俺流俳句 「いちらくいちらく」

俳句で遊ぼ。

あなたも、優しくなれます。
          
          千秀

10/17  写真

2006年10月17日 | 俳句

『我が写真 いつも見てると 秋の妹』
(わがしゃしん いつもみてると あきのいも)




『朝霧の かすみのかなた 君遠く』
(あさぎりの かすみのかなた きみとおく)




『紅葉を 何故何故何故と 問うなかれ』
(こうようを なぜなぜなぜと とうなかれ)




『影法師 伸びて縮んで 秋深し』
(かげぼうし のびてちぢんで あきふかし)




『秋風に 汽笛も揺れて 気も揺れて』
(あきかぜに きてきもゆれて きもゆれて)




『秋の雲 ふわりふわふわ 気まぐれよ』
(あきのくも ふわりふわふわ きまぐれよ)




『季を問えば 今よ今よと 秋の風』
(きをとえば いまよいまよと あきのかぜ)




『山の辺の 茜さす畦 野菊咲く』
(やまのべの あかねさすあぜ のぎくさく)



10/16  秋霖

2006年10月16日 | 俳句

『秋霖の しとど冷たく 肩重く』
(しゅうりんの しとどつめたく かたおもく)

〔秋の雨は、しっとりとした雨が多い。〕




『秋の雲 平になびき かすかなり』
(あきのくも たいらになびき かすかなり)

〔秋の雲は、夏の入道雲と違って、平らで非常に薄い。〕




『秋鯖は 我が家は味噌煮 中の中』
(あきさばは わがやはみそに ちゅうのちゅう)

〔年の所為か、最近味噌煮を食するようになった。
 我が家の味は、中くらいか。
 外での経験が少ないから、、。〕




『ひとりごと テレビと話す 秋の暮』
(ひとりごと てれびとはなす あきのくれ)

〔最近、ひとりごとが多いみたいだ。
 特にテレビと会話?しているらしい。〕




『降り積もる 香りの雪や 金木犀』
(ふりつもる かおりのゆきや きんもくせい)




『はぐれ鹿 敷居高きや 南大門』
(はぐれじか しきいたかきや なんだいもん)

〔東大寺南大門の敷居は、人間も苦労するほど高い。〕




『月の夜 汽笛一声 銀河旅』
(つきのよる きてきいっせい ぎんがたび)




『名月や 天の梯子を 踏み外ずし』
(めいげつや てんのはしごを ふみはずし)

〔名月は、手に取る様に近い。
 梯子を上っていくとその間違いに気づく。
 その時、足を踏み外して奈落の底へ。〕



10/15  宵のもみじ葉

2006年10月15日 | 俳句

『清水の 宵のもみじ葉 赤く燃え』
(きよみずの よいのもみじは あかくもえ)

〔清水寺のもみじ。夕日に映えてさらに濃くなります。〕




『清水は もみじの上に 塔ありき』
(きよみずは もみじのうえに とうありき)

〔清水寺の五重塔が、もみじの上に立っているように見えます。〕




『清水の 古仏開示や 月見宴』
(きよみずの こぶつかいじや つきみえん)

〔清水寺の古仏開示展のとき、満月の夜だった。
 月見の祝宴かのように。〕




『もみじ葉は 淡くせつなく 色変化』
(もみじはは あわくせつなく いろへんげ)

〔もみじは、うすもみじが好きだ。
 淡いながらも、少しずつ変化している。
 せつなくなる。〕




『もみじ葉の 池に映りて 赤味増す』
(もみじはの いけにうつりて あかみます)

〔池に映ったもみじも赤い。池に咲いているようだ。〕




『トロッコに 手を振る舟に 秋降りぬ』
(とろっこに てをふるふねに あきおりぬ)

〔保津川下りの秋のシーズンです。
 舟下りの上をトロッコ列車が通っている。〕




『荒し川 棹差す技や 秋の保津』
(あれしかわ さおさすわざや あきのほず)

〔落石事故で休止されていた川下が再開された。
 川下の船頭さんの技の確かさに驚く。〕




『川下り 岸辺の芒 頬なでる』
(かわくだり きしべのすすき ほおなでる)

〔もみじが秋の風情なら、芒も秋だ。〕



10/14  弘法さん

2006年10月14日 | 俳句

『弘法さん 紅葉に囲まれ 立ち説法』
(こうぼうさん もみじにかこまれ たちせっぽう)

〔山の辺の道、長岳寺の弘法大師立像の近くで、紅葉が咲いている。
 大師がもみじに説法をしているように見える。〕




『拝みましょ ぼけよけ地蔵 冬近し』
(おがみましょ ぼけよけじぞう ふゆちかし)

