俺流俳句 「いちらくいちらく」

俳句で遊ぼ。

あなたも、優しくなれます。
          
          千秀

春雨

2007年02月28日 | 俳句

『木の芽立ち 春本番の おでましか』
(きのめたち はるほんばんの おでましか)

『見渡せば なずななずなの 花の咲く』
(みわたせば なずななずなの はなのさく)

『おぼろなる 春の光に 安堵して』
(おぼろなる はるのひかりに あんどして)

『聞き澄ます 土鈴の音や 梅の香や』
(ききすます どれいのおとや うめのかや)

『ひねもすや 朝寝朝寝で ひねもすや』
(ひねもすや あさねあさねで ひねもすや)

『失敗も 成功の種と 山笑う』
(しっぱいも せいこうのたねと やまわらう)

『春雨の 霧雨の如 白霞み』
(はるさめの きりさめのごと しろかすみ)

『春雨の 降る由知らず 濡れて行く』
(はるさめの ふるよししらず ぬれてゆく)

『あまつぶの うなじに咲きて 春うらら』
(あまつぶの うなじにさきて はるうらら)

『春朝日 白々と明け 気の満つる』
(はるあさひ しらじらとあけ きのみつる)

『春の朝 目覚めるまでの しあわせよ』
(はるのあさ めざめるまでの しあわせよ)

シャボン玉

2007年02月27日 | 俳句

『雛飾り 豪奢になりて 溜め息す』
(ひなかざり ごうしゃになりて ためいきす)

『見たきやな 桃源郷の 桃の花』
(みたきやな とうげんきょうの もものはな)

『めでたさは 桃の節句ぞ 三重なりし』
(めでたさは もものせっくぞ みえなりし)

『手をかざし 春の息吹を 空に見る』
(てをかざし はるのいぶきを そらにみる)

『春泥を 求めて遊ぶ 妹の居て』
(しゅんでいを もとめてあそぶ いものいて)

『春泥の 靴の乱れし 玄関先』
(しゅんでいの くつのみだれし げんかんさき)

『紅梅と 言えばふるさと 大宰府よ』
(こうばいと いえばふるさと だざいふよ)

『トンネルを 抜ければそこは 梅の園』
(とんねるを ぬければそこは うめのその)

『春うらら 漕ぎしペダルの 軽やかさ』
(はるうらら こぎしぺだるの かろやかさ)

『春うらら 鳶のごとく 飛びたくて』
(はるうらら とんびのごとく とびたくて)

『菜の花や 放り出されし ランドセル』
(なのはなや ほうりだされし らんどせる)

『シャボン玉 虹色の渦 宇宙なり』
(しゃぼんだま にじいろのうず うちゅうなり)

紙風船

2007年02月26日 | 俳句

『紙風船 膨らます頬 赤く染め』
(かみふうせん ふくらますほほ あかくそめ)

『梅の香の あるがままなる 梅の花』
(うめのかの あるがままなる うめのはな)

『行く雲も 流れる水も 春の色』
(ゆくくもも ながれるみずも はるのいろ)

『いつ見ても 変わらぬ青さ 春の空』
(いつみても かわらぬあおさ はるのそら)

『空青く 春水の心 なお清く』
(そらあおく はるみずのこころ なおきよく)

『藪椿 いまだに雪は 降らねども』
(やぶつばき いまだにゆきは ふらねども)

『まそ鏡 上弦の月も 満つる春』
(まそかがみ じょうげんのつきも みつるはる)

『如月や 少なき日々の うとましさ』
(きさらぎや すくなきひびの うとましさ)

『仰ぎ見る 青空の中 白桃花』
(あおぎみる あおぞらのなか はくとうか)

『枝垂れ梅 さらりさらりと 風凌ぐ』
(しだれうめ さらりさらりと かぜしのぐ)

石仏

2007年02月25日 | 俳句

『春霞 我がため息も かすみけり』
(はるがすみ わがためいきも かすみけり)

『春の日の 温もり抱いて 一芽出ぬ』
(はるのひの ぬくもりだいて ひとめでぬ)

『寝心や 春の日差しの 心地よさ』
(ねごころや はるのひざしの ここちよさ)

『たんぽぽと 誰が名付けた たんぽぽと』
(たんぽぽと だれがなづけた たんぽぽと)

『たんぽぽは ぽつんぽつんと 咲きにけり』
(たんぽぽは ぽつんぽつんと さきにけり)

『たんぽぽの ぽつり咲く所 空き地なり』
(たんぽぽの ぽつりさくとこ あきちなり)

