俺流俳句 「いちらくいちらく」

俳句で遊ぼ。

あなたも、優しくなれます。
          
          千秀

風光る

2008年02月29日 | 俳句

『春日和 背の温さに 確認す』
(はるびより せなのぬくさに かくにんす)

『陽はぬるく 風は冷たく 春の午後』
(ひはぬるく かぜはつめたく はるのごご)

『凪の川 春光受けて キラキラと』
(なぎのかわ しゅんこううけて きらきらと)

『梅が香に ふるさと想い 人想う』
(うめがかに ふるさとおもい ひとおもう)

『春愁や 春なのに気は 秋心』
(しゅんしゅうや はるなのにきは あきごころ)

『風光る 木々の向こうに 青い空』
(かぜひかる きぎのむこうに あおいそら)

『梅蕾 桃の蕾も あと三日』
(うめつぼみ もものつぼみも あとみっか)

『春浅し 生駒の山の くすみ居て』
(はるあさし いこまのやまの くすみいて)

『店頭に 光増しけり 雛人形』
(てんとうに ひかりましけり ひなにんぎょう)

『朧なり 月に龍とは おぼろなり』
(おぼろなり つきにりゅうとは おぼろなり)

『春愁い 遠目の鴨も 護美となる』
(はるうれい とおめのかもも ごみとなる)

『一羽なら 嫌われまいに 春川鵜』
(いちわなら きらわれまいに はるかわう)

『春川鵜 旅客機の下 西空へ』
(はるかわう りょきゃくきのした にしぞらへ)

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春の闇

2008年02月28日 | 俳句

『閏でも 日足らずを知る 二月尽』
(うるうでも ひたらずをしる にがつじん)

『佐保姫も 九九覚えしか もう八つ』
(さほひめも くくおぼえしか もうやっつ)

『ふらここや 空駆け巡る 夢の中』
(ふらここや そらかけめぐる ゆめのなか)

『春なのに 廃品回収 赤とんぼ』
(はるなのに はいひんかいしゅう あかとんぼ)

『トンネルを 抜けると小雨 春浅し』
(とんねるを ぬけるとこさめ はるあさし)

『春の闇 お先真っ暗 足元も』
(はるのやみ おさきまっくら あしもとも)

『触り見る 指に柔らか 猫柳』
(さわりみる ゆびにやわらか ねこやなぎ)

『明けやらぬ 石の鳥居に 風光る』
(あけやらぬ いしのとりいに かぜひかる)

『春雨に 濡れて行くには 冷たくて』
(はるさめに ぬれてゆくには つめたくて)

『雛飾る 玄関横の 紙の雛』
(ひなかざる げんかんよこの かみのひな)

『たんぽぽの 絮に牽かれて 武庫の川』
(たんぽぽの わたにひかれて むこのかわ)

『バカヤロー 春うららかに 夢の跡』
(ばかやろー はるうららかに ゆめのあと)

『春の武庫 鴉に追われ 鴎来る』
(はるのむこ からすにおわれ かもめくる)

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藤の花

2008年02月27日 | 俳句

『プチ家出 ラーメン残し 春の嫁』
(ぷちいえで らーめんのこし はるのよめ)

『春朧 足踏み外し 迷い道』
(はるおぼろ あしふみはずし まよいみち)

『祈りしは ふる里に咲く 桃の花』
(いのりしは ふるさとにさく もものはな)

『二人して 頬杖つきし 春の午後』
(ふたりして ほおづえつきし はるのごご)

『春日本 杉山ばかり 花粉症』
(はるにほん すぎやまばかり かふんしょう)

『梅の月 雲に隠れて 香りのみ』
(うめのつき くもにかくれて かおりのみ)

『花椿 雨降りだして もらい水』
(はなつばき あめふりだして もらいみず)

『世の中は 何はともあれ 梅は咲く』
(よのなかは なにはともあれ うめはさく)

『石が上 眠る蛙に 小雨降る』
(いしがうえ ねむるかわずに こさめふる)

『子雀よ 俺はお前に 弱いんだ』
(こすずめよ おれはおまえに よわいんだ)
  
『藤棚に 吹く風淡く さらさらと』
(ふじだなに ふくかぜあわく さらさらと)

『藤棚に さざなみ寄せて 風通る』
(ふじだなに さざなみよせて かぜとおる)

