動き無き 颱風ゆえの 恐ろしさ
(うごきなき たいふうゆえの おそろしさ)
17880 【季語】 颱風 【季節】 仲秋
水澄みて 心新たの 出会いあり
(みずすみて こころあらたの であいあり)
17881 【季語】 水澄む 【季節】 三秋
蜩は 擦れる声で 窓の外
(ひぐらしは かすれるこえで まどのそと)
17882 【季語】 蜩 【季節】 初秋
文月や 書けず溜まりし 一筆箋
(ぶんつきや かけずたまりし いっぴつせん)
17883 【季語】 文月 【季節】 初秋
空蝉の 世の事なれば はかなきか
(うつせみの よのごとなれば はかなきか)
17884 【季語】 空蝉 【季節】 晩夏
はかなき、、墓無き?
外出れば 風やわらかく 秋めきぬ
(そとでれば かぜやわらかく あきめきぬ)
17885 【季語】 秋めく 【季節】 初秋
閃光の 横に走るや 稲の殿
(せんこうの よこにはしるや いねのとの)
17886 【季語】 稲の殿 【季節】 初秋
稲の殿=稲妻の閃光の大きい物。
散歩道 路辺に見つけし 桐一葉
(さんぽみち ろべにみつけし きりひとは)
17887 【季語】 桐一葉 【季節】 初秋
八月の ある日ドカンと 金メダル
(はちがつの あるひどかんと きんめだる)
17868 【季語】 八月 【季節】 初秋
何せむに 不出来の案山子 効果あり
(なにせむに ふできのかかし こうかあり)
17869 【季語】 案山子 【季節】 三秋
散歩道 出会う影すら 秋めきぬ
(さんぽみち であうかげすら あきめきぬ)
17870 【季語】 秋めく 【季節】 初秋
ひんやりと 寝覚めの風や 今朝の秋
(ひんやりと ねざめのかぜや けさのあき)
17871 【季語】 秋 【季節】 三秋
秋風や 気心一心 散歩道
(あきかぜや きごころいっしん さんぽみち)
17872 【季語】 秋風 【季節】 三秋
気心。季心。
秋の道 小学校歌 洩れ出る
(あきのみち しょうがくこうか もれいずる)
17873 【季語】 秋 【季節】 三秋
古希近し 新涼の風 頬撫でる
(こきちかし しんりょうのかぜ ほおなでる)
17874 【季語】 新涼 【季節】 初秋
通ひ路は 行合いの空 雲早し
(かよひじは ゆきあいのそら くもはやし)
17875 【季語】 行合いの空 【季節】 三秋
行き合いの空=晩夏、初秋の入り交じった空。
通ひ路=行き来する道。
夢の通ひ路、雲の通ひ路等古来より、
和歌などの文芸作品にみられる。
通ひ路=行き来する道。
夢の通ひ路、雲の通ひ路等古来より、
和歌などの文芸作品にみられる。
秋の昼 鳥渡一寸が 深酒に
(あきのひる ちょっとちょっとが ふかざけに)
17876 【季語】 秋 【季節】 三秋
鳥渡=一寸=どちらも「ちょっと」の当て字。
稲妻や 近くも恐き 妻ありて
(いなずまや ちかくもこわき つまありて)
17877 【季語】 稲妻 【季節】 三秋
濡れたれば ずぶ濡れが佳し 秋の雨
(ぬれたれば ずぶぬれがよし あきのあめ)
17878 【季語】 秋 【季節】 三秋
新涼の 気配を感ず ほつれ髪
(しんりょうの けはいをかんず ほつれがみ)
17879 【季語】 新涼 【季節】 初秋
風は凪ぎ 湖水に浮かぶ 雲の峰
(かぜはなぎ こすいにうかぶ くものみね)
17856 【季語】 雲の峰 【季節】 三夏
星近き 熊本遠く 秋暑し
(ほしちかき くまもととおく あきあつし)
17857 【季語】 秋暑し 【季節】 初秋
酔芙蓉 そんな名の君 俤よ
(すいふよう そんななのきみ おもかげよ)
17858 【季語】 酔芙蓉 【季節】 初秋
川下り 棹軋ませて 夏の果て
(かわくだり さおきしませて なつのはて)
17859 【季語】 夏の果て 【季節】 晩夏
御用済み 秋の風鈴 閑かなり
(ごようずみ あきのふうりん しずかなり)
17860 【季語】 秋の風鈴 【季節】 三秋
炎天の 弱まり見せて 眠れる夜
(えんてんの よわまりみせて ねむれるよ)
17861 【季語】 炎天 【季節】 晩夏
入り来る 涼風少し へそ曲がり
(はいりくる すずかぜすこし へそまがり)
17862 【季語】 涼風 【季節】 晩夏
涼しさは 雲の多少と 無関係
(すずしさは くものたしょうと むかんけい)
17863 【季語】 涼し 【季節】 三夏
秋近し 暦の上の 戯言よ
(あきちかし こよみのうえの たわごとよ)
17864 【季語】 秋近し 【季節】 晩夏
つくづくと 変わらぬ天気 法師鳴く
(つくづくと かわらぬてんき ほうしなく)
17865 【季語】 法師蝉 【季節】 初秋
秋暁や 月天心に 半の月
(しゅうぎょうや つきてんしんに はんのつき)
17866 【季語】 秋暁 【季節】 三秋
流れ星 どこからどこへ 天翔る
(ながれぼし どこからどこへ あまかける)
17867 【季語】 流れ星 【季節】 三秋
全日本 蜩鳴けど いまだ夏
(ぜんにほん ひぐらしなけど いまだなつ)
17844 【季語】 蜩 【季節】 初秋
処暑の候 惚れた女の 乱れ髪
(しょしょのこう ほれたおんなの みだれがみ)
17845 【季語】 処暑 【季節】 初秋
浮かぶ瀬の 無き身のあわれ 夏の果て
(うかぶせの なきみのあわれ なつのはて)
17846 【季語】 夏の果て 【季節】 晩夏
涼風も 秋風も無き 世になりし
(すずかぜも あきかぜもなき よになりし)
17847 【季語】 秋風 【季節】 三秋
今の世は 上手の建てたる 良夜かな
(いまのよは じょうずのたてたる りょうやかな)
17848 【季語】 良夜 【季節】 三秋
SLの 窓より入る 秋煙
(えすえるの まどよりはいる あきけむり)
17849 【季語】 秋 【季節】 三秋
夏終わる 天変地異の 終わり無く
(なつおわる てんぺんちいの おわりなく)
17850 【季語】 夏終わる 【季節】 晩夏
幼子の バイバイする手 秋暑し
(おさなごの ばいばいするて あきあつし)
17851 【季語】 秋暑し 【季節】 初秋
初秋や 喉の乱れに 浅田飴
(はつあきや のどのみだれに あさだあめ)
17852 【季語】 初秋 【季節】 初秋
雲の峰 我が髪同じ 黒みます
(くものみね われがかみおなじ くろみます)
17853 【季語】 雲の峰 【季節】 三夏
炎天下 異常が今や 通常に
(えんてんか いじょうがいまや つうじょうに)
17854 【季語】 炎天 【季節】 晩夏
無職なり 年金暮らし そぞろ寒
(むしょくなり ねんきんくらし そぞろさむ)
17855 【季語】 そぞろ寒 【季節】 仲秋