『仏の座 一度座りて みたきもの』
(ほとけのざ いちどすわりて みたきもの)

『いぬふぐり 空の青さと 喧嘩して』
(いぬふぐり そらのあおさと けんかして)

『澄みし空 くれない匂う 桃の花』
(すみしそら くれないにおう もものはな)

『山の辺の 菫咲く道 石仏』
(やまのべの すみれさくみち いしぼとけ)

『山の辺の 柿の木坂に 春の風』
(やまのべの かきのきざかに はるのかぜ)

春おぼろ

2007年02月24日 | 俳句

『雲の中 機影の消えて 春おぼろ』
(くものなか きえいのきえて はるおぼろ)

『長閑なり 昼寝の亀は 石の上』
(のどかなり ひるねのかめは いしのうえ)

『霾ふるや 今や中華の 塵の降る』
(つちふるや いまやちゅうかの ちりのふる)

『昼寝する 生徒の顔の 春うらら』
(ひるねする せいとのかおの はるうらら)

『春うらら 散歩の足も うらうらら』
(はるうらら さんぽのあしも うらうらら)

『春や春 霞はじめて たなびきし』
(はるやはる かすみはじめて たなびきし)

『春の月 上半月の おぼろなり』
(はるのつき うえはんげつの おぼろなり)

『トンネルの 先に眩しき 春の影』
(とんねるの さきにまぶしき はるのかげ)

『足音の にぶく響くや 春の駅』
(あしおとの にぶくひびくや はるのえき)

『滝口へ 馬酔木の花の 道案内』
(たきぐちへ あしびのはなの みちあんない)

『我が想い 霧に惑える 鶯や』
(わがおもい きりにまどえる うぐいすや)

『鶯の 鳴き別れとは なるまいぞ』
(うぐいすの なきわかれとは なるまいぞ)

宝満山

2007年02月23日 | 俳句

『春の陽は やわらかくあぁ あたたかい』
(はるのひは やわらかくあぁ あたたかい)

『雪割草 朝日に向けし 笑顔かな』
(ゆきわりそう あさひにむけし えがおかな)

『野に這いて 土に帰るや 木瓜の花』
(のにはいて つちにかえるや ぼけのはな)

『清清し 大根の花 朝咲く』
(すがすがし だいこんのはな あしたさく)

『春の鷺 体縮めて 水飲めり』
(はるのさぎ からだちぢめて みずのめり)

『春の花 ベランダの花 名忘れし』
(はるのはな べらんだのはな なわすれし)

『二月早や 妹の記念日 過ぎたりし』
(にがつはや いものきねんび すぎたりし)
 
『飛鳥寺 紫雲英で作りし 妹の冠』
(あすかでら げんげでつくりし いものかん)

『土の春 手より大きな 団子なり』
(つちのはる てよりおおきな だんごなり)

『孫の似て うれしはずかし 春半ば』
(まごのにて うれしはずかし はるなかば)

『梅が香や 登り着きたり 宝満山』
(うめがかや のぼりつきたり ほうまんざん)

観梅

2007年02月22日 | 俳句

『雪柳 その優しさに 包まれて』
(ゆきやなぎ そのやさしさに つつまれて)

『雪柳 風に枝垂れて お辞儀して』
(ゆきやなぎ かぜにしだれて おじぎして)

『藪椿 散るに順あり 次はどれ』
(やぶつばき ちるにじゅんあり つぎはどれ)

『猫柳 かわゆき花と 誰か知ろ』
(ねこやなぎ かわゆきはなと だれかしろ)

『春の雨 敵か味方か 聞く女』
(はるのあめ てきかみかたか きくおんな)

『シャボン玉 残りし一個に 永遠祈る』
(しゃぼんだま のこりしいっこに とわいのる)

『卒論の 進みはのろく 梅日和』
(そつろんの すすみはのろく うめびより)

『白梅は お庭自慢の 見せ所』
(しらうめは おにわじまんの みせどころ)

『春霞 空の青さを 確かめて』
(はるがすみ そらのあおさを たしかめて)

『観梅や 梅粥さらり 喉熱く』
(かんばいや うめがゆさらり のどあつく)

戀白書 2501

2007年02月21日 | 俳句

『春は戀 はじまりの予感 戀白書』
(はるはこい はじまりのよかん こいはくしょ)

『春水に 花びら流し 後を追う』
(はるみずに はなびらながし あとをおう)

『紙風船 主を待ちて 萎みしまま』
(かみふうせん あるじをまちて しぼみしまま)