〔山の辺の道、長岳寺。〕




『人麻呂の 歌碑に集うや 藁塚よ』
(ひとまろの かひにつどうや わらづかよ)

〔山の辺の道の中間くらいに、柿本人麻呂の歌碑がある。
 その裏の田の藁塚が、子供のように騒いでいるように見えた。〕




『風の神 いたずら過ぎて 稲穂舞う』
(かぜのかみ いたずらすぎて いなほまう)

〔風で稲穂が舞い上がった。
まるで、風の神がいたずらでもしているかのように。〕




『すすき穂も 明日香においでと 手招きす』
(すすきほも あすかにおいでと てまねきす)

〔すすき穂は、おじぎをしていたり、おいでおいでをしていたり。
 忙しい。〕




『甘橿の もみじ葉漂う 飛鳥川』
(あまがしの もみじばただよう あすかがわ)

〔飛鳥川に紅葉が流れる。
 甘橿の丘から舞い降りた紅葉だ。〕




『利き酒に 酔いて徘徊 明日香路』
(ききざけに よいてはいかい あすかみち)

〔新酒のシーズン。利き酒のシーズンです。〕




『石庭の 陽射しまろやか 秋踊る』
(せきていの ひざしまろやか あきおどる)

〔秋の陽射しは、まろやかだ。踊り出したくなる。〕



10/13  梵鐘

2006年10月13日 | 俳句
 
『鐘突くに 蜻蛉止まりて 散ぬを待つ』
(かねつくに とんぼとまりて いぬをまつ)

〔連想パターンがあるみたいだ。
 秋、梵鐘、蜻蛉、、、。〕





『秋の鐘 突きし音色を 褒められし』
(あきのかね つきしねいろを ほめられし)

〔行動パターンがあるらしい。
 梵鐘を見ると突いてみたくなる。
 その音を褒められると、最高。〕




『鐘の音の みずみずしさに 秋を知る』
(かねのねの みずみずしさに あきをしる)

〔鐘の音に惹かれるのは、ごーんとなる「ご」のところの力強い澄んだ音。
 いつまでも続く余韻。
 また、聞きたくなった。〕




『極楽の 道案内や その蜻蛉』
(ごくらくの みちあんないや そのとんぼ)

〔蝶々と蜻蛉は、よく寄ってくれる。
 どこかへ、案内でもしたげに。〕




『芒の穂 雀止まるにゃ ちと重い』
(すすきのほ すずめとまるにゃ ちとおもい)

〔留まっているのはあまり見かけないが、止まるのは見る。
 ススキをばねにでもしているのかすぐ飛び立つ。〕




『五代目の 酔狂哀れ 月見酒』
(ごだいめの すいきょうあわれ つきみざけ)

〔飲兵衛も五代目である。
 初代は、江戸末期。
 大きい屋敷があったそうな。〕




『美女あらば 酔いも乱れる 秋の宵』
(びじょあらば よいもみだれる あきのよい)

〔ここでいう美女は、美人ではない。
 愛らしい、愛嬌のある、かわいい女(ひと)。
 嫁ではない。〕



『かの女に こころ乱れて 夜半の秋』
(かのひとに こころみだれて よわのあき)

〔かの女を想うと、なぜかこころさびしく、こころ乱される。
なぜだ。〕



10/12  運動会

2006年10月12日 | 俳句
 
『運動会 動きなさんな 被写体よ』
(うんどうかい うごきなさんな ひしゃたいよ)

〔最近のカメラは、手ぶれ防止機能がついているから、被写体はぶれない。
 ただ、動きが早くて、枠から外れるとどうしょうもない。〕 




『秋の海 貝と戯れ 女踊る』
(あきのうみ かいとたわむれ ひとおどる)

〔浜辺で、貝を見つけ踊り出す人がいた。純真だなあ。〕




『宵闇に 松明跳ねて 経響く』
(よいやみに たいまつはねて きょうひびく)

〔松山の火祭りの時に、詠んだ。 火は独特の雰囲気をかもし出す。
 お経が聞こえれば尚更だ。
お経とは不思議なものだ何も判っていないのに引き込まれる。〕




『秋渚 風静かにて ホテル建つ』
(あきなぎさ かぜしずかにて ほてるたつ)

〔松山の瀬戸内側に立つホテル。
入り江の形状からか、強風は吹かないそうだ。〕




『砥部焼きに 絵付ける愛や 伊予の秋』
(とべやきに えつけるあいや いよのあき)

