんびがまわって なつがきた)

『宇治の鵜は 羽根を拡げて 微動だに』
(うじのうは はねをひろげて びどうだに)

『宇治川の 川べりに吹く 五月風』
(うじがわの かわべりにふく さつきかぜ)

『鳳凰の 尾の跳ね上がりて 宇治の夏』
(ほうおうの おのはねあがりて うじのなつ)

『若葉風 宇治の川面を きらつかせ』
(わかばかぜ うじのかわもを きらつかせ)

『新緑に 包まれて建つ 平等院』
(しんりょくに つつまれてたつ びょうどういん)

『鳳凰の 池に映りて 泳ぎ出し』
(ほうおうの いけにうつりて およぎだし)

『茶蕎麦には 山葵が合って 五月かな』
(ちゃそばには わさびがあって ごがつかな)

『組紐の 由来を聞いて 新茶飲む』
(くみひもの ゆらいをきいて しんちゃのむ)



『桐の花 その下に居て 夢を見て』
(きりのはな そのしたにいて ゆめをみて)

『鯉幟 何時まで飾るや 人形屋』
(こいのぼり いつまでかざるや にんぎょうや)

『冷奴 今日は休みと 嫁の弁』
(ひややっこ きょうはやすみと よめのべん)
                 =9720


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

麦の秋

2009年05月22日 | 俳句

『噴水や 待ち人来たらず 戀失くす』
(ふんすいや まちびときたらず こいなくす)

『我が顔の 横に崩れし 金魚鉢』
(わがかおの よこにくずれし きんぎょばち)

『金糸梅 水玉の露 咲かせけり』
(きんしばい みずたまのつゆ さかせけり)

『雨上がり 金糸梅の黄 零れけり』
(あめあがり きんしばいのき こぼれけり)

『麦秋や さびたポストの 口かなし』
(ばくしゅうや さびたぽすとの くちかなし)

『麦の秋 青さの残る 日陰物』
(むぎのあき あおさののこる ひかげもの)

『切株に 腰を落として 麦の秋』
(きりかぶに こしをおとして むぎのあき)

『麦の秋 旅には旅の 雨があり』
(むぎのあき たびにはたびの あめがあり)

『四半敷き 粽柱や 麦の秋』
(しはんじき ちまきばしらや むぎのあき)

『耳澄ます 池の向こうの 滝の音』
(みみすます いけのむこうの たきのおと)

『地の底に 水の音せり 泉湧く』
(ちのそこに みずのおとせり いずみわく)
                =9706

『家康や 和蘭海芋 神の花』
(いえやすや おらんだかいう かみのはな)

 
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

冷奴

2009年05月21日 | 俳句

『ボタ山は 夏草いっぱい 若くなり』
(ぼたやまは なつくさいっぱい わかくなり)

『駅毎の 夜店を梯子 夜は明けて』
(えきごとの よみせをはしご よはあけて)

『床屋には 老人ばかり 麦の秋』
(とこやには ろうじんばかり むぎのあき)

『虹の足 行けども見えぬ にじの足』
(にじのあし いけどもみえぬ にじのあし)

『今日から いつまで続くか 冷奴』
(きょうから いつまでつづくか ひややっこ)

『壊れてる 扇風機にも 首を振る』
(こわれてる せんぷうきにも くびをふる)

『脚気かや おかしき足を 質問す』
(かっけかや おかしきあしを しつもんす)

『雨傘の 急に開きて 道おしえ』
(あまがさの きゅうにひらきて みちおしえ)

『堺筋 直線道路 五月雨』
(さかいすじ ちょくせんどうろ さつきあめ)

『真清水の 龍頭の手水舎 息を呑む』
(ましみずの りゅうずのてみずしゃ いきをのむ)

『若楓 子供の手の如 小さかり』
(わかかえで こどものてのごと ちいさかり)

『西日さす 写真の中の 笑顔かな』
(にしびさす しゃしんのなかの えがおかな)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

青時雨

2009年05月20日 | 俳句

『夏めくや 東京にも 豚インフル』
(なつめくや とうきょうにも ぶたいんふる)

