俺流俳句 「いちらくいちらく」

俳句で遊ぼ。

あなたも、優しくなれます。
          
          千秀

晦日正月

2009年01月31日 | 俳句

『早きもの 晦日正月 明日二月』
(はやきもの みそかしょうがつ あすにがつ)

『寒の雨 降る気配あり ご用心』
(かんのあめ ふるけはいあり ごようじん)

『雨音の 途切れも無くて 冬の雨』
(あまおとの とぎれもなくて ふゆのあめ)

『雨音に やさしさ見つけ 春近し』
(あまおとに やさしさみつけ はるちかし)

『ジジと言う 吾子の声聞き 春隣』
(じじという あこのこえきき はるどなり)

『春めきて 物色すべて 鮮やかに』
(はるめきて ものいろすべて あざやかに)

『三輪山の 日射し眩しく 冬温し』
(みわやまの ひざしまぶしく ふゆぬくし)

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冬銀河

2009年01月30日 | 俳句

『梅便り ふるさと遠く 風を待つ』
(うめだより ふるさととおく かぜをまつ)

『尻見せて 朱の足見せて 鴨潜る』
(しりみせて しゅのあしみせて かももぐる)

『万歳の 声聞くまでや 春隣』
(ばんざいの こえきくまでや はるどなり)

『冬銀河 二連機関車 夢走る』
(ふゆぎんが にれんきかんしゃ ゆめはしる)

『蠟梅や 大和の空に 透けて咲く』
(ろうばいや やまとのそらに すけてさく)


コメント (3)
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冬温し

2009年01月29日 | 俳句

『川の辺に 不動の鴨の 立ち続け』
(かわのべに ふどうのかもの たちつづけ)

『エイプリル 四月の陽気 春隣』
(えいぷりる しがつのようき はるどなり)

『眉の濃き 吾子の来るとて 冬温し』
(まゆのこき あこのくるとて ふゆぬくし)

『カイロして 寝れば腰痛 ひどくなり』
(かいろして ねればようつう ひどくなり)

『快晴の 空の青さよ 冬の空』
(かいせいの そらのあおさよ ふゆのそら)

『片戀の 思い出痛し 冬の薔薇』
(かたこいの おもいでいたし ふゆのばら)

『冬温し 言われて判る 汗の筋』
(ふゆぬくし いわれてわかる あせのすじ)

『冬温し 何は無くとも 朋の有り』
(ふゆぬくし なにはなくとも とものあり)

『山茶花の 紅の道標 今もあり』
(さざんかの べにのどうひょう いまもあり)

『寒鯉の 浮かんで見える 長き髭』
(かんごいの うかんでみえる ながきひげ)

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2009年01月28日 | 俳句

『スーパーの 馴染みとなりし 冬の午後』
(すーぱーの なじみとなりし ふゆのごご)

『鰤やすし あらあらかしこ あらかしこ』
(ぶりやすし あらあらかしこ あらかしこ)

『欄干の 手摺に待つや 冬鴎』
(らんかんの てすりにまつや ふゆかもめ)

『襟巻を 朝昼晩と 外せぬ我』
(えりまきを あさひるばんと はずせぬわれ)

『飛び込めば 息も絶え絶え 冬列車』
(とびこめば いきもたえだえ ふゆれっしゃ)


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春節

2009年01月27日 | 俳句

『春節や 朋の家族の 海渡る』
(しゅんせつや とものかぞくの うみわたる)
                   春節=旧正月

『霜囲い 覗けばいとし 寒牡丹』
(しもがこい のぞけばいとし かんぼたん)

『腰を折り 顔を合わせて 水仙花』
(こしをおり かおをあわせて すいせんか)

『手を清む 柄杓の水も 寒の水』
(てをきよむ ひしゃくのみずも かんのみず)

『物事に 王道なしと 冬薔薇』
(ものごとに おうどうなしと ふゆそうび)

『歳時記の 墨の汚れや 霜の夜』
(さいじきの すみのよごれや しものよる)