〔愛を込めてというのは、なかなか難しいものだ。〕




『稲架の竿 露を含みて 撓りけり』
(はざのさお つゆをふくみて しなりけり)

〔朝夕で、竿の撓りが違う。露の重みなのだろう。〕




『秋寒に 散歩に一歩 踏み出せず』
(あきさむに さんぽにいっぽ ふみだせず)

〔段々、こういう日が増えてきます。
 首も段々短くなってきます。〕



10/11  秋の蝶

2006年10月11日 | 俳句
 
『秋の蝶 股間を飛ぶは お迎えか』
(あきのちょう こかんをとぶは おむかえか)

〔蝶に好かれているのか、やけに寄ってくる。〕

 中日が優勝しましたね。
 私は、大事な人の影響で、最近阪神のファンなったので残念なのですが。




『迫り来る 秋の夕暮 また明日』
(せまりくる あきのゆうぐれ またあした)

〔秋の夕暮、外で遊ぶ時間が段々無くなって来る。最後は、またあした。〕




『秋時雨 雨音ゆるく 傘もなく』
(あきしぐれ あまおとゆるく かさもなく)

〔秋の時雨の音はあまりしない。
春雨は濡れて行こうと誰かが言ったが、、、。
 秋時雨は、傘が無いと、、。〕




『名月は 駱駝の上より 湯の中よ』
(めいげつは らくだのうえより ゆのなかよ)

〔温泉に入ってみる月は、いいものです。〕




『名月の 浮かぶ湯舟で ひと泳ぎ』
(めいげつの うかぶゆぶねで ひとおよぎ)

〔温泉での、ひと泳ぎ。いいですね。〕




『名月や 露天の風呂で 仁王立ち』
(めいげつや ろてんのふろで におうだち)

〔男たるもの、素っ裸で一度はやってみたいものです。〕




『名月を 盃に浮かべて 月を見る』
(めいげつを はいにうかべて つきをみる)

〔二つの月を見てから、二つの月を飲み干す。〕




『名月や かかりし木ごと 切り取りぬ』
(めいげつや かかりしきごと きりとりぬ)

〔どでかい額縁が要りますね。〕



10/10  女郎花

2006年10月10日 | 俳句
 
『移り香の 袖を染めしや 女郎花』
(うつりがの そでをそめしや おみなえし)

〔女郎花:おみなえし、よく付けた名前です。
人格があるように思えます。〕




『秋風は 二人を裂くる 風なるか』
(あきかぜは ふたりをさくる かぜなるか)

〔秋風を恨むわけではありませんが、冷たくすこし厳しいです。〕




『夢の中 月の光の 君照らす』
(ゆめのなか つきのひかりの きみてらす)

〔夢でも、月の明りを君に照らしましょう。
君の顔が見えるように。
 もう少ししたら、陽の光も。〕




『秋半ば 夢よ醒めるな 夜明くるな』
(あきなかば ゆめよさめるな よあくるな)

〔まだ、秋半ばです。君を見ていたいから、夢よ。夜よ。〕




『雨の月 いざ酔う我に ふさわしき』
(あめのつき いざようわれに ふさわしき)

〔十六夜の月が、雨で見えなくても、今日は、酒があります。〕




『古酒は 深みを増すに 団塊は』
(ふるざけは ふかみをますに だんかいは)

〔酒に限らず、年期を重ねたものには、深い味わいがある。
 人間社会ときたら、団塊、団塊、、って。まとめて用なしってか。〕




『長い夜は 夢を見ましょう 早寝して』
(ながいよは ゆめをみましょう はやねして)

〔秋の夜長は、早く寝て夢を見ましょう。何度もね。〕




『聞き酒は 舌に利かずに 足に効く』
(ききざけは したにきかずに あしにきく)

〔新酒のシーズンです。造り酒屋で利酒が楽しめます。
 明日香の「飛鳥川」いいですよ。〕




『野路菊を 県花と知るや 今国体』
(のじぎくを けんかとしるや こんこくたい)

〔今、兵庫国体の期間中です。〕



10/09  銀杏散る

2006年10月09日 | 俳句
 
『ひらひらと 銀杏散りて 道半ば』  (ひらひらと いちょうちりて みちなかば)

〔銀杏のマークは、大学、高校の紋章によく用いられている。
 学問はかけだし、人生は終わりに近い。道半ばとは。〕

10/09  秋蛍

2006年10月09日 | 俳句
 
『明日香路は 光の河や 秋蛍』  (あすかじは ひかりのかわや あきぼたる)

〔最近、蛍のいる場所が増えているみたいですね。蛍の飛ぶ路は決まっているのでしょうか。〕