『藤の花 日毎日毎に 下に伸ぶ』
(ふじのはな ひごとひごとに したにのぶ)

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鴉の巣

2008年02月26日 | 俳句

『ほととぎす 飛び去り行かず 春告げる』
(ほととぎす とびさりいかず はるつげる)

『雲の中 突っ込む機影 冴え返る』
(くものなか つっこむきえい さえかえる)

『春の陽の 雲の重なり 突き抜ける』
(はるのひの くものかさなり つきぬける)

『菜の花や 霞の先の 玄界灘』
(なのはなや かすみのさきの げんかいなだ)

『鴉の巣 今日は何やら おとなしき』
(からすのす きょうはなにやら おとなしき)

『春水に 川面キラキラ 下に鯉』
(はるみずに かわもきらきら したにこい)

『山笑う 嫁も笑えば うるう年』
(やまわらう よめもわらえば うるうどし)

『如月や 橋の下には 白鷺が』
(きさらぎや はしのしたには しらさぎが)

『あちこちに 春の嵐の 落し物』
(あちこちに はるのあらしの おとしもの)

『桃の花 蕾のままに 店頭に』
(もものはな つぼみのままに てんとうに)

『菫草 三色ありて 目に痛し』
(すみれぐさ さんしょくありて めにいたし)

『春の川 尾っぽ振り振り 鯉寄りぬ』
(はるのかわ おっぽふりふり こいよりぬ)

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チューリップ

2008年02月25日 | 俳句

『鞦韆や 漕ぐ人待ちて 三年目に』
(ふらここや こぐひとまちて みとせめに)
           鞦韆=しゅうせん、ふらここ=ブランコ

『喧しき 風車売りの 風の音』
(やかましき かざぐるまうりの かぜのおと)

『大雪に 変え小雪降る 嫁の伝』
(おおゆきに かえこゆきふる よめのでん)

『シャボン玉 小さく高く 空に消え』
(しゃぼんだま ちいさくたかく そらにきえ)

『花屋前 黄色の映えし チューリップ』
(はなやまえ きいろのはえし ちゅーりっぷ)

『小雪よし 空は春日の ど真ん中』
(こゆきよし そらははるびの どまんなか)

『枝しごき 小梅一輪 盆の上』
(えだしごき こうめいちりん ぼんのうえ)

『飛梅に 鶯鳴くを 遠く聞く』
(とびうめに うぐいすなくを とおくきく)

『東国は 嵐の如き 春一番』
(とうごくは あらしのごとき はるいちばん)

『東風吹かば まだかまだかの 花便り』
(こちふかば まだかまだかの はなだより)

『春の月 望も過ぎて 黄色増し』
(はるのつき のぞみもすぎて きいろまし)

『猫柳 お濠の風に 揺られてる』
(ねこやなぎ おほりのかぜに ゆられてる)

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大雪予報

2008年02月24日 | 俳句

『逆上る 鯉の一団 水温む』
(さかのぼる こいのいちだん みずぬるむ)

『離れては 梅の都の 桃想う』
(はなれては うめのみやこの ももおもう)

『春霞 初めてたなびく 昼下がり』
(はるがすみ はじめてたなびく ひるさがり)

『春めくや カメラを手にし 右左』
(はるめくや かめらをてにし みぎひだり)

『店頭の 妹に似たりし 飾り雛』
(てんとうの いもににたりし かざりびな)

『春めいて 今度は直美の 芝居見に』
(はるめいて こんどはなおみの しばいみに)

『春水は 向こうより来て 行き過ぎし』
(はるみずは むこうよりきて いきすぎし)

『壊れしは 嫁の携帯 春半ば』
(こわれしは よめのけいたい はるなかば)

『今日もまた 大雪予報 外れてね』
(きょうもまた おおゆきよほう はずれてね)

『梅が香に 雪の兆しも 耳遠く』
(うめがかに ゆきのきざしも みみどおく)

『春の風邪 自堕落故と 言うなかれ』
(はるのかぜ じだらくゆえと いうなかれ)

『鏡山 菜の花蓮華 春の海』
(かがみやま なのはなれんげ はるのうみ)
=5720


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水の春

2008年02月23日 | 俳句

『久し振り 餃子ぺろりと 春の宴』
(ひさしぶり ぎょうざぺろりと はるのえん)