『狼の 吠え声遠く 別れたる』
(おおかみの ほえごえとおく わかれたる)

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冬旱

2009年01月26日 | 俳句

『ストロボの タイミング合わず 冬旱』
(すとろぼの たいみんぐあわず ふゆひでり)

『風邪なれば また鍋物と 言えぬ我』
(かぜなれば またなべものと いえぬわれ)

『首切りの 話で持ちきり 春を待つ』
(くびきりの はなしでもちきり はるをまつ)

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雪だるま

2009年01月25日 | 俳句

『鴨の群れ 一列にして 順の有り』
(かものむれ いちれつにして じゅんのあり)

『鴨の足 動くことなく 進みけり』
(かものあし うごくことなく すすみけり)

『頬を刺す 冷たさ秘めて 風の吹く』
(ほおをさす つめたさひめて かぜのふく)

『雲流れ 衛星画像 雪催』
(くもながれ えいせいがぞう ゆきもよい)

『空青く 夕日綺麗と 風邪の嫁』
(そらあおく ゆうひきれいと かぜのよめ)

『初歌舞伎 来年は見たき 勘九朗』
(はつかぶき らいねんはみたき かんくろう)

『春待つに 与太郎政治 底が無い』
(はるまつに よたろうせいじ そこがない)

『独り行く 回り道して 寒椿』
(ひとりゆく まわりみちして かんつばき)

『冬の宵 明るき星は 明星よ』
(ふゆのよい あかるきほしは みょうじょうよ)

『木守柿 枝の隙間に 青い空』
(きもりがき えだのすきまに あおいそら)

『しんしんと 北の寒さを 思いやる』
(しんしんと きたのさむさを おもいやる)

『雪だるま 作るゆとりの あるかしら』
(ゆきだるま つくるゆとりの あるかしら)

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ふくら雀

2009年01月24日 | 俳句

『水仙を 活けて生命の 長らえり』
(すいせんを いけていのちの ながらえり)

『苔地蔵 傍らに咲く 野水仙』
(こけじぞう かたわらにさく のずいせん)

『冬の日の 地蔵の顔に ふくよかさ』
(ふゆのひの じぞうのかおに ふくよかさ)

『電線も ふくら雀に 撓りおり』
(でんせんも ふくらすずめに しなりおり)

『梅さえも 届かぬ西の 桃便り』
(うめさえも とどかぬにしの ももだより)

『店員の 挨拶良きや 春隣』
(てんいんの あいさつよきや はるどなり)

『映え渡る 原色の純 寒椿』
(はえわたる げんしょくのじゅん かんつばき

『夢を見る 明日を継ぎて 春を待つ』
(ゆめをみる あすをつなぎて はるをまつ)

『はにかみも マスターOK 春近し』
(はにかみも ますたーOK はるちかし)

『冬の朝 スーパーのチラシ 漁り読み』
(ふゆのあさ すーぱーのちらし あさりよみ)

『遅れ来て 咳の子早く 帰りなん』
(おくれきて せきのこはやく かえりなん)

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冬田道

2009年01月23日 | 俳句

『風の筋 有るかのごとく 冬田道』
(かぜのすじ あるかのごとく ふゆたみち)

『水仙の 捩じれ立ちたる 曲がり角』
(すいせんの ねじれたちたる まがりかど)

『天駆ける 橇の向こうに 北斗星』
(あまかける そりのむこうに ほくとせい)

『冬の雨 じっとり沁みて 顎笑う』
(ふゆのあめ じっとりしみて あごわらう)

『風の子の 少なくなりし 冬の園』
(かぜのこの すくなくなりし ふゆのその)

『内外の 人を比べて くしゃみする』
(ないがいの ひとをくらべて くしゃみする)

『丑の年 もう矢の如く ひいふうみい』
(うしのとし もうやのごとく ひいふうみい)

『冬苺 咥えし唇 色の増し』
(ふゆいちご くわえしくちびる いろのまし)

