俺流俳句 「いちらくいちらく」

俳句で遊ぼ。

あなたも、優しくなれます。
          
          千秀

落第

2009年02月28日 | 俳句

『新しき 年にも慣れて 二月尽』
(あたらしき としにもなれて にがつじん)

『腹脂 余裕たっぷり 二月尽』
(はらあぶら よゆうたっぷり にがつじん)

『二月尽 春は気から 昼寝から』
(にがつじん はるはきから ひるねから)

『飛び跳ねて コインの音や 二月尽』
(とびはねて こいんのおとや にがつじん)

『漣の 立ちてそぼ降る 春の雨』
(さざなみの たちてそぼふる はるのあめ)

『緩やかな 水の流れに 蝌蚪流る』
(ゆるやかな みずのながれに かとながる)
              蝌蚪=お玉杓子

『雛飾る 妹吾子背子に 桃桜』
(ひなかざる いもあこせこに ももさくら)

『番台に 生徒が座る 春の宵』
(ばんだいに せいとがすわる はるのよい)

『浪人に 落第二度の 勲章有り』
(ろうにんに らくだいにどの くんしょうあり)

『春霞 後の正面 影ばかり』
(はるがすみ うしろのしょうめん かげばかり)

『春不況 漫画しか読めぬ 臍曲り』
(はるふきょう まんがしかよめぬ へそまがり)

『政官と 隔たり大き 民の春』
(せいかんと へだたりおおき たみのはる)

『如月や 日本男児は 暇らしき』
(きさらぎや にほんだんじは ひまらしき)

『白梅や 松明灯り 二月堂』
(しらうめや たいまつあかり にがつどう)

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二月尽

2009年02月27日 | 俳句

『雨がちの 春の半ばの 昼の午後』
(あめがちの はるのなかばの ひるのごご)

『春雨や 今日風呂入れと 嫁の強』
(はるさめや きょうふろいれと よめのごう)
                =9100

『放たれし 鯉の膨らみ 春朧』
(はなたれし こいのふくらみ はるおぼろ)

『石の上 春鶺鴒の 羽根白し』
(いしのうえ はるせきれいの はねしろし)

『春風や 肌寒と言う 落し物』
(はるかぜや はださむという おとしもの)

『待望の 餃子満腹 春朧』
(たいぼうの ぎょうざまんぷく はるおぼろ)

『白梅に 月夜と来れば しめたもの』
(しらうめに つきよとくれば しめたもの)

『菜の花や 海まで続く 黄のひかり』
(なのはなや うみまでつづく きのひかり)

『紅梅や 妹を恋して 玉すだれ』
(こうばいや いもをこいして たますだれ)

『うすぐもり 紅色増して 花蕾』
(うすぐもり べにいろまして はなつぼみ)

『春電車 おお化けするや 女ども』
(はるでんしゃ おおばけするや おんなども)

『春時雨 レールの軋み 夢を裂く』
(はるしぐれ れーるのきしみ ゆめをさく)

『春めきて 一際欲しき 生一味』
(はるめきて ひときわほしき なまいちみ)

『原色の 香り滲ませ 椿散る』
(げんしょくの かおりにじませ つばきちる)

『アーケード その境目の 春の傘』
(あーけーど そのさかいめの はるのかさ)

『老いたれば いつも昼寝や 二月尽』
(おいたれば いつもひるねや にがつじん)

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春半ば

2009年02月26日 | 俳句

『爺三人 開店特価の 春チラシ』
(じいさんにん かいてんとっかの はるちらし)

『電線に 止まらぬ子雀 雨しとど』
(でんせんに とまらぬこすずめ あめしとど)

『春の雨 溜まり大きく たじろぎぬ』
(はるのあめ たまりおおきく たじろぎぬ)

『生垣に しぶとき一輪 寒椿』
(いけがきに しぶときいちりん かんつばき)

『春雨に 濡れて引き立つ 庭の石』
(はるさめに ぬれてひきたつ にわのいし)

『欠伸して くしゃみまでして 春の女』
(あくびして くしゃみまでして はるのひと)

『一生に 一度は目にせん 冬牡丹』
(いっしょうに いちどはめにせん ふゆぼたん)

『晴れマーク 週に三つ 春半ば』
(はれまーく しゅうにみっつ はるなかば)

『蝶々や 花から花へ 我もまた』
(ちょうちょうや はなからはなへ われもまた)