『天を向き 寝たる子あり 春日和』
(てんをむき ねたるこあり はるびより)

『春風や 風の色など 探し見ん』
(はるかぜや かぜのいろなど さがしみん)

『水温む 運良き人や 卒業す』
(みずぬるむ うんよきひとや そつぎょうす)

『記憶など すべてを流し 春の水』
(きおくなど すべてをながし はるのみず)

『大丈夫 国を守るに 亀の啼く』
(だいじょうぶ くにをまもるに かめのなく)

『観梅の ポスターに見る 梅どころ』
(かんばいの ぽすたーにみる うめどころ)

『梅日和 大阪城の 手招きし』
(うめびより おおさかじょうの てまねきし)

『大阪は 水の都の 水の春』
(おおさかは みずのみやこの みずのはる)

『今も言う 一昨年の 盆梅展』
(いまもいう いっさくねんの ぼんばいてん)

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2008年02月22日 | 俳句

『掠れしは 飛行機雲よ 春の空』
(かすれしは ひこうきぐもよ はるのそら)

『椋鳥の 我と遊べり 春の畑』
(むくどりの われとあそべり はるのはた)

『垣根より 小首を傾げ 玉椿』
(かきねより こくびをかしげ たまつばき)

『あれこれと 単語の出でぬ 春の昼』
(あれこれと たんごのいでぬ はるのひる)

『春暁や 眠りはいまだ 足りざるに』
(しゅんぎょうや ねむりはいまだ たりざるに)

『うららかや 風静かなれば 尚に良し』
(うららかや かぜしずかなれば なおによし)

『春めきて 空の色にも 恋心』
(はるめきて そらのいろにも こいごころ)

『春の山 生駒の山は 霞みおり』
(はるのやま いこまのやまは かすみおり)

『菫咲く 黄泉平坂 イージス艦』
(すみれさく よもつひらさか いーじすかん)

『ポポンポン 桃は咲いたか 桃太郎』
(ぽぽんぽん ももはさいたか ももたろう)

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梅月夜

2008年02月21日 | 俳句

『鶯や 松竹梅の 庭に居り』
(うぐいすや しょうちくばいの にわにおり)

『地下鉄の 風切り音に 春はなし』
(ちかてつの かぜきりおんに はるはなし)

『春眠は 尻の温みか 知りません』
(しゅんみんは しりのぬくみか しりません)

『雀の子 パチンコ出るや ジャンジャンと』
(すずめのこ ぱちんこでるや じゃんじゃんと)

『ふてぶてし 天を向きたる 猫柳』
(ふてぶてし てんをむきたる ねこやなぎ)

『春霞 生駒の山も ひとやすみ』
(はるがすみ いこまのやまも ひとやすみ)

『白梅に 昔むかしの 想いあり』
(しらうめに むかしむかしの おもいあり)

『梅月夜 同じ月をば 見ているや』
(うめづきよ おなじつきをば みているや)

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黄水仙

2008年02月20日 | 俳句

『息長き 信組の前の 玉椿』
(いきながき しんそのまえの たまつばき)

『座り心地 良くもないのに 春の眠』
(すわりごち よくもないのに はるのねむ)

『紅梅の たわわな枝に 鶯の』
(こうばいの たわわなえだに うぐいすの)

『鶯の 見せし腹の うす緑』
(うぐいすの みせしはらの うすみどり)

『黴色の 生駒の山に 春霞』
(かびいろの いこまのやまに はるがすみ)

『春めきて マスクの目立つ 花粉時』
(はるめきて ますくのめだつ かふんどき)

『渋滞の 波に呑まれて 春浅し』
(じゅうたいの なみにのまれて はるあさし)

『堰の春 透き通る音の 心地良し』
(せきのはる すきとおるおとの ここちよし)

『黄水仙 首の傾げの 気にかかる』
(きすいせん くびのかしげの きにかかる)

『きさらぎの 望月の頃 風強く』
(きさらぎの もちづきのころ かぜつよく)

『足止めて たんぽぽ一輪 会話する』
(あしとめて たんぽぽいちりん はなしする)

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紙風船

2008年02月19日 | 俳句

『紅梅や 今日も元気の 孫メール』
(こうばいや きょうもげんきの まごめーる)

『梅の花 百の香りを 漂わせ』
(うめのはな ひゃくのかおりを ただよわせ)

『逢い見ての 昔のことなど 春の夢』
(あいみての むかしのことなど はるのゆめ)

『思い出の 紙風船の しぼみゆく』
(おもいでの かみふうせんの しぼみゆく)

『また来ると 娘の言いし 梅月夜』
(またくると むすめのいいし うめづきよ)

『春日傘 射したる女の 色黒し』
(はるひがさ さしたるひとの いろくろし)

『春の水 飲んで騒いで 日の暮れて』
(はるのみず のんでさわいで ひのくれて)

『川岸に 囀りありて 姿なし』
(かわぎしに さえずりありて すがたなし)

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春風

2008年02月18日 | 俳句

『朝餉前 パン屋の前を 春風が』
(あさげまえ ぱんやのまえを はるかぜが)

『春の犬 阿吽と啼いて 引籠もる』
(はるのいぬ あうんとないて ひきこもる)

『武庫の川 静かに流れ 春いずこ』
(むこのかわ しずかにながれ はるいずこ)

『ねぐらより 囀り聞こゆ 朝の道』
(ねぐらより さえずりきこゆ あさのみち)

『春の風 大志大志と 吹き抜けて』
(はるのかぜ たいしたいしと ふきぬけて)

『寝るに寝て すべてが万事 朧かな』
(ねるにねて すべてがばんじ おぼろかな)

『春空へ 缶蹴りあげて 夢覚めり』
(はるぞらへ かんけりあげて ゆめさめり)

『朋の道 光り輝き 春うらら』
(とものみち ひかりかがやき はるうらら)

                     =5661

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梅一輪

2008年02月17日 | 俳句

『そこのけと 雀に言われりゃ 春なのさ』
(そこのけと すずめにいわれりゃ はるなのさ)

『春光の 洩れ射す部屋で 昼寝かな』
(しゅんこうの もれさすへやで ひるねかな)

『春光や 天使の囁き 聞くが如』
(しゅんこうや てんしのささやき きくがごと)

『百均の メモ帳ひとつ 春の道』
(ひゃくきんの めもちょうひとつ はるのみち)

『梅一輪 一輪ほどに ふるさとが』
(うめいちりん いちりんほどに ふるさとが)

『梅月夜 口から零れし 愚痴一つ』
(うめづきよ くちからこぼれし ぐちひとつ)

『梅の里 香りに乗せて 孫便り』
(うめのさと かおりにのせて まごだより)

『駅吊りの 盆梅展に 気の急きて』
(えきつりの ぼんばいてんに きのせきて)

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春の道

2008年02月16日 | 俳句

『春なのに 通勤列車 また遅延』
(はるなのに つうきんれっしゃ またちえん)

『春麗 昔少女の 映画談』
(はるうらら むかししょうじょの えいがだん)

『地下に吹く 風も冷たく 春浅し』
(ちかにふく かぜもつめたく はるあさし)

『マスクして 我が前に立てり 春の女』
(ますくして わがまえにたてり はるのひと)

『おっかさん 俺にゃ俺の 春の道』
(おっかさん おいらにゃおいらの はるのみち)

『雀の子 そこは俺の 通る道』
(すずめのこ そこはおいらの とおるみち)

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春の水

2008年02月15日 | 俳句

『春の鳥 南天の実を 啄みぬ』
(はるのとり なんてんのみを ついばみぬ)

『空青く 風は冷たく 春浅し』
(そらあおく かぜはつめたく はるあさし)

『女高生 身振り手振りで 春の唄』
(じょこうせい みぶりてぶりで はるのうた)

『風邪薬 喉元過ぎて 余寒なお』
(かぜぐすり のどもとすぎて よかんなお)

『飛梅や 梅が枝餅も いかがかな』
(とびうめや うめがえもちも いかがかな)

『目の前に ぬっと出た春の ホトトギス』
(めのまえに ぬっとでたはるの ほととぎす)

『春浅し 滑り台にも 主なく』
(はるあさし すべりだいにも あるじなく)

『掌に 掬いて判る 春の水』
(てのひらに すくいてわかる はるのみず)

『香に負けず 梅の蕾の 膨らみて』
(かにまけず うめのつぼみの ふくらみて)

『白梅を 探して歩く 散歩道』
(しらうめを さがしてあるく さんぽみち)

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