『洟垂れも 学も体も 無き浪花』
(はなたれも がくもからだも なきなにわ)

『北颪 ぼけとつっこみ 浪花馬鹿』
(きたおろし ぼけとつっこみ なにわばか)

『番長の のさばる世間 軒氷柱』
(ばんちょうの のさばるせけん のきつらら)

『大寒や 足踏み外して あっあっあ』
(だいかんや あしふみはずして あっあっあ)

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冬眠

2009年01月22日 | 俳句

『冬の雨 汗と混じりて ああメタボ』
(ふゆのあめ あせとまじりて ああめたぼ)

『傘をさす ささぬと思案 冬の雨』
(かさをさす ささぬとしあん ふゆのあめ)

『これほどの 布団使いや 風邪の嫁』
(これほどの ふとんづかいや かぜのよめ)

『冬深む 熱き心を 秘めながら』
(ふゆふかむ あつきこころを ひめながら)

『布団の火 なかなか消えぬ ご用心』
(ふとんのひ なかなかきえぬ ごようじん)

『風邪の神 今年もういい また明日』
(かぜのかみ ことしゃもういい またあした)

『風邪薬 飲んでも飲んでも 鼻の水』
(かぜぐすり のんでものんでも はなのみず)

『冬銀河 北斗の七星 手の届き』
(ふゆぎんが ほくとのしちせい てのとどき)

『マスクして 息洩れ曇る メガネかな』
(ますくして いきもれくもる めがねかな)

『咳十度 我も終わりか 泪出る』
(せきじゅうど われもおわりか なみだでる)

『またも雨 明日もまた雨 冬の雨』
(またもあめ あすもまたあめ ふゆのあめ)

『冬眠す 君ら生徒も 先生も』
(とうみんす きみらせいとも せんせいも)

『悪寒する 骨を軋ます 悪寒する』
(おかんする ほねをきします おかんする)


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冬茜

2009年01月21日 | 俳句

『大寒や 農夫の背には 春があり』
(だいかんや のうふのせには はるがあり)

『春近し 野焼きの煙 ここかしこ』
(はるちかし のやきのけむり ここかしこ)

『棚田には 霞かかりて 春近し』
(たなだには かすみかかりて はるちかし)

『夜空には 寒月ひとつ 痩せてあり』
(よぞらには かんげつひとつ やせてあり)

『冬菊の ひかえめにして 咲き揃い』
(とうぎくの ひかえめにして さきそろい)

『冬椿 光を浴びて 華となる』
(ふゆつばき ひかりをあびて はなとなる)

『白壁の 涙の跡に 小雪舞う』
(しらかべの なみだのあとに こゆきまう)

『東より 来たる客人 春隣』
(あずまより きたるきゃくじん はるどなり)

『マスクして 全身呼吸 辛き朝』
(ますくして ぜんしんこきゅう つらきあさ)

『軒氷柱 青年のまま 消えて行く』
(のきつらら せいねんのまま きえてゆく)

『車窓より 紅く燃え出す 冬茜』
(しゃそうより あかくもえだす ふゆあかね)

『受験生 かたわらに咲く 母の花』
(じゅけんせい かたわらにさく おやのはな)

『冬旱 風の音色の 低く舞う』
(ふゆひでり かぜのねいろの ひくくまう)

『風邪催い 加湿器セット 間に合わず』
(かぜもよい かしつきせっと まにあわず)

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初場所

2009年01月20日 | 俳句

『一月や 半ばを過ぎて 動き出す』
(いちがつや なかばをすぎて うごきだす)

『大寒や 口曲げて言う 税の増』
(だいかんや くちまげていう ぜいのぞう)

『懐炉して 腰痛ひどく なりにけり』
(かいろして ようつうひどく なりにけり)

『金の波 銀の波寄す 枯芒』
(きんのなみ ぎんのなみよす かれすすき)

『大寒や 雪にも花の あるごとし』
(だいかんや ゆきにもはなの あるごとし)

『大根焚き この世の名残り 薄甘く』
(だいこだき このよのなごり うすあまく)

『妹と居る 夢よ覚めるな 日向ぼこ』
(いもといる ゆめよさめるな ひなたぼこ)

『冬の月 己に似てか 良い下弦』
(ふゆのつき おのれににてか いいかげん)

『初笑い いまだに詠めず 苦笑い』
(はつわらい いまだによめず にがわらい)

『初場所の 朝青人気 時の風』
(はつばしょの あさしょうにんき ときのかぜ)


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霜の夜

2009年01月19日 | 俳句

『冬の夜や 久しく見せぬ のど自慢』
(ふゆのよや ひさしくみせぬ のどじまん)

『春を待つ 携帯メール いまだ来ず』
(はるをまつ けいたいめーる いまだこず)

『膝に来て 腰に来てはや 春を待つ』
(ひざにきて こしにきてはや はるをまつ)

『飛ぶ鳥の 明日香の里に 春未だ』
(とぶとりの あすかのさとに はるいまだ)

『味酒の 奈良の三輪山 夕時雨』
(うまさけの ならのみわやま ゆうしぐれ)

『明日香風 師の詠みし歌 冬に咲く』
(あすかかぜ しのよみしうた ふゆにさく)

『滝無くも 上へと上る 寒の鯉』
(たきなくも うえへとのぼる かんのこい)

『短日や 戀えば夜は更け 妹の夢』
(たんじつや こえばよはふけ いものゆめ)

『霜の夜は 嫁飛び越して 用を足す』
(しものよは よめとびこして ようをたす)

『うどんすき うどんなくなりゃ らうめんよ』
(うどんすき うどんなくなりゃ らうめんよ)


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野水仙

2009年01月18日 | 俳句

『松過ぎや 靴磨かれて 普段なる』
(まつすぎや くつみがかれて ふだんなる)

『松過ぎて 装い並に 戻りけり』
(まつすぎて よそおいなみに もどりけり)

『寒雀 飛びし距離の 短くて』
(かんすずめ とびしきょりの みじかくて)

『水仙花 男の顔の 乙女なり』
(すいせんか おのこのかおの おとめなり)

『水仙は みな項垂れて 自己主張』
(すいせんは みなうなだれて じこしゅちょう)

『野水仙 一輪手向く 苔地蔵』
(のすいせん いちりんたむく こけじぞう)

『道路鏡 歪んで見えし 冬の道』
(どうろきょう ゆがんでみえし ふゆのみち)

『ひんやりと 青空見えて 北の風』
(ひんやりと あおぞらみえて きたのかぜ)

『湯豆腐や 潰れ崩れも 箸加減』
(ゆどうふや つぶれくずれも はしかげん)

『震災の 恐怖の中に また一年』
(しんさいの きょうふのなかに またいちねん)
                    =8701
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小正月

2009年01月17日 | 俳句

『いい加減 今月今夜の 冬の月』
(いいかげん こんげつこんやの ふゆのつき)

『忘られぬ あの揺れ戻し 震災日』
(わすられぬ あのゆれもどし しんさいひ)

『小正月 吾子よ来い来い 小正月』
(こしょうがつ あこよこいこい こしょうがつ)

『茶の花や 金色の蕊 青き空』
(ちゃのはなや こんじきのしべ あおきそら)

『張る氷 昼まで持ちし 寒さかな』
(はるこおり ひるまでもちし さむさかな)

『日脚伸び パソコン画面の 見辛さよ』
(ひあしのび ぱそこんがめんの みづらさよ)

『芝居見に まずはラーメン 小正月』
(しばいみに まずはらーめん こしょうがつ)

『初春や 歌舞伎の科に 色気あり』
(はつはるや かぶきのしなに いろけあり)

『初春の 幕間の鮨の 酢のきつし』
(はつはるの まくまのすしの すのきつし)
 
『酒飲めば 乗り越し怖し 冬の夜』
(さけのめば のりこしこわし ふゆのよる)

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