『陽を受けて キラリとするや 猫柳』
(ひをうけて きらりとするや ねこやなぎ)

『春月や 曇り空でも 見える月』
(しゅんげつや くもりぞらでも みえるつき)

『春の闇 愛犬の温み 身に受けて』
(はるのやみ あいけんのぬくみ みにうけて)

『料峭や 山肌いまだ くすみ居り』
(りょうしょうや やまはだいまだ くすみおり)
       料峭=春の風がまだ肌を刺すように冷たく感じられるさま

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如月

2009年02月25日 | 俳句

『春の雨 通せんぼせし 傘二列』
(はるのあめ とおせんぼせし かさにれつ)

『春の雨 パラソルの色 にぎやかに』
(はるのあめ ぱらそるのいろ にぎやかに)

『如月の 雨のそぼ降る 午後一時』
(きさらぎの あめのそぼふる ごごいちじ)

『水温む 川の水より 足湯かな』
(みずぬるむ かわのみずより あしゆかな)

『水温む 欄干より見る 亀の顔』
(みずぬるむ らんかんよりみる かめのかお)

『一輪の 梅の香のあり あるがまま』
(いちりんの うめのかのあり あるがまま)

『雨続き 降ったり止んだり 春の雨』
(あめつづき ふったりやんだり はるのあめ)

『春暁や 社の石段 息白し』
(しゅんぎょうや やしろのいしだん いきしろし)

『東風に乗り 飛梅見物 夢の中』
(こちにのり とびうめけんぶつ ゆめのなか)

『京雛や 紙人形の 行方どこ』
(きょうびなや かみにんぎょうの ゆくえどこ)

『紙風船 撥ねる度毎 形変わり』
(かみふうせん はねるたびごと かたかわり)

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春の雨

2009年02月24日 | 俳句

『きらめいて 雫の花の 咲きにけり』
(きらめいて しずくのはなの さきにけり)

『薄紅の 蕾を見つく 桜花』
(うすべにの つぼみをみつく さくらばな)

『梅処 整地もされて 雨の降る』
(うめどころ せいちもされて あめのふる)

『春の雨 生駒の山頂 陽の射して』
(はるのあめ いこまのさんちょう ひのさして)

『雲間より 春の陽の射す 浪花街』
(くもまより はるのひのさす なにわまち)

『春電車 昼の鈍行 田舎色』
(はるでんしゃ ひるのどんこう いなかいろ)

『大阪を 田舎と思わば 春麗』
(おおさかを いなかとおもわば はるうらら)

『長靴で 面へ出たか 春の女』
(ながぐつで おもてへでたか はるのひと)

『地下鉄の レールの軋み 春催い』
(ちかてつの れーるのきしみ はるもよい)

『紅葉の 写真の掛かる 春の駅』
(こうようの しゃしんのかかる はるのえき)

『春寒や 色めき降りる 北新地』
(はるさむや いろめきおりる きたしんち)

『春寒し どこもかしこも 痛くなる』
(はるさむし どこもかしこも いたくなる)

『水温む 雨雲裂いて 陽の射しぬ』
(みずぬるむ あまぐもさいて ひのさしぬ)

『梅開く 蕊の力の 強きこと』
(うめひらく しべのちからの つよきこと)

『紅梅の 淡い陽射しに 燃えにけり』
(こうばいの あわいひざしに もえにけり)

『春雨の そぼ降る中に 一人立つ』
(はるさめの そぼふるなかに ひとりたつ)


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春雨

2009年02月23日 | 俳句

『春寒し 吾子の笑いに 救いあり』
(はるさむし あこのわらいに すくいあり)

『黄昏て 雨降る夜の 春の寒』
(たそがれて あめふるよるの はるのさむ)

『盆梅に 何とはなしに 足を止め』
(ぼんばいに なんとはなしに あしをとめ)

『春うとし 天気予報は 雨ばかり』
(はるうとし てんきよほうは あめばかり)

『白黒の 梅の写真に 色浮き出』
(しろくろの うめのしゃしんに いろうきで)

『春の宵 そぼ降る雨も いきなもの』
(はるのよい そぼふるあめも いきなもの)

『川風に 身を膨らませ 猫柳』
(かわかぜに みをふくらませ ねこやなぎ)

『飾られて ひと際膨れ 猫柳』
(かざられて ひときわふくれ ねこやなぎ)

『春雨も 町の色には 勝てもせで』
(はるさめも まちのいろには かてもせで)

『春の幸 回転寿司の 皿の数』
(はるのこう かいてんずしの さらのかず)

『いちめんの 菜の花畑に 寝ころんで』
(いちめんの なのはなばたけに ねころんで)

『春おぼろ 今日もするなり 物忘れ』
(はるおぼろ きょうもするなり ものわすれ)

『雛祭 着物の桃に 吾子似合う』
(ひなまつり きもののももに あこにあう)

『寒椿 山茶花ほどな 生き延びよ』
(かんつばき さざんかほどな いきのびよ)

『春の雨 吾子の帰らば 冷たくて』
(はるのあめ あこのかえらば つめたくて)

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春めく

2009年02月22日 | 俳句

『春寒や 利酒楽し 明日香道』
(はるさむや ききざけたのし あすかみち)

『春寒し 回転寿司の 金の皿』
(はるさむし かいてんずしの きんのさら)

『撫で牛の ひんやりとして 梅日和』
(なでうしの ひんやりとして うめびより)

『枝垂れ梅 大地に何を 伝えんや』
(しだれうめ だいちになにを つたえんや)

『ふるさとへ 想いを馳せて 梅二月』
(ふるさとへ おもいをはせて うめにがつ)

『木の芽和 酒の肴の 年の功』
(このめあえ さけのさかなの としのこう)

『鼻唄の ついつい出でて 春おぼろ』
(はなうたの ついついいでて はるおぼろ)

『春水と 思えど指の 冷たさよ』
(はるみずと おもえどゆびの つめたさよ)

『岩登る 亀長閑にも 跡乾く』
(いわのぼる かめのどかにも あとかわく)

『スーパーに 桃の花木の 顔見せて』
(すーぱーに もものはなきの かおみせて)

『タンポポの 一輪見えて 微笑んで』
(たんぽぽの いちりんみえて ほほえんで)

『雛人形 判る歳には まだ早い』
(ひなにんぎょう わかるとしには まだはやい)

『春二番 吹けども誰も 詠みもせで』
(はるにばん ふけどもだれも よみもせで)

『春の簺 一の目ばかり ロクで無し』
(はるのさい いちのめばかり ろくでなし)
                簺=さいころ

『春時雨 雫カバーの 溜まり水』
(はるしぐれ しずくかばーの たまりみず)

『速達の 時刻の指定 遅日かな』
(そくたつの じこくのしてい ちじつかな)

『春の雲 ふうわりふわり 春の雲』
(はるのくも ふうわりふわり はるのくも)

『春めきて 己が寿命も 伸びて来て』
(はるめきて おのがじゅみょうも のびてきて)

『菫かな 独活かも知れず 春の酔い』
(すみれかな うどかもしれず はるのよい)

『逃げ水や 凛々しき眉に 一目ぼれ』
(にげみずや りりしきまゆに ひとめぼれ)

『桃の日の 祝の詞に 四句八句』
(もものひの いわいのうたに しくはっく)

『桃の日に 雅に咲くの 夢に見え』
(もものひに みやびにさくの ゆめにみえ)

『木の芽吹く 命の張りの 初々し』
(このめふく いのちのはりの ういういし)

『春浅し 宰相に欲し 品と格』
(はるあさし さいそうにほし ひんとかく)

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梅が香

2009年02月21日 | 俳句

『ひっそりと 梅の花咲く のどかさよ』
(ひっそりと うめのはなさく のどかさよ)

『梅が香の 一輪にして ふるさとへ』
(うめがかの いちりんにして ふるさとへ)

『梅咲きぬ 真の道も 知らずして』
(うめさきぬ まことのみちも しらずして)

『梅が香に 誘い誘われ 迷い道』
(うめがかに さそいさそわれ まよいみち)

『紅梅や 見えぬ恋でも 恋は恋』
(こうばいや みえぬこいでも こいはこい)

『いちめんの 菜の花畑 立ちたいな』
(いちめんの なのはなばたけ たちたいな)

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土筆

2009年02月20日 | 俳句

『春の空 何時までもつや 雨催』
(はるのそら いつまでもつや あめもよい)

『春雨や 願いも届けも 水の泡』
(はるさめや ねがいもとどけも みずのあわ)

『春の水 二月堂にも 火の恋し』
(はるのみず にがつどうにも ひのこいし)

『学び舎の 屋根の上なる 風車』
(まなびやの やねのうえなる かざぐるま)

『さあ今だ 生命の芽吹く 春の草』
(さあいまだ いのちのめぶく はるのくさ)

『耐えきれぬ 雨の重みか 落椿』
(たえきれぬ あめのおもみか おちつばき)

『寝転びて 見つけし土手の 菫かな』
(ねころびて みつけしどての すみれかな)

『桜誘う 桃の花にも 可憐さが』
(はなさそう もものはなにも かれんさが)

『春の月 見んと欲すれば いつも雨』
(はるのつき みんとほっすれば いつもあめ)

『出来るなら 黄昏に降れ 春の雨』
(できるなら たそがれにふれ はるのあめ)

『暁に 見るや土筆の ほこら顔』
(あかつきに みるやつくしの ほこらがお)

『鶯や その一声の 重軽し』
(うぐいすや そのひとこえの おもかるし)

『白梅の 盛りと見えて 神々し』
(しらうめの さかりとみえて こうごうし)


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御礼 掲句九千句

2009年02月19日 | ごあいさつ
今日で、掲句九千句を達成しました。
これも、皆様のご支援の賜物と思っております。
今後とも、創句活動を続けていきます。
ますますのご支援よろしくお願い申し上げます。
                    千秀
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春の風

2009年02月19日 | 俳句

『マスク越し 目許かわいや 顔見たし』
(ますくごし めもとかわいや かおみたし)

『マスクせば 鬼やら福の 面多し』
(ますくせば おにやらふくの つらおおし)

『トンネルを 抜けるとそこは 梅の園』
(とんねるを ぬけるとそこは うめのその)

『佐保姫や 吹く風楽し 空青し』
(さほひめや ふくかぜたのし そらあおし)
                   佐保姫=春の女神

『春の酔い 春宵千金 今昔』
(はるのよい しゅんしょうせんきん いまむかし)

『春の日を 背に感じて 眠り入る』
(はるのひを せなにかんじて ねむりいる)

『春霞 メモ一枚の 作句かな』
(はるがすみ めもいちまいの さくくかな)

『春朧 健康の証 作句数』
(はるおぼろ けんこうのあかし さくくすう)

『竹の秋 嵯峨野に吹く風 瑞々し』
(たけのあき さがのにふくかぜ みずみずし)

『春雨や 一粒一粒 口に受く』
(はるさめや ひとつぶひとつぶ くちにうく)

『地下に吹く 風の強さよ 春疾風』
(ちかにふく かぜのつよさよ はるはやて)

『春風の 二番も吹くぞ 南風』
(はるかぜの にばんもふくぞ みなみかぜ)

『春霞 贔屓している 山もあり』
(はるがすみ ひいきしている やまもあり)
                  =9000
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シャボン玉

2009年02月18日 | 俳句

『春電車 みんな居眠り 舟を漕ぐ』
(はるでんしゃ みんないねむり ふねをこぐ)

『日輪を 受けて出勤 春うらら』
(にちりんを うけてしゅっきん はるうらら)

『白梅や 下弦の月の 月あかり』
(しらうめや かげんのつきの つきあかり)

『一面の 菜の花畑 海の風』
(いちめんの なのはなばたけ うみのかぜ)

『春霞 生駒に掛かる 白い雲』
(はるがすみ いこまにかかる しろいくも)

『我が前の 一尺ばかり うぐいす飛ぶ』
(わがまえの いっしゃくばかり うぐいすとぶ)

『往き帰り 雛人形の 姿見て』
(いきかえり ひなにんぎょうの すがたみて)

『冴え返る 鼾と風邪に 相関あり』
(さえかえる いびきとかぜに そうかんあり)

『七色の 虹が回りるよ シャボン玉』
(なないろの にじがまわりるよ しゃぼんだま)

『川柳 風に任せて ふうらふら』
(かわやなぎ かぜにまかせて ふうらふら)

『寝ころんで 菜の花畑を ごろごろと』
(ねころんで なのはなばたけを ごろごろと)



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春うらら

2009年02月17日 | 俳句

『欠伸女の 喉仏見えて 春うらら』
(あくびめの のどぼとけみえて はるうらら)

『新しい 時が始まる 妹の春』
(あたらしい ときがはじまる いものはる)

『風無くば 初夏と思えし 春麗』
(かぜなくば しょかとおもえし はるうらら)

『電車人 我を誘う 春の眠り』
(でんしゃびと われをいざなう はるのねむり)

『やくざ風 宝塚風 春電車』
(やくざふう たからづかふう はるでんしゃ)

『春の川 一滴よりの 春の旅』
(はるのかわ いってきよりの はるのたび)

『梅が香や 絵馬に記せし 片戀人』
(うめがかや えまにしるせし かたこいびと)

『雨上がり 春田の虹の 裾の消ゆ』
(あめあがり はるたのにじの すそのきゆ)

『春水の 流れの先に 佇みて』
(はるみずの ながれのさきに たたずみて)



「まほろば」さんの写真に魅せられて。
『金縷梅や 錦糸卵の ちらし寿司』
(まんさくや きんしたまごの ちらしずし)

『満作は 先ず咲くと云い 今も咲く』
(まんさくは まずさくといい いまもさく)

『つくしんぼ つくづくみれば こけしかな』
(つくしんぼ つくづくみれば こけしかな)


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目借時

2009年02月16日 | 俳句

『宝満の 畦の傍ら 野梅咲く』
(ほうまんの あぜのかたわら のうめさく)

『電話口 明るき妹や 梅一輪』
(でんわぐち あかるきいもや うめいちりん)

『梅社 木鷽も土鈴も 真道』
(うめやしろ うそもどれいも まことみち)

『ニャーニャーと この世の春や 猫の戀』
(にゃーにゃーと このよのはるや ねこのこい)

『義理義理の バレンタインデー 通り過ぐ』
(ぎりぎりの ばれんたいんでー とおりすぐ)

『菜の花の 咲き出す季節 つん椿』
(なのはなの さきだすきせつ つんつばき)

『二度楽し 鮪の山かけ お茶付けと』
(にどたのし まぐろのやまかけ おちゃづけと)

『冴え返る 来週半ば 冴え返る』
(さえかえる らいしゅうなかば さえかえる)

『バレチョコを 来年こそはと 妹電話』
(ばれちょこを らいねんこそはと いもでんわ)

『紀元節 ここにもあった さざれ石』
(きげんせつ ここにもあった さざれいし)

『紅梅や 眉凛として 初節句』
(こうばいや まゆりんとして はつぜっく)

『春暖か しぶとき風邪も 抜ける筈』
(はるあたたか しぶときかぜも ぬけるはず)

『韓ドラは 字幕が一番 春一番』
(かんどらは じまくがいちばん はるいちばん)

『春めきて 漬物旨き 飯屋かな』
(はるめきて つけものうまき めしやかな)

『野の梅は 咲きたかったから 咲くんだね』
(ののうめは さきたかったから さくんだね)

『日曜と 安堵してする 朝寝かな』
(にちようと あんどしてする あさねかな)

『押しくらも 石蹴りに変わる 暖かさ』
(おしくらも いしけりにかわる あたたかさ)

『白梅は 青い空が合う 晴れの日の』
(しらうめは あおいそらがあう はれのひの)

『宰相も 大臣も皆 目借り時』
(さいそうも だいじんもみな めかりどき)

『うららかや 百年一度の 出来損ない』
(うららかや ひゃくねんいちどの できそこない)

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東風

2009年02月15日 | 俳句

『バレンタイン 二つ届いて まだ片手』
(ばれんたいん ふたつとどいて まだかたて)

『春霞 空の青にも 濁りあり』
(はるがすみ そらのあおにも にごりあり)

『水仙花 ここかしこ見て 落ち着かず』
(すいせんか ここかしこみて おちつかず)

『春一番 洗濯物を しまい込む』
(はるいちばん せんたくものを しまいこむ)

『佇めば 風の吹くなり 梅が香の』
(たたずめば かぜのふくなり うめがかの)

『店先の 洋花のそばに 梅一輪』
(みせさきの ようかのそばに うめいちりん)

『誕生日 プレゼントにも 春の色』
(たんじょうび ぷれぜんとにも はるのいろ)

『盆梅は 陽を受け白く 煌めいて』
(ぼんばいは ひをうけしろく きらめいて)

『苔生せる 老梅にこそ 証あり』
(こけむせる ろうばいにこそ あかしあり)

『岩間より 枝垂れ黄梅 顔見せり』
(いわまより しだれおうばい かおみせり)

『東風ならず 西方の吉報 届きけり』
(こちならず さいほうのきっぽう とどきけり)

『東風吹かば 竹林の音 鳴りやまず』
(こちふかば ちくりんのおと なりやまず)


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