『心太 鯱鉾の尾の 跳ね具合』
(ところてん しゃちほこのおの はねぐあい)

『石庭に さわやか運ぶ 青時雨』
(せきていに さわやかはこぶ あおしぐれ)

『枯山水 波紋の二様 夏の海』
(かれさんすい はもんのによう なつのうみ)

『雨上がり さわってみたき 若葉かな』
(あめあがり さわってみたき わかばかな)

『梅の実の 露に光りし うすみどり』
(うめのみの つゆにひかりし うすみどり)

『雨受けし 紫陽花見たく 遠回り』
(あめうけし あじさいみたく とおまわり)

『烏賊刺身 わさびの効きて このうえなし』
(いかさしみ わさびのききて このうえなし)


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

金糸梅

2009年05月19日 | 俳句

『生徒居ぬ 学び舎さびし 夏の風』
(せいといぬ まなびやさびし なつのかぜ)

『学び舎に 生徒が消えて 草苺』
(まなびやに せいとがきえて くさいちご)

『どこそこも 休校せし 夏安堵』
(どこそこも きゅうこうせし なつあんど)

『鋒の 反り合わぬらし すててこや』
(きっさきの そりあわぬらし すててこや)

『若葉風 伎芸天さえ 踊り出し』
(わかばかぜ ぎげいてんさえ おどりだし)

『薔薇朽ちて 人目に晒す 棘もあり』
(ばらくちて ひとめにさらす とげもあり)

『朝顔や 開きて楽し 帰り道』
(あさがおや ひらきてたのし かえりみち)

『金糸梅 違いが判る 三年目』
(きんしばい ちがいがわかる さんねんめ)

『甚平や 余生と思はば また楽し』
(じんべいや よせいとおもはば またたのし)

『焼酎に 胸は焼けても 飲まれまい』
(しょうちゅうに むねはやけても のまれまい)



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

破れ傘

2009年05月18日 | 俳句

『古寺探訪 願いむなしく 破れ傘』
(こじたんぼう ねがいむなしく やぶれがさ)
           破れ傘=山地の林下などに生える多年草。
              =葉がすぼめた破れ傘の様から付いた名。
              =仲夏


『若葉風 蘇鉄の葉裏 うすみどり』
(わかばかぜ そてつのはうら うすみどり)

『さわさわと 若葉青葉に 陽の光』
(さわさわと わかばあおばに ひのひかり)

『かたつむり 角槍出して 雨を呼び』
(かたつむり つのやりだして あめをよび)

『風薫る 対の鯱鉾 尾の見えて』
(かぜかおる ついのしゃちほこ おのみえて)

『灯欲し 夏の鋤焼き 火の乱れ』
(あかりほし なつのすきやき ひのみだれ)

『権現の 門へ誘う 若葉かな』
(ごんげんの もんへいざなう わかばかな)

『耳澄ます 浮かぶ緋鯉の 息使い』
(みみすます うかぶひごいの いきづかい)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

蝸牛

2009年05月17日 | 俳句

本日、尼崎倶楽部古寺探訪同好会にご一緒させて頂いて堺の古寺を訪れました。 

『古寺探訪 歴史を辿る 五月雨』
(こじたんぼう れきしをたどる さつきあめ)

『五月雨や 雨の雫の 露溢れ』
(さみだれや あめのしずくの つゆあふれ)

『薫風や 寺に残りし 鬼瓦』
(くんぷうや てらにのこりし おにがわら)

『家康の 死の真相 夏の陣』
(いえやすの しのしんそう なつのじん)

『ソテツの実 ムスメとムスコ 聖五月』
(そてつのみ むすめとむすこ せいごがつ)

『玉砂利に 吸いこまれ行く 夏の雨』
(たまじゃりに すいこまれゆく なつのあめ)

『天井の 龍のまなざし 青嵐』
(てんじょうの りゅうのまなざし あおあらし)

『蝸牛 阿形吽形の 門番す』
(かたつむり あぎょううんぎょうの もんばんす)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする