夢に見る 立坑櫓の 今日の月
(ゆめにみる たてこうろうの きょうのつき)
20014 【季語】 今日の月 【季節】 仲秋
海を射す 夕陽の光 秋の風
(うみをさす ゆうひのひかり あきのかぜ)
20015 【季語】 秋 【季節】 三秋
秋澄むや 日の入りを待つ 目も海に
(あきすむや ひのいりをまつ めもうみに)
20016 【季語】 秋澄む 【季節】 三秋
葉先から 先に色付き 末枯れる
(はさきから さきにいろづき うらがれる)
20017 【季語】 末枯れ 【季節】 晩秋
老人は ベンチで昼寝の 秋日和
(ろうじんは べんちでひるねの あきびより)
20018 【季語】 秋日和 【季節】 三秋
やや寒や 己が人生 振り返り
(ややさむや おのがじんせい ふりかえり)
20019 【季語】 やや寒 【季節】 晩秋
囀りの 聞こえし枝の 震えけり
(さえずりの きこえしえだの ふるえけり)
20020 【季語】 囀り 【季節】 三春
旅土産 朋へ贈りて 後の月
(たびみやげ ともへおくりて のちのつき)
20008 【季語】 後の月 【季節】 晩秋
一勝は 最後の最後 鴨来たる
(いっしょうは さいごのさいご かもきたる)
20009 【季語】 鴨来たる 【季節】 仲秋
登高は 最後の一勝 望むのみ
(とうこうは さいごのいっしょう のぞむのみ)
20010 【季語】 登高 【季節】 仲秋
熱燗の 欲しい季節よ 朋よ来い
(あつかんの ほしいきせつよ ともよこい)
20011 【季語】 熱燗 【季節】 三冬
秋深し 心揺さぶる 江戸の風
(あきふかし こころゆさぶる えどのかぜ)
20012 【季語】 秋深し 【季節】 晩秋
霜柱 済まなさ感ず その音に
(しもばしら すまなさかんず そのおとに)
20013 【季語】 霜柱 【季節】 三冬
泡立草 風に負けずに すくと立ち
(あわだちそう かぜにまけずに すくとたち)
20008 【季語】 背髙泡立草 【季節】 初秋
長き夜に 頭抱えて 句も出来ず
(ながきよに あたまかかえて くもできず)
20009 【季語】 長き夜 【季節】 三秋
此の秋は 秋刀魚はたった 一度だけ
(このあきは さんまはたった いちどだけ)
20010 【季語】 秋刀魚 【季節】 晩秋
秋の鳶 明石の海に 舞いにけり
(あきのとび あかしのうみに まいにけり)
20011 【季語】 秋 【季節】 三秋
昼餉には 狐の剥製 お出迎え
(ひるげには きつねのはくせい おでむかえ)
20012 【季語】 狐 【季節】 三冬