『お堀端 枝垂れ柳に 梅の花』
(おほりばた しだれやなぎに うめのはな)

『せせらぎの 音聞きて咲く 藪椿』
(せせらぎの おとききてさく やぶつばき)

『藪椿 水面に散りて 堰に咲く』
(やぶつばき みなもにちりて せきにさく)

『百花に 先駆け咲く 紅の梅』
(ひゃっかに さきがけさく べにのうめ)

『酒に欲し 馥郁と香る 梅の花』
(さけにほし ふくいくとかおる うめのはな)

『月もなく 花もなく飲む 春今宵』
(つきもなく はなもなくのむ はるこよい)
=2500

『春眠は 忘れた頃に やって来る』
(しゅんみんは わすれたころに やってくる)

水上バス

2007年02月20日 | 俳句

『春の陽の いとまぶしくて あたたかき』
(はるのひの いとまぶしくて あたたかき)

『ブランコは 水溜りの中 雨の中』
(ぶらんこは みずたまりのなか あめのなか)

『艶やかに 鮮やかに咲く 紅の梅』
(つややかに あざやかにさく べにのうめ)

『春は花 花はなの花 花菜なの』
(はるははな はなはなのはな はなななの)

『黄昏の 菜の花畑 黄の濃ゆく』
(たそがれの なのはなばたけ きのこゆく)

『春の空 笑うが如く 鳶の舞う』
(はるのそら わらうがごとく とびのまう)

『露天風呂 盃に浮かぶ 梅と月』
(ろてんぶろ さかずきにうかぶ うめとつき)

『梅撮るに ぶれにピンボケ 更に雨』
(うめとるに ぶれにぴんぼけ さらにあめ)

『梅林の かなたに煙る 天守閣』
(ばいりんの かなたにけむる てんしゅかく)

『春煙る 水上バスの 屋根低く』
(はるけむる すいじょうばすの やねひくく)

花菫

2007年02月19日 | 俳句

『野に山に 春はやさしく 我包む』
(のにやまに はるはやさしく われつつむ)

『春の陽に 雲移ろいて 影落とす』
(はるのひに くもうつろいて かげおとす)

『夢だから 想いは続く 春の花』
(ゆめだから おもいはつづく はるのはな)

『花菫 君にはこの花 よく似合う』
(はなすみれ きみにはこのはな よくにあう)

『ふと想う 傍にいた君 花菫』
(ふとおもう そばにいたきみ はなすみれ)

『花はみな 春の花見て 華となる』
(はなはみな はるのはなみて はなとなる)

『紅梅は 雨に濡れつつ 天に伸び』
(こうばいは あめにぬれつつ てんにのび)

『枯れつつも 凛々として 花水仙』
(かれつつも りんりんとして はなすいせん)

『飲みたやな 黄の盃で 花水仙』
(のみたやな きのさかずきで はなすいせん)

『光浴び 葉陰に浮きし 白椿』
(ひかりあび はかげにうきし しろつばき)

『道端に 根性と言わず タンポポ咲く』
(みちばたに こんじょうといわず たんぽぽさく)

『雨空を 鳶低く飛ぶ 城の春』
(あまぞらを とびひくくとぶ しろのはる)

『春の水 跳ねを気にせず 妹走る』
(はるのみず はねをきにせず いもはしる)

野遊び

2007年02月18日 | 俳句

『梅見出て 人見て帰る 大阪城』
(うめみでて ひとみてかえる おおさかじょう)

『蝋梅の 老梅となりて あわれなり』
(ろうばいの ろうばいとなりて あわれなり)

『雨に濡れ 水上バスの 春を行く』
(あめにぬれ すいじょうばすの はるをゆく)

『新月や 透かして見たり 春の月』
(しんげつや すかしてみたり はるのつき)

『春の夜に 冥王星の なつかしき』
(はるのよに めいおうせいの なつかしき)

『風よ吹け 春一番よ 我が戀よ』
(かぜよふけ はるいちばんよ わがこいよ)

『梅一輪 翳して妹に 届けたき』
(うめいちりん かざしていもに とどけたき)

『翳すゆえ 風よ運べよ 梅の香を』
(かざすゆえ かぜよはこべよ うめのかを)

『風ならば 梅の香みやげに 君のもと』
(かぜならば うめのかみやげに きみのもと)

『梅手折り 千遍の限り 戀渡る』
(うめたおり せんべんのかぎり こいわたる)

『心延ばし 野遊びせんと 春の野に』
(こころのばし のあそびせんと はるののに)

飛梅

2007年02月17日 | 俳句

『蜜求め 花から花へ 蝶の飛ぶ』
(みつもとめ はなからはなへ ちょうのとぶ)

『春の陽の 眩しくありて あたたかき』
(はるのひの まぶしくありて あたたかき)

『ひそやかに 咲きし一輪 梅の花』
(ひそやかに さきしいちりん うめのはな)

『はらほろり 梅の花びら 風に舞う』
(はらほろり うめのはなびら かぜにまう)

『散り行きし 梅の花びら 飾りなん』
(ちりゆきし うめのはなびら かざりなん)

『啼いている 春告げ鳥が 飛梅で』
(ないている はるつげどりが とびうめで)

『春は花 妹はなの花 花菫』
(はるははな いもはなのはな はなすみれ)

『花椿 つんつんしてる 空見てる』
(はなつばき つんつんしてる そらみてる)

『春の花 嫁は鉢ごと 抱え来る』
(はるのはな よめははちごと かかえくる)

『すべり台 立ちたる妹に 春一番』
(すべりだい たちたるいもに はるいちばん)

花菫

2007年02月16日 | 俳句

『春の午後 窓の西日を 締め出して』
(はるのごご まどのにしびを しめだして)

『春の昼 あなたのいない もどかしさ』
(はるのひる あなたのいない もどかしさ)

『白梅や 老いたる戀は 簾越し』
(しらうめや おいたるこいは すだれごし)

『白梅に 昔々を ひとりごと』
(しらうめに むかしむかしを ひとりごと)

『思い出に 梅の香りに 頬染めて』
(おもいでに うめのかおりに ほおそめて)

『東風ほのか ほのかほのかに 春半ば』
(こちほのか ほのかほのかに はるなかば)

『日溜りに ほほえみ咲きし 花菫』
(ひだまりに ほほえみさきし はなすみれ)

『春日傘 見返り美人 目を逸らし』
(はるひがさ みかえりびじん めをそらし)

『朝寝して 予定もなくて また朝寝』
(あさねして よていもなくて またあさね)

『片戀は 苦きチョコや 春の月』
(かたこいは にがきちょこや はるのつき)

『春一番 被害大きく うらめしく』
(はるいちばん ひがいおおきく うらめしく)

春一番

2007年02月15日 | 俳句

『ホワイトが 気になる余裕 バレンタイン』
(ほわいとが きになるよゆう ばれんたいん)

『贈られし 花とチョコで 春一杯』
(おくられし はなとちょこで はるいっぱい)

『春の鴨 水を弾いて 毛繕い』
(はるのかも みずをはじいて けづくろい)

『春の鷺 一羽寂しく 川沿いを』
(はるのさぎ いちわさびしく かわぞいを)

『春一番 吹いて梅見を 延期する』
(はるいちばん ふいてうめみを えんきする)

『戀猫の 喉を鳴らして 窓の外』
(こいねこの のどをならして まどのそと)

『戀猫や 戀の同士か 喧し』
(こいねこや こいのどうしか かまびすし)

『北の国 温暖のつけや 雪崩る』
(きたのくに おんだんのつけや ゆきくずる)

『白梅は 垣内よりも 垣根越し』
(しらうめは かきうちよりも かきねごし)

『梅は佳し 白も紅も佳し 飛びは尚』
(うめはよし はくもこうもよし とびはなお)

バレンタインデーキッス

2007年02月14日 | 俳句

『見渡せば 霞か雲か 春や春』
(みわたせば かすみかくもか はるやはる)

『バレンタイン 今年は何個 義理のチョコ』
(ばれんたいん ことしはなんこ ぎりのちょこ)

『遠い夢 バレンタインデー キッスなんて』
(とおいゆめ ばれんたいんでー きっすなんて)

『七つの子 いつまた会える 春の昼』
(ななつのこ いつまたあえる はるのひる)

『学び舎の 窓を開ければ そこは春』
(まなびやの まどをあければ そこははる)

『雲雀鳴く 空を見上げて 雲も無く』
(ひばりなく そらをみあげて くももなく)

『散り椿 川面に合わせ 泳ぎけり』
(ちりつばき かわもにあわせ およぎけり)

『きんきらの 雲の帯締め 春夕焼』
(きんきらの くものおびしめ はるゆうやけ)

『遠くとも 梅香しく 君想う』
(とおくとも うめかぐわしく きみおもう)

『せせらぎも さえずりもみな みんな春』
(せせらぎも さえずりもみな